●前回のおさらい●
眞子の正体を知られている上に。
とうとう幻覚だと思っていた『倉津真琴』が、自身の傍にその存在を現した。
これは一体、眞子の身に何が起こっているのか?
「そっ、そっ、そっ、そんなぁ。……こんな事って有り得ない。……これは『悪い夢』なの?……それとも『性質の悪い幻』?……」
「いいえ、そこに存在する彼は、貴女が倉津真琴から全てを奪った後の『精神』の残り物。『最後に残った倉津真琴の意思の欠片』っと言った所ですから、夢でも幻でもないですよ」
「待って!!私は……なにも奪ってない。……自らが望んで、こうなった筈なんだから……そんな筈ない。……」
「いいえ、それは、そうじゃあ有りませんよ。それは間違った認識、その認識は改めて下さい。そこに居られる方は、貴女が、倉津真琴から根こそぎ全て奪ったからこそ、彼は、その酷い有様になったんですよ。……ひょっとして貴女、まだ自分の正体に気付いてないんですか?」
「アナタ……なにを言ってるの?私は、向井眞子。正体なんてものはなにもない。……そんなの嘘だ。……」
「嘘ではありませんよ。貴女は、倉津真琴の中にあったXX染色体。俗称『XX眞子』と言う人格から発展したものなのですよ」
なっ!!
そっ……そんな馬鹿な……私の正体が、XX眞子だって言うの……
なにを根拠に、そんな出鱈目な事が言えるの?
……そんな訳ない。
これは私自身が、全てを受け入れて望んだ姿なんだから……XX眞子の存在なんて、今更なにも関係ない筈なのに。
「ちっ、ちっ、違う……ちっ、違う……違う!!違う!!違う!!嘘を付くな!!私は私だぁ!!私はXX眞子なんかじゃない!!違う!!」
「いいえ。貴女は紛れも無くXX眞子ですよ。倉津真琴から、全てを奪った『性質の悪い略奪者』ですよ」
「ちっ、違うって言ってるでしょ!!私は、誰からも、なにも奪ったりなんかしてない!!倉津真琴がヤクザと言う現実から眼を背けたくて、私、向井眞子になったんだ!!だから私は、決してXX眞子なんかじゃない!!これは私だけの意思だ!!」
「はぁ……なるほど、どうやら貴方には、そう言った自覚はない様ですね。……では、お聞きしますがね。倉津真琴は、貴女の様に女性っぽい性格をした人間でしたか?どちらかと言えば『粗野』で『攻撃的な人間』だったのではないですか?それに彼は、今の貴女の様に『男女を使い分けれる』様な器用な人間でしたかね?」
「必至だったんですよ!!心底必死になれば、それなりには、なんだって出来ます!!」
こうやって一生懸命やった結果で、私と言う人格が構成されてるんだから、これが『出来る』って言う、なによりの動かぬ証拠。
自分の欲する物の為なら、人間は、どんな苦難にも立ち向かって必至になれる。
そう言うもんだ!!
「なるほど、実に愉快な解答されるのですね。……では、続けて、お聞きしますが。XX眞子の出現を倉津真琴が認めた。この事実を、貴女は憶えておられますか?」
「明確に憶えてますよ。……けど、XX眞子は、その後、直ぐに、その存在を消した!!だから、あの人格は、ただの瞬間的なものでしかなかったんですよ!!」
「それは……本当に、そうなのでしょうか?……では、此処で再び、お聞きしますが。あの時点での倉津真琴と言う人物は、そんな簡単に『女性と言う体を受け入れられるもの』だったのでしょうか?それは、貴女事XX眞子がフォローしたからこそ、成し得た事ではなかったのですか?」
「違う!!確かに、私がXX眞子の性格をなぞったのは間違いない事ですが。私には、そうするしか方法がなかっただけに過ぎません!!」
「あれ程、心に余裕を持っていたのに、方法が無かったのですか?……いや、それ以前に貴女は、あの時点で既に、場の雰囲気を楽しんでいたのではないですか?」
言い掛かりだ!!
「冗談でしょ!!あの時点は、女性の体に成ったばかりですよ。そんなの、楽しめる訳がないじゃないですか!!100%一杯一杯でしたよ!!」
楽しんでなんかない……
その場の雰囲気を崩しちゃイケないと思い。
あれは、皆さんに合わす為に、目一杯、出来る限りの事をして、必至になっていたに過ぎない。
それこそ、あそこで楽しめる様な精神だったら、自分が『キチガイ』だと言う証明をする様なもんじゃないですか!!
冗談じゃないですよ!!
「異な事を言いますね。アナタは時間が経つ毎に、場の雰囲気に慣れて行き。途中、有野素直さんが帰る間際には『有野素直さんの相談を聞く程の余裕が有った』女の体に成って数時間しか経ってないのにも拘らずですよ。パニックに陥っていた筈のアナタが、何故、そんな、人の話を聞く程の余裕が有るんですか?」
「あれは……いずれ『眞子は消え行く存在』だと、その時点では思い込んでいたから。どうせなら『女として、素直ちゃんの相談に応える事が出来無いかなぁ』っと模索しただけです!!それを行動に移した結果、あぁなっただけです!!」
「自分の事だけでも大変なのに。あの状態で『人の事を考えた』と、おっしゃるのですね。……人、それを『余裕』と言うんじゃないんですか?XX眞子さん?」
「だから違うんですって!!私はXX眞子なんかじゃない!!さっきから違うって言ってるでしょ!!」
でも……今にして思えば、確かに、あの余裕は、ちょっと変だよね。
なんで、あんなに場の雰囲気に馴染めてたのかは、今となっては全く自分でも解らない。
……何故なんだろう?
ヤッパリ私は……
「いいえ、なにも違いません。アナタは、そうやって、倉津真琴には気付かれない様に『密か』に『巧み』に『狡猾』に。そして『着実』に、彼の精神を蝕んでいっただけに過ぎません。いい加減自覚したら、どうですか?」
「違う……」
そんな事ない……ヤッパリ、そんな事ないよ。
これは、自分の意思を貫いただけだの事であって、他者の意思なんて関係ない。
それに奈緒ネェに『好感度を上げろ』って言われてたから、無意識の内に頑張ってただけの筈だ。
だから私はXX眞子なんかじゃない、XX眞子なんかである筈がない。
「どうやら、言葉だけでは、あまり御理解頂けない様なので。貴女が行ってきた、もっと解り易い実例を挙げていきましょうか」
「そんなの、なにも無いって……」
「いいえ、貴女は、本当に狡猾な方でしたよ」
もぉ私が、なにをしたって言うの?
私が必至の思いで、なんとか、この体に慣れ様としただけなのに……
体が動かないからって……
なんで、こんな見ず知らずの人に、こんな謂れの無い誹謗中傷を浴びせられなきゃ成らないの?
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
此処まで読んで下さってる方も、疑問に思った部分が多いとは思うのですが。
『何故、此処まで眞子が、女性と言う体を受け入れられたのか?』不思議に思った事はありませんか?
これはプライベートで読んで頂いて、感想を貰っているリアルの友人からも言われた事なんですが『ちょっと眞子の女性化が早すぎるんじゃないか?』って言われた事があるんですよ。
まぁ実際の話で言えば、半年も女性として生活をしていますし。
眞子と言う存在を世間に認めて貰う為に必死に成っている訳ですから、そこまで早くはないと思うのですが。
もし仮に、本編でも書かれている様に『まだXX眞子の存在が消えてなかったとしたら』……結構、辻褄が合うと思いませんか?
そうなんですよ。
これ自体は、設定当初から考えていた事ですので『結構早い段階から、倉津君が女性の体を受けいられた要因』
それを加味していたから『早く慣れてる様に見えたんです』ね。
まぁただ、この医者らしき人物の言ってる事が『本当に正しければ』の話ですけどね(笑)
さてさて、そんな中。
まだまだ医師らしき人物からの追求が続く訳なのですが。
次回は、更なら具体例を挙げて行きたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
読み終わったら、ポイントを付けましょう!