●前回のおさらい●
前回までは、ダラスにあった楽器屋さんのお話をしていたのですが。
では何故、眞子は、こんな一見、奈緒さんのライブに付き合ってた事とは関係ない話話をしていたのか?
その真相は……
……っとまぁ、そんな訳でして、ロクでもない店だったって話ですね。
流石『崇秀御用達のお店』だ。
……っで、なんで意味も無く、帰りの空港で、こんな話をしたかって言うとね。
今から、奈緒ネェとは、ちょっとの間……また、お別れなんだよね。
奈緒ネェは、これから活動拠点を『日本からアメリカに移しちゃう』から、当然もぉ日本には居ない。
そんな風に奈緒ネェが居ないだけで、日本での生活が一気に不安になって、悲しくなりそうだったから、こんな関係のない話をして気を紛れさせてたんですよ。
そりゃあね。
この私も、この全米45箇所ツアーで約2ヶ月近くを、奈緒ネェと離れた状態で1人でアメリカでの生活して来たんだけど。
それはそれ、っと言いますか、なんて言いますか。
家に帰れば……奈緒ネェが居るって思えたから、この生活も頑張って来れたんだけど。
奈緒ネェの家に、奈緒ネェが居ないって言うのは……本音で言えば、凄く寂しい。
なんかね、これから帰る家が、一人ぼっちって……待ってくれてる人が居ないなんて……奈緒ネェが居ないなんて。
もぉ、今にも、泣きそうだったんですよ。
こんな話でもしてないと……気持ちが、もたなかったんですよ。
勿論ね。
こんなのは『ただ単に、私が奈緒ネェに甘えてるだけ』だって事は解ってるんだよ。
でもね。
真琴ちゃんの時も含めて、奈緒ネェと知り合ってから、こんな体験1度もした事がないし……本当の意味で、私は孤独になる様な気がしてならない。
1人ぼっちは嫌だったの……
……あぁ、でもね、でもね。
もぉ大丈夫だよ!!大丈夫!!
こうやって無駄な話をしていたから、気分も大分落ち着いたし。
こう見えて私だって『炊事』『洗濯』それに『お掃除』だって、もぉ全部ちゃんと出来ちゃうし。
勉強だって、アメリカに滞在してる期間で、奈緒ネェが居なくても大丈夫な様に、出来るだけ1人でやる習慣もつけた。
だから……奈緒ネェには、なにも心配せずにアメリカで頑張って欲しいって……少しづつだけど、今は思える様になって来た。
それになによりね。
私、元からお気楽な人間だから……もぉ大丈夫だと思うしね。
ははっ……
***
……まぁそんな訳なんで。
ちょっと、おセンチな気分に浸っちゃいましたけど。
これまでで一番の笑顔で、奈緒ネェの門出をお祝いしたいと思います♪
最後まで泣かずに頑張るぞ!!
「あっ、奈緒ネェ。そろそろ時間だから行くね」
「うん。気を付けて帰るんだよ」
「あぁ、うん。……って言うか、奈緒ネェ。此処からは飛行機に乗って帰るだけだし。家に着いても、普段と、なにも変わらない生活がスタートするだけだよ。だから大丈夫、大丈夫」
「そっかぁ。あぁ、でも眞子。なにか困った事があったら、ちゃんと直ぐに電話してくるんだよ」
「あぁ、じゃあ、奈緒ネェも、困った事があったら電話してくださいね。私、直ぐにでも、アメリカに飛んで来るから……あっ、あの、呼んでくれたらHELPでも来るからさ。遠慮とかしないでね」
ダメだ……
必至に我慢してるけど。
もぉ、この会話が日常的に出来なくなると思うと……これ以上喋ったら、我慢しきれずに涙が零れ落ちそうだ。
でも、泣くな私!!
此処では絶対に泣いちゃダメだ!!
「うん、ありがとう……でも、眞子に心配される様じゃ、私もまだまだだね」
「うぅん。違う違う。そうじゃないの。奈緒ネェはね。シッカリし過ぎてるから、逆に危なっかしいんだよ。だからね。私じゃなくても良いから、人に頼れる時は、ちゃんと頼らないとダメだよ。……そこが一番心配なだけ」
「もぉ、生意気言って……良いよ。そんなに心配してくれてるなら、いっぱい電話しちゃうからね。嬉しい時も、悲しい時も、眞子には一番最初に電話するからね。……あぁでも、あれだよ。ただの愚痴で、電話するかも知れないけどね」
「うん。……どんな時でも電話して下さい。私は、奈緒ネェが『世界一のアーティスト』に成って帰って来るのを、日本で待ってるから……奈緒ネェの家を、ちゃんと守ってるね。あそこは、奈緒ネェが帰って来る場所だから」
「ぐすっ……もぉ馬鹿……泣かすな」
ダメだって奈緒ネェ……
そんな風に泣いちゃったら、私も、釣られて泣いちゃうよぉ……
でも……今日は、絶対に泣かない!!
なにがあっても……我慢する!!
「泣かないで奈緒ネェ。奈緒ネェの帰って来る家には、絶対、私が待ってるから……頑張ってね、奈緒ネェ……」
「強いね、眞子……うん、わかった。君と、また楽しい生活が出来る事を考えながら頑張ってみるよ。だから眞子も、これから辛い事が一杯あるかも知れないけど……負けちゃダメだよ。頑張るんだよ」
「あっ、はい……じゃあ、そろそろ時間だから行くね」
「うん。本当に気を付けるんだよ。あぁそれと最後に、変な男に捕まっちゃダメだよ。眞子は、直ぐに人を信じる馬鹿なんだから……」
「大丈夫……私が好きなのは、一生、奈緒ネェと、崇秀だけだから。2人を越える人間じゃないと見向きもしないよ」
「そぉ。……じゃあ、もぉ行きなさい。……バイバイ眞子……またね……」
「……ばいばい……またね、奈緒ネェ……」
もぉ限界だぁ……
でも私は、今日だけは、奈緒ネェに涙を見せたくないから、素早く奈緒ネェに背中を向けて……歩き出した。
だが、そんな気持ちとは裏腹に、その後ろを振り向いた瞬間からポロポロポロポロ零れて……涙が止まらないよぉ。
このまま振り返って、もう一度、奈緒ネェを抱きしめたいよぉ……
「眞子!!私は!!なにがあっても眞子の味方だから!!誰にも!!負けないでね!!頑張れ!!」
「『!!』……ぐすっ……ぐすっ……」
うっ……
うっ……
うわ~~~~~~ん!!
涙が……
涙がぁ……
止めどなく零れ落ちてくるよぉ……
もぉどうやっても止まってくれない……
……でも、此処で振り返っちゃダメだ。
私は……奈緒ネェの門出を、ちゃんと最後まで祝うんだ!!
振り向きたい気持ちを必至に抑制して、私は、その場で『コクッ』っとだけ小さく頷き。
前を向いたまま、奈緒ネェに最後の声を掛けた。
「うん。……じゃあね、奈緒ネェ……ぐすっぐすっ……」
「バイバイ……バイバイ……またね……」
***
……こうして私は、アメリカを後にし。
奈緒ネェも、崇秀も居ない……新しい生活をスタートさせた。
……でも思うんだ。
2人が居ない生活が続けば。
忘れると言う意味じゃなくて、いずれ、この気持ちも少しは和らいで来ると思う。
勿論、新生活は辛いだろうし、嫌な事もいっぱいあるかも知れない。
けど……もぉ、人に甘えるだけの気持ちはない。
だからきっと……
変わり行く季節と共に……
『Days when even it is probably peaceful(恐らくは、それさえも平穏な日々)』
……に変わっていくのだろう。
……そして私は、また『平穏じゃない日々』が来る事を待ち望んでいる。
なんてね♪
***
さぁ~~て、次回の眞子ちゃんわぁ!!
とうとうアメリカ編を終えて、新章に突入!!
一人暮らしで、不安ばかり残るドキドキの新生活が始まり始まり。
そう言えば……私、3年生になるんだね。
……って事で次回は!!
『The beginning of new life』
「新しい人生の始まり」
……をお送りします♪
……あっ、そうだ。
序に言い忘れてたんだけど。
あの『テキサスの楽器店【骸】さん』に預けた『79 Sting -rayちゃん』と、お借りしてる『GUILD 67 STAR-FIRE4ちゃん』の件なんだけどね。
結局『79 Sting -rayちゃんのカスタム』が、私の帰国までに間に合わなかったんで、今の所は『人質』ならぬ『物質(モノジチ)』として『GUILD 67 STAR-FIRE4ちゃん』を、お店の許可を得て日本の持って帰る事になりました。
それで『79 Sting -rayちゃん』のカスタムが完成すると共に、ジムさんには奈緒ネェの家の住所を教えておいたので、私の元に、直ぐに送り届けて来てくれるらしい。
勿論、到着後には『着払い』で『スタファちゃん』を送り返さなければならないので。
そうなったら、そうなったで『GUILD 67 STAR-FIRE4ちゃん』とは……また、お別れなんですよね。
ヤッパリ返したくないなぁ……本気で買おうかっなぁ……
……っとまぁ、そんな風に、喜びと悲しみの報告終わり。
じゃあ、また次回ね♪
バイバイ♪(*'ω'*)੭ु⁾⁾
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
これにて第一章・第三十九話【Days when even it is probably peaceful】はお仕舞に成るのですが……如何でしたでしょうか?
お別れの前にしていた【骸】さんっと言う楽器ショップのお話は。
実は眞子自身が、これから拠点をアメリカに移す奈緒さんとのお別れを悲しまない様にする為にしていたお話だったんですね。
それ程までに、眞子にとって奈緒さんの存在は大きかったのでしょう。
さてさて、そんな悲しみの中。
眞子は日本に戻り、これからの新生活を始まり。
学年も3年に上がり、母校には転校生扱いで戻って行く訳なのですが……
一体、彼女には、どんな環境が待ち受けているのでしょうね?
それは次回から始まる第一章・第四十話【The beginning of new life(新しい人生の始まり)】で描いて行きたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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