最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1578 地獄の様な車内

公開日時: 2025年5月31日(土) 00:21
文字数:2,012

●前回のおさらい●


 ライブハウスに向かう車の中で、倉津君は1人戦っていた。

ヒナちゃんの中でフェロモンをまき散らす崇秀で勃起しない為に!!(笑)

 ……っとまぁ。

そんな、中々救い様の無い地獄車を、目的地のライブハウスがある『関内』に向けて、ひた走らせている訳なんだがな。


崇秀のアホは、そんな俺の気持ちを知る由もなく。

突然、こんな間の抜けた事を言い出してきたんだよ。


オマエなぁ……



「なぁ、倉津。さっきからオマエ、なんかチラチラ、コッチを見てるけどよぉ。なんか用か?ションベンか?」


なんて事を、人の気も知らずに、平然と言って来るんだぞ。


もぉ気分的には、ブン殴ってやりたい心境だよ。

寧ろ、今、そんな殺意と共に、ブチ犯したろかとも思っちまったよ。


イカンイカン、そんなロクデモナイ事を考えてる場合じゃないな。


此処は少し冷静に成る為にも、しっかりと気を静めなきゃな。



「なっ、なに言ってんだよ!!いっ、1回もソッチなんぞ見てねぇわ!!なんでワザワザ、オマエなんぞを見にゃあ成らんのだ!!この自意識過剰野郎!!」


ダメだった。


冷静に話をしようとしても。

相当イライラが溜まってるのかして、自然と言葉尻が強くなっちまった。



「あぁそぉ。なら、良いんだけどよぉ。余所見しながらの運転は危ねぇから、最低限、そこは気を付けてくれな」

「アッ、アホか!!いっ、言われなくても、そんな事、解ってるつぅの!!つぅか、余所見してねぇんだから大丈夫だつぅの!!」


……っとか言いながら。

結局は、モロに崇秀の方を見ちゃってるしな。


アカンって……こんなにモロに見ちまったら、間違いなく勃起ってまうって!!



「あぁそぉ。けどオマエ、知ってるか?」

「なんだよ?」

「さっきから対向車線をはみ出して走行してるぞ」

「へっ?うわっ!!うわっ!!危ねぇ~~~!!」


気付かぬ間に、崇秀のフェロモンにやられた俺は。

車が左ハンドルなのも伴って、自然と視線の先を目指すが如く、右方向に向かってしまい、フラフラと対向車線を越えていたらしい。


意識が完全にソッチに行ってる証拠だ。


これは本格的にヤバイ。

一応、ハンドルを切って、走行車線には戻したが。

このまま走行を続けたら、マジで、いつか事故っちまうよ。



「オイオイ、倉津、シッカリしてくれよな。疲れてるんなら、運転変わるぞ」


頼むから、それだけは辞めてくれ。


そんな事をしたら、助手席で変に時間を持て余しちまうから。

余計にオマエの事を、ジロジロと見ちまう羽目に成っちまうつぅの!!


親切で言ってくれてるのは、十分な程に理解してはいるんだがな。

今の俺にとっては、滅茶苦茶、傍迷惑でしかない親切だから、そう言う気遣いは一切はいりません。


結構毛だらけ、猫灰だらけだ。



「余計なお世話だよ!!大体にして、女の運転する車の横になんぞ呑気に乗ってられるかよ!!」

「オイオイ、なんか豪い言われ様だな。心配してやってるんだから、別に、そんな言い方しなくても良いじゃんかよ」

「うっさいわ!!女は黙って、大人しくしてろ!!」

「オイオイ、ホントなんなんだよ?さっきから女女って?さっきからオマエ、なにを1人で怒ってるんだよ?」


もぉ頼むから喋るな。

なにも喋ってくれるな。


俺の脳味噌には、高性能な『ツンデレ娘ヴォイス変換装置』が搭載されてるから、オマエは、もぉ喋るな。

話せば話す程、俺にとっては地獄がアップデートされちまうだからよぉ。


贅沢言わねぇから、マジで黙ってくれ。



「いい加減、だ・ま・れ・な。運転中は静かにしてるのが、同乗者のマナーってもんだろうに。しかも、助手席で喋り掛けてくるなんざ論外中の論外だぞ」

「はぁ?なに言ってんの、オマエ?オマエ、いつも運転中でも無駄にベラベラと自分から喋って来るじゃんかよ。なんで今日に限って、そんな事ばっかり言うんだよ?意味が解んねぇぞ」


それはな……今のオマエと言う存在が、俺の集中力を根こそぎ奪うからだ。


つぅか、そんな文句ばっかり言わずに大人しくしてろ!!

オマエの方を見る度に、その服の隙間から少しだけ見えてる白いオッパイが、さっきから気に成ってしょうがねぇんだからよ!!


もう既に、そんな細かい部分まで目に入る様に成って来るぐらい気に成って。

理性が、いつ吹き飛んでも、おかしくはない状況に成っちまってるんだからよ。


俺の意識を、ソッチに向けさせるな!!



「もぉ、オマエは、さっきから、何度もやかましいって言ってるだろ!!そうやってペチャクチャペチャクチャ喋り掛けながら、馬鹿みたいにフェロモン撒き散らしてんじゃねぇよ!!このツンデレ娘が!!構ってチャンか!!」

「はっ、はぁ~~~~~?なんだよそれ??」


しっ、しまった!!

イライラが限界に来たのかして、ついつい本音を吐き出しちまったよ!!


なんて事を言ってんだよ俺!!


つぅか!!

崇秀は、俺や、ヒナを手伝ってくれ様としてるだけであって、なんの罪もねぇのに。

こんな訳の解らない様なイチャモンを付けてまで怒鳴り散らかすなんて、もう人として、どうよ?


ホント、なにやってるんだよ俺?


これは、ホンマにアカン奴や。

幾らなんでも、言って良い事と、悪い事があるだろうに。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


これは倉津君が可哀想ですね。


崇秀(ヒナちゃん)から目を逸らす為に、必死に頑張ってるのに。

一向に報われずに、崇秀がベラベラ喋ってきたのでは、あまりにも救いがないと言うものです。


……っとは言え。

勿論、崇秀に悪意がある訳ではありませんし。

寧ろ、倉津君の様子が変だからこそ、心配してる部分が多々ありますので、どちらが一方的に悪いと言う状況でもありませんけどね。


ですが最後に、倉津君が『フェロモンの件』を、つい口走ってしまいましたので。

最低限、次回、なんらかの動きがあるとは思いますです♪


……ってな感じのお話を、次回は書いていこうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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