最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
殴り書き書店

第一章 第九話 これ……ダメ過ぎんだろ

386 文化祭の準備は戦国キャバクラ時代

公開日時: 2022年2月27日(日) 00:21
更新日時: 2022年12月28日(水) 13:48
文字数:2,692

第一章・第九話【これ……ダメ過ぎんだろ】が始まるよぉ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

 009【これ……ダメ過ぎんだろ】


 『コン!!コン!!コン!!コン!!……オラ!!もっと早くしろ。もぉ余裕も時間がねぇんだぞ』


 月日が経つのは早いもので、気付けば今日は、早くも文化祭前々日に成り、この学校のイカレタ文化祭の準備も、漸く、佳境に入って来た。


だが……この学校の盛り上がり方は、他の学校の文化祭とは一線を博しており。

なにがそんなに楽しいのかは知らないが、近年稀にも見ない程の異様なまでの熱気に包まれている。


故に、校内に居る多くの人間達は、休む間も惜しみつつ、慌しく廊下を駆け抜け、教室や体育館への移動を繰り返す。


その場、その場の移動先で、ある者は、現場に居る人間に『指示』を飛ばし、またある者は、疲れた者に『檄』吐き出す。

そこや彼処で、無駄に盛り上がった熱気のある言葉が飛び交っている。


これ等を総称して見た時、明らかに、この学校中に存在する人間が、無駄なヤル気に溢れ返ってる証拠だと思えた。


そのヤル気に伴って、当然の如く。

校内のアチラコチラで、工作をの為に出る『鋸の木を切り裂く音』『トンカチの音』も、同時に響き渡っている。

いや、正確に言えば、これは、トンカチの音と言うよりも、ピストルみたいな銃系の形をした道具から、空気圧で打ち出される釘が、壁に突き刺さる音と言った方が、より正確だろう。

これは、家作りや、家の改装の為によく用いられる、大工仕事の効率を上げる為に開発されたトンカチの代わりになる大工道具だ。


当然の事なんだがな、日用大工が趣味でもない限り、普通の学生や、素人が持つ様な代物じゃない。

早い話だ、この道具から打ち出される音の出所は、ウチの生徒達が出してるものでは無いと言う事だ。


更に、解り易く解説するとだな、音の発生源は、素人に非ず『プロの大道具職人』だって事だ。


っとなると、当然『何故こんな人達が、高々中学生の文化祭の為に作業をしてくれているのか?』っと言う疑問が浮かぶのも不思議じゃないだが、この答えは、WEBで……ではなく、既に第5話で回答済みの質問だ。


この状況を招いた犯人は、言わずと知れた……


『向井奈緒』

その人以外の何者でもない。


それもその筈、実は、あの後、奈緒さんの悪乗りにも似た『あの冗談めいた企画話』をな、あの人、マジでTV局と掛け合ったらしいんだよ。

それで彼女は、その局の音楽番組への『無料出演』を交換条件に、この企画を強引にねじ込み、各局の同意を得たらしいんだ。

でだな、局からのOKが出たので、本格的に大量の職人と、それに伴う機材が、共にこの学校に運び込まれて来たって訳だ。


正に、悪乗り女王の思惑通り、プロの大道具さんが、各クラスの手伝いに走り廻ってくれている。


……しかしまぁ、何度見ても、中学生と、職人のコラボは有り得ない異様な光景だよな。

まるで、サクセスストーリーを描いた、性質の悪いアメリカの映画を見てる心境になる。


んでだな、そんな異様な光景の中でも、重点的に職人が訪れてくれるのは、ウチのクラス。


元々、奈緒さん自身も、ウチのクラスをメインに考えていた様なんだが……職人が集まる理由は、それだけには留まらない。

何故なら、ウチのクラスの女子は、中学生とは言え『女子レベル』『女子力レベル』が共に基準値より高く。


職人達からしたら……『どうせ手伝うなら可愛い子の手伝いをしよう』なんて、下衆な考えになってしまい、こぞってウチのクラスに訪れてくる。


なんでも噂ではな。

職人達が『ジャンケン』をしてまで、ウチのクラスの『手伝う権利』を奪い合ってる有様らしい。

その上でだ、職人達の間では『1時間交代制』と言う謎のルールさえ存在すると言う。


これでは既に、中学生の文化祭と言うよりだな。

職人達が『キャバ嬢の指名競争に借り出されてる』みたいな感じだな。


正に、下衆の極みを集約した様な状況だ。


まぁまぁ、予想もしなかった、こんな酷い状況になってしまったとは言え、職人達が文化祭の手伝いをしてくれているのは、確かな事実。

俺としては、せめて職人達に感謝の念と、良い環境で仕事をして貰おうと思い、此処で、ウチの女子達全員に、あるお願いを依頼する。


まぁ、その『頼み』ってのは、他でもないんだがな。


ただ単に『笑顔』で『お疲れ様です』『ご苦労様です』『頑張って下さい』『ありがとうございます』等と言う、職人達に労いの一言添えて、飲み物を配る事を提案をしただけ。


早い話、俺は『感謝の念』とか綺麗事をぬかしてだな。

ただ単に、女子を使って、職人達の効率や、ヤル気をUPさせようと考えただけだ。

(↑女子を使ってる時点で、既に『女衒』の思考な俺)


するとだ、普段、裏方の仕事でハードな仕事をこなしても、労いの言葉を貰う事が少ない職人達は、この彼女達の好意に、思ってた以上に過剰な反応をしてしまう。


基本的に、若い女の子好きのスケベエなオッサン達は勿論の事。

若い職人達も、この気遣いある優しい女子達の行為を妙に喜んでしまい。

『ちょっとでも良い格好をしたい』と考え始め、職人共は、目の色を変えて仕事をし始めた。

(↑確認して置くが、中学生の女子にだぞ)


その結果、更に、ウチのクラスを『手伝う権利』の奪い合いが激化する事になる。


この時点でだな。

なにやら裏では、金を払ってまで、ウチのクラスを訪れる職人まで現れる始末だったらしい。


んで俺は、つい、この状況を楽しんでしまい、奈緒さんバリの悪乗りしてしまう。


俺が、何をしたか?って言うとだな。

これを面白がって……『大谷由佳と、伊藤舞歌に耳打ちして教えてしまったんだ』


すると、これも悪い事に、彼女達は、その話を聞いて気分を良くしたのか。

クラスの女子を統率し、更に1ランク上の気遣いを、自らの意思で職人達に始めた。


恐らくだがな。

この女子の行為は『常に一番で有りたい』と言う女子特有の意識に火が着いて、他のクラスに対する『対抗意識』に目覚めたものだと考えられる。


……っとなると当然、その噂を聞いた他のクラスの女子も『負けていられない』と言う意識が芽生え、職人達に気遣い始める。


これにより『本当の意味でのキャバクラ状態』になった訳だ。


まぁ此処まで来たら、完全に俺の思惑の外。

女子の『対抗意識』と『大胆な行動力』に驚愕するしかなかった。


んで、最終的にはだな。

今ウチの学校は、クラスの女子対抗『職人争奪』戦国キャバクラ時代が幕開けてる訳だ。


っと言う、ロクデモナイ感じが、今の我が校の文化祭前々日の悲しすぎる現状だ。

(↑職人共、中学生相手にメロッてんじゃねぇよ)



けど、これ……冷静に見たら、ダメ過ぎるだろ。


良い大人が、なに考えてんだよ。


これ……ダメ過ぎんだろ。

(一回目)


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


とうとう、この話を持って下準備も佳境に入って来たようですが。

もぉ既に初っ端からロクデモナイ事に成ってますね(笑)


まぁでも、この物語の主人公が漫画人生まっしぐらな倉津君だから、こう言う事態は仕方がありません。


そぉ……倉津君が悪いのです(笑)


さてさて、そんな戦国キャバクラ状態の中。

次回のお話では、上手く人が回って行くのかをお楽しみください。


そんな感じですが、また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート