●前回のおさらい●
メンバーからの少々解り難いアドバイスを、眞子は自身の力で気付き。
漸く、自分だけのリズムを構成しようと試みた結果、なんとか思い通りに上手く嵌り。
ある程度まで納得いくリズムが刻める様になった時、アンコールに突入していった。
そんで準備が整って、アンコールを乗っ取ったライブが開始した。
そこでミナさんは慣れた口調で、観客の皆さんを煽り始める。
私……ミナさんのこれ、好きなんだよね♪
「HEY-HEY!!脳天まで幸せなミュージックジャンキーの諸君!!アンタ等、今までの、このライブの音楽で満足かぁ!!満足なのかぁ?」
「「「「「「NO!!NO!!NO!!NO!!NO!!NO!!」」」」」
「それじゃあ、アンタ等の求める曲は、誰が奏でられるって言うんだ?誰だい?言ってみな!!」
「「「「「ミナ!!アンタだミナ!!アンタしか居ねぇ!!」」」」」
「オーライだ。ならくれてやる!!『Loser dog heart』!!タップリ喰いな!!」
「「「「「わあぁぁぁぁあぁぁぁ~~~!!」」」」」
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(ФωФ)フフフ・・・
幾らミナさんが、観客の皆さんを上手く煽ったとしても、本当の美味しい所だけは、そう簡単にはあげませんよ。
バンドを支配するのはギターでも、キーボードでもなければ、ましてやミナさんの様なボーカルでもないんですよ。
常に音楽の支配権を握っているのは、ベースか、ドラムのリズム隊。
なので、これからバンドの皆さん全員には、私の言う事を絶対に聞いて貰いますからね。
リズムに覚醒した私に反抗は許しませんよ!!
今の眞子は、この場の支配者ですからね。
んな訳で……全力全開!!
アメリカに渡ってからの全てのドラムの人との『共鳴音楽・リズムレゾナンス』!!
出来ると思い込んだ、ご都合主義で、イッケエエェェェェエェ~~~~!!
イッテシマエェェェエェェ~~~~!!
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全身に、今までドラムの人達が叩いてくれた『Loser dog heart』良い所取りをして、私は演奏を始めた。
ハイ、此処で記憶消えたぁ……
後は知らないから……ちゅんまちぇん。
……っと、本来なら、いつもの様に、此処で記憶が吹き飛ぶと思っていた矢先。
観客エリアから、なにやらステージに向ってきながら大声で叫んでいる男性が居るんだよね。
なにあの人?
「ゴラァアァ~~!!そこ、どっけぇ~~~~カス共!!おい、オマエ!!つまんないリズムで、音楽を穢してんじゃねぇぞ!!この下手糞ベースがぁ!!」
「「「「「オイ、誰か乱入しやがったぞ!!アイツ、この面子相手に乱入しやがった!!」」」」」
「「「「「狂ってやがる!!アイツ、正気じゃねぇな!!頭、おかしいんじゃねぇのか?」」」」」
「ケヘヘヘヘッ!!やかましいわ、この音楽豚ちゃん共がよぉ!!そんなゴチャゴチャ言わねぇでも、今から俺ちゃんが、この糞音楽に『喝』ってもんを入れてやっから、大人しく聞いてな!!キャハハハハハ……」
……っと言う罵声と、観客の驚く声共に。
1人の男性が、観客の皆さんを殴りながら、問答無用にステージに駆け上がって来た。
しかも、その男性はステージに上がるや否や、素早くホランドさんの横をすり抜け。
一気にドラムの置いてある無人のスペースまで走り込む。
そして、そこに腰を下ろすと、後ろポケットに差し込んであったドラムスティックを引き抜き。
曲の途中だというのに、勝手に私の作ったリズムに割り込んでくる。
なにコイツ!!
やけに気分の悪い事してくれるじゃないの!!
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あっ……嘘。
この人、理屈抜きで上手いじゃん!!
神奈川県に住む某山中君より、正確なリズムを叩き出しているね!!
それにドラムの独特なダイナミックな音が、脳天にまで響き渡ってくる!!
なになに?
この人……やるぅ~~!!
だったら私は!!
アンタのドラムの音に『暴走ブースト』を掛けて。
このアンタが上書きしてくれたリズム自体を、完全に乗っ取ってやるんだからね!!
そう簡単には好きにさせないからね!!
おりゃあぁ!!
イッケエェェ~~~~~!!
♪-♪-♪-♪--♪♪♪♪♪--♪-♪--♪♪♪♪♪--♪-♪--♪♪♪♪♪--♪-♪--♪-♪-♪……
「ひゅう~♪なんだよ、なんだよ!!やるじゃんネェちゃん!!アンタ、ただの雑魚って訳じゃあねぇみたいだな。……でも、これで終わりじゃねぇぞ。お楽しみはこれからだ。付いて来れるかい、ネェちゃん?」
「(ちょ……また変換?)」
♪-♪-♪-♪--♪♪♪♪♪--♪-♪--♪♪♪♪♪--♪-♪--♪♪♪♪♪--♪-♪--♪-♪-♪……
ヴォーカルのミナさんは、またしても上書きされたリズムに少々動揺してるみたいだけど、今度のリズム変更は早打ち加速かぁ!!
コイツ……ムカツク!!
ならコッチは!!
3フィンガー・ピッキングで、ホランドさんのギターとの超高速ユニゾンを作って、曲調に再度調整を掛けてやる。
付いて来れないのは、ドッチかな!!
これで……YOU死んじゃいなよ!!
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♪-♪-♪-♪--♪♪♪♪♪--♪-♪--♪♪♪♪♪--♪-♪--♪♪♪♪♪--♪-♪--♪-♪-♪……
「眞子……」
「うわっ!!此処でタッグかよ!!コイツはキッチィ~~~な!!けど……楽しいぜネェちゃん。もっとだ。もっと、俺ちゃんに、アンタの尻の穴まで見せてみろよ!!」
♪-♪-♪-♪--♪♪♪♪♪--♪-♪--♪♪♪♪♪--♪-♪--♪♪♪♪♪--♪-♪--♪-♪-♪……
うわ~~~、楽しい、楽しい♪
この人、また懲りずに曲調を変えて来た。
なら……今度は圧倒的な火力で、乱入者さんを打ち砕いてあげるね♪
3対1。
エディさんを、この争いに強引に引っ張り込んで、3人で、このバカチンを撃破してやる!!
今度こそ沈めえぇ!!
此処の支配者は、私だも~~ん♪
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♪-♪-♪-♪--♪♪♪♪♪--♪-♪--♪♪♪♪♪--♪-♪--♪♪♪♪♪--♪-♪--♪-♪-♪……
「ちょっと鞍馬!!……」
「うひゃあ~~~、なんだこれ!!超最高だ!!もっとだ!!もっとくれ姫ちゃん!!プリーズ、プリーズ!!」
♪-♪-♪-♪--♪♪♪♪♪--♪-♪--♪♪♪♪♪--♪-♪--♪♪♪♪♪--♪-♪--♪-♪-♪……
う~~わっ!!
この期に及んで、まだ抵抗してきたよ。
なにコイツ?
超おかしいんだけど……
でも、凄い楽しい♪
だったらもぉ……このまま、みんな壊れちゃえ♪
……あぁでも、この人、考えてみたら凄いね。
これだけフレーズフレーズで曲調を変えても、なに1つ音がズレてないし、意外な程に綺麗な音を出している。
見た目からは想像出来ない様な『超越技巧派』なんだぁ。
それになにより驚いたのは、3人相手にしてキツイ筈なのに、一向に根を上げる様子が無い。
まるで……誰かさんの様だ。
良い根性してるよ。
でも……そうやってる内に曲が終わっちゃった。
(∀`*ゞ)テヘッ♪
……ほんで、この後。
曲の終了と共に、店側のセキュリティーの方達がステージに雪崩れ込み。
闖入者はアッサリ押さえ込まれて、御用と相成った。
バイバイ♪
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
なんか今までにないタイプの【変な人】が出てきましたね。
そして乱入してドラムを叩いたまでは良かったのですが、アッサリ御用と相成ってしまいました(笑)
ダメだこりゃあ。
……っとは言え、彼が変人なのは間違いないにしても、彼のドラムの技量は、かなり高い物。
なのに、このまま何もせずに事務所に連行されてしまって良いものなのでしょうか?
さてさて、そんな感じの中で。
そんな彼に何かを感じて、また懲りずに『眞子爆弾』が炸裂するのか?
それとも眞子は、何もせずに、この闖入者である彼を放置してしまうのか?
それは次回の講釈。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾
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