●前回のおさらい●
自分の事をなんと言われ様と、ある程度は飲み込める眞子だったが。
いつも自分を助け続けてくれた崇秀に対する暴言だけは、絶対になにがあっても許せない。
それ故に……
「……もぉ黙れ」
「えっ?」
「それ以上、口を開かなくて良いから。それ以上、崇秀を貶したら、ただじゃ済まさない。オマエ……私の大切な親友を、これ以上、愚弄するな!!」
「僕は事実を言ったに過ぎない……グパァ!!」
許せない……
いつも、いつも、みんなの為だけに頑張ってる崇秀を、そんな風に言う奴は、相手が誰であろうと、絶対に許せない!!
いい加減にしろ!!
……どうやら、このコイツの言葉が、私の逆鱗に触れ。
怒りの臨界点が越えたのしかして、さっきまでは全く動かなかった体が無理矢理にでも動き始めたらしい。
この体の細胞の1つ1つまでもが、この男の暴言が許せない!!
「黙れって言ったよね」
「僕は……事実を……グファ!!」
「うるさいよ。……仮に、そうだとしても私は、崇秀を信じる!!これは倉津真琴と、向井眞子の総意だ!!それに崇秀が、私の事をそう言う風に見ていたんなら、それはそれで良い!!今まで一杯お世話になったお礼に、この身も心も捧げてやる!!崇秀の好きにさせてあげる!!……だからオマエは、私と崇秀の関係に2度と口を挟むな。良いな?2度とだ」
「……なにが、私と、崇秀の関係ですか。アナタ達2人は、倉津真琴さんと、向井奈緒さんから、自分達の都合だけで全てを奪い去った者同士の歪な関係じゃないですか。綺麗事を吐いて、自分を正当化するのは止して欲しいものですね」
そうかも知れない。
いや、世間から見たら、きっとそうなんだ。
でも……1つだけ間違ってる!!
「あぁそうだよ!!私は、倉津真琴と、奈緒ネェから全てを奪った悪い女だ!!けどねぇ、崇秀の……崇秀に対しての暴言だけは、絶対に、なにがあっても許せない!!アイツは、絶対に、そんな奴じゃない!!」
「ぐはああぁぁあぁ~~~!!」
私が悪人だと罵られるのは良い。
いや寧ろ、どんな呼ばれ方をしようと、私はそれを否定する気はない。
でも崇秀の事を……そこだけは、そんな風に言うのだけは、なにが有っても絶対に許せない!!
「僕に対して、こんな……貴女は、自分が何をやってるのか解ってるのですか!!」
「そうやって、私の心を壊したいなら、煮るなり焼くなり、好きにすれば良い。けどねぇ、その前に、さっきの暴言だけは取り消せ!!」
「暴言?事実だと……ガハァ~~!!」
「……取り消せって言ってるの」
まだ言うか?
オマエは、まだ言うのか?
何故、謝らない?
自分の非を認めろ。
じゃないと殺す……本気で殺す……
「貴女は、なにもわかっていない。仲居間崇秀は、本当に怖い男なんですよ。貴女の考える様な生易しい男ではないんですよ」
「オマエわぁ……まだ言うか!!」
「良いから1つだけ聞きなさい。これを聞いても、仲居間崇秀を信じると言うなら、僕は、もうなにも言わない。それに気に入らないなら、煮るなり焼くなり好きにすれば良い」
「はぁ……はぁ……良いですよ。……言いたい事は、なんなんですか?但し、殺される覚悟を決めて話して下さい」
本当はもぉ、この人の話なんて1言も聞きたくないんだけど。
……でも、心のどこかで、何故か、聞かなきゃいけない様な気がしてならない。
だから私は、怒りを抑え、振り上げた掌を振るうのを辞めた。
「良いですか、向井眞子さん?あの男、仲居間崇秀は、人を滅亡させる危険性を孕んだ男なんですよ。……あの男は『素粒子』を操る事によって、貴女のみならず、世界中の全ての人間を自分の意のままにしようとしているんですよ」
はい?
「なんで、突然『素粒子』なんて話が?……どういう事ですか?」
「良いですか?『素粒子』と言うのは、貴女もご存知の通り、世の中にある全ての物を構成する最小の物質。そこに、ある一定の周波数の音階を加える事で、劇的な変化を促し。人を……いや、世の中にある全ての物を、自分の思い通りにする事が出来る様になる。その研究を、あの男は続けているんですよ」
(´Д`)ハァ…なにを言うかと思えば……
まさか安物の3文SFでも使われない様な話を、平然として来るとは……
あぁ~~あっ、アナタにはガッカリだよ。
「そんなの嘘だ。そんな馬鹿な事を、崇秀がする理由なんて、どこにも無いじゃないですか。それに、なにも証拠が無いんじゃ、話にもならないんですけど」
こんなのは与太話も良い所だ。
そんな事を崇秀がする意味なんて、何所にも無い。
なんの目的があって、それをするのかも解らないのに。
こんな話を信じる馬鹿が、この世の中のどこに居るって言うんだろうね?
頭おかしいんじゃないの?
「なにを言ってるんですか?証拠なら、今までにも沢山あったじゃないですか。貴女は、彼の奏でる演奏の何を聞いていたんですか?彼の演奏は、全て狂気の混じった洗脳。これが何よりの証拠じゃないですか。……貴女は、そんな男を信じられるんですか?」
確かに、この男の言う通り、崇秀の演奏は、どこをとっても常軌を逸した存在。
それ故に普通じゃない事ぐらいは、一回でも彼の演奏を聞いただけで、誰にだって嫌だって言うぐらい解る。
それに付け加えて、まだ誰1人として、崇秀の本気の演奏を聴いたものは、この世にはいない。
……そう言われれば、確かに、証拠に成り得るのかも知れない事実なんだろうけど。
そんなの……
「他の人は知らないけど、私は信じるよ。だって崇秀は、そんな事の為に音楽をしてるんじゃないもん」
「なっ」
「そりゃあアイツはね。色々、私が困る様な悪さもするけど。私の事も含めて、全部、人の為にしか動いてないんだよ。そんな奴が、世界を滅ぼす訳ないじゃない。……アイツは、何所まで行っても、ただの『お人好しの悪戯坊主』だよ」
「なっ……」
「納得出来無い?じゃあ、例えばね。その『素粒子』の問題にしても、結論から言えば、やり方次第では『狂気』から『人の為』に変換をする事も可能なんじゃないの?アイツはね。そう言う事しか考えない奴なんだよ。そんなアイツが世界を滅ぼすなんて、チャンチャラおかしい。お笑い種も良いところだよ」
「では、貴女の体の事は、どう説明するつもりなんです?その事実は、先程も言いましたが、本当に事実なんですよ」
そっか……そこは本当に、本当だったんだ。
アイツ、やってくれちゃったな……もぉバカタレ!!
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
いやはや、ホント仲が良いですね、眞子と崇秀は(笑)
自分の置かれている酷い状態よりも、崇秀に対する罵詈雑言を優先して怒れるなんて、中々出来た物じゃないと思います。
まぁでも、今の所、どれが真実なのかは不明な場面。
現実的に女性化してしまっている眞子の現実がある以上、医者らしき人物の言う事にも一理なくはないですからね。
なので次回は、その辺についての口論を書いていきたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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