●前回のおさらい●
崇秀からバッチリと情報を収集してきた倉津君。
再びヒナちゃんの世界に向かって行くが、得た情報を上手く伝える事が出来るのか?
そんな感じで。
本日4度目となる異世界旅行(?)を慣行して、再びヒナの元に戻って来た俺なんだが。
目を覚まして、突然起き上がったもんだから、目の前のヒナが目を白黒させている。
「まっ、真琴?……ひょっとして、また時間を合わせて戻って来たの?」
「あぁ、どうも、そうみたいだな。但し、時間の経過に関係なく。情報だけはバッチリ仕入れて来たぞ」
「ホント?」
「勿論だ。あぁっと、忘れる前に先に言うわ。球体な球体」
良し!!
兎に角、忘れる前に、時空計算の仕方だけは完全に伝えたぞ!!
これはまさに、これ以上ないぐらいに完璧な所業だと言えよう!!
……ってか。
これで完璧に解ってくれるよな?
解ってくれないなんて無様な事はないよな?
「なっ、なにが?」
あれ?なんだ、この不穏な空気は?
この完璧な説明をもってしても、ヒナの奴は、全く解ってねぇって事なのか?
もしそうだとしたら、あの難解でややこしい数式を憶えるしかねぇって話に成っちまうんだが……
ヤダなぁ。
・・・・・・
いやいや、待て待て待て待て。
そうやって諦めるには、まだ早い筈だ。
もう一回確認してから、今後の事を考えても遅くはない筈だしな。
(↑憶えるのが嫌なので、必死に成ってるだけの俺)
「だから、球体なんだよ球体。これだけ言っても解んねぇのか?」
「いや、あのね、真琴。球体は解ったんだけど。それ以外の主語が抜けてて、なにが言いたいのか、サッパリ解らないんだけど……なんの話をしてるの?」
慌て過ぎたのかして、主語が抜けてたとは……
これはヒナの理解力の問題や、俺の説明以前の問題でしたな。
そりゃあ、どれだけ賢い奴であっても『球体だ球体だ!!』とだけ騒がれても解る訳ねぇわな。
これじゃあ、寧ろ、俺の方がアホだな。
和声クルーグマンと言われた俺も、地に落ちたもんだ。
「あぁ悪ぃ。時空計算の仕方は、球体の大きさを仮定して、主軸を合わせろだそうだ。これだけ言えば、アイツは解るって言ってたぞ」
「そっ、そうなんだ。でも、それは、前から予想は付いてたから、今更なんだよねぇ。因みに、その式って、どうなってるの?」
式……なぁ。
式ねぇ……
タラタラタラタラ……(; ゚Д゚)汗
うぅ~~~んとねぇ。
それに関しましては、俺にも色々と複雑な事情がありましてな……
「えぇ~~~っとなぁ。いや、なんつぅか。式の方は憶え切れなかった」
「はぁ……頭っ悪いなぁ、もぉ」
俺の頭は、決して悪くありませ~~~ん!!
寧ろ、あんな小難しい数式をスラスラ憶えられるオマエ等の頭が、常軌を逸して、どうかしてるだけですぅ~~~~!!
普通の人間は、あんなもの、見ただけでは憶えられる訳ありませ~~~ん!!
まったくもぉ。
ナンデモカンデモ自分等基準で、物事を語るんじゃありませんよ!!
……って、子供みたいな事を言ってても、しょうがないんで。
此処は一発、憶えられなかった事を誤魔化す為の打開策おば発動させてみるかの。
そういうのだけは、ちゃんと用意してあるからな。
(↑既に、言い訳臭い事だけは考えてた俺)
「……なんだけどもだ」
「なに?その言い方って、まだなんか続きでもあるの?」
「あぁ勿論だ」
「じゃあ、それって、なによ?」
「知りたいなら、取り敢えずは、四の五の聞く前に、オマエが知ってる、座標を求める数式ってのを書いてみろよ」
「それってY軸の話?」
「そぉそぉ。それを見れば、俺もなにか思い出すかも知れんからな」
……っと言う風な言い訳を考えて置いたんだが、どないだ?
これだったら、如何にもっぽく聞こえね?
「あぁ、なるほどね。そういう理屈ね」
「そそ。どこか類似点みたいなものがあったら、思い出すかもしんねぇだろ」
「まぁねぇ。けど、ご所望とあれば、幾らでも数式ぐらいなら書くけど。結構、難しい感じなんだけど。……真琴、その辺は大丈夫?」
いや、心配しなくても、全然大丈夫じゃありませんが。
寧ろ、憶えられなかった事を誤魔化す為だけに喋っとるだけなので、まさに無駄骨でございます。
大体にして、あの数式自体を、殆ど憶えてないからな。
だから見ても無駄なのは、十分に自分でも解ってるんだけどな。
けど、これぞ、男の見栄(?)って奴ですかね。
「それは解らん。見てみないと解らん。序に言えば、見ても、思い出すかすらも解らん」
「自慢げに言い切ったよ」
「俺なんぞ、所詮そんなもんだ。期待する方が間違ってるってもんだ」
「あぁ、なんか納得」
「すな!!」
失礼なやっちゃな。
そこはせめて、アッサリと納得せずに、少しは期待ってもんもしとけよな。
それじゃあ、あまりにも俺の立つ瀬ってもんがねぇじゃねぇかよ。
まったくもぉ。
……っで、まぁ、そんな悪辣な事を言い放ったヒナの奴が。
俺の要望通り、近くにあったメモ用紙に、サラサラと数式を書いて行くのは良いんだがな。
オイオイオイオイ、ちょっと待て、ちょっと待て!!
それはあまりにもおかしいだろ!!
なんでY軸の計算式を書いてるだけなのに、コッチの方が長くなるんだよ!!
今見てるだけでも、30行以上の訳の解らん文字を含んだ数式が書きだされてる上に、まだ、それでも尚、ヒナは数式を書き続け様としてる感じなんだよなぁ。
そんなの、物理的に考えても、明らかにおかしいだろうに!!
一体、どうなってんだ、これ?
いや、あの、それとあれなんだがな。
こんな30行もの数式をサラサラ書ける様な奴の頭を基準にして、俺の事を『頭悪い』とか言うのって、何気に酷くね?
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
一応、崇秀から得た情報の伝達には成功したみたいですが。
流石に『球体』っと言うヒントだけでは、ヒナちゃんは理解しきれなかったみたいですね。
これは所謂『崇秀も自分基準で物を考え過ぎてる証拠』なのかもしれません(笑)
ただまぁ、今回の場合。
崇秀は、まず自分とヒナちゃんのスペックが同じものだと考えた上で。
ヒナちゃんの方が勉強に割いてる時間が、自分より長いと踏んでの行為だったので。
此処は『ヒナちゃんの成長度合いを見誤った』と言う方が正確なのかもしれませんがね。
さてさて、そんな中。
Y軸だけの計算式の筈なのに、何故か、崇秀の示した数式よりも長くなるという現象が起こっているみたいなのですが。
これは、一体、どう言う事なのでしょうか?
次回は、その辺と、その打開策についてを書いていこうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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