●前回のおさらい●
今日一日、ズッと、なんのムラも無く自分を眞子として扱ってくれている崇秀。
そんな崇秀を見続けて来て、倉津君は、ある決断を下す。
『本気で眞子として崇秀に接して、そんな自分でも受け入れて貰えるか?』を……
……はぁ~~~、情けないなぁ。
口では崇秀の事を『心配』してるみたいな事を言ってた割りに、一旦、崇秀と遊び出したら最後。
そこからは全くと言って良い程抑制が効かず、もぉなにもかもが楽しくてしょうがない状態に成って、ワクワクが止まらなくなってしまった。
ヤッパ!!なんだかんだ言ってても、崇秀と遊ぶのは最高に楽しい!!
何故なら、崇秀とは、小学校1年の頃から中学1年までの間。
ほぼ毎日と言って良い程、顔を突き合わせて一緒に遊び廻ってたから、お互い、なにが相手のツボなのかも良く解ってるし、おかしな干渉もしない。
その上、崇秀は、普段は、なにをするのにも妥協が無く、全てを真剣に取り組むくせに。
事……遊びに関してだけは、滅茶苦茶はしゃいじゃって、まるで普通の子供みたいに、目一杯、無邪気に遊ぶんだよね。
だから、さっき行ったボーリング場でも……
『ストライク』を出せば、滅茶苦茶テンションが上がってるし。
『ガーター』が出た日には『なんだよ、このレーン歪んでんじゃねぇの?』とか言い出すぐらい、ムキになって無邪気に装う。
それにボーリングの後、その足で、近くのバスケのコートに行ったんだけど……
崇秀って、直ぐにでも、誰とでも仲良くなるから。
アッと言う間に、試合をやってくれそうな仲間を見つけてチーム(私を含む)を作り。
速攻で、他のチームと対戦を決めてくれたのよ。
けど、試合が始ったら……急に真剣な表情になっちゃってさ。
生き生きと、凄い良いプレイを連発で見せ付けてくるんだよね。
ほんで『ゴールが決まったら』仲間同士でハイタッチの嵐。
それでチームが勝とうもんなら……知り合ったばかりの仲間と、みんなで抱き合って感動を分かち合ってた。
ヤッパ、こう言うのって、超楽しいよね♪
そんでそんで、この後。
知り合ったばかりのバスケ仲間とは、そこでお別れして、再び、崇秀と繁華街に戻り。
喫茶店で、お茶しながら話したり。
ちょっと高めの洋食屋で、昼食を摂ったり。
お互いの趣味である『楽器屋巡り』を数件廻ったり。
ウィンドウショッピングをしてたら、突然、服を買ってくれたりして、ちゃんと『私への女子扱い』も忘れてない。
幼馴染の私から見ても、ホント、この男だけは、男として完璧だよ♪
こう言っちゃなんですけど……こんな扱いされたら、どんな女の子でも惚れるわ(笑)
……そして、今現在、正確な時刻はPM14:36。
30分程前に入った『カラオケ屋』で歌を唄ったり、はしゃいだりして遊んでる感じ。
そんな折、突然、崇秀が……
「ふ~~~ん。眞子ってさぁ。結構、歌上手いんだな」
……っと、突然、なにを思ったのか。
歌を唄い終え、マイクを持ったままの私に、崇秀が、急に歌の上手さを褒めてきた。
なになに?
「そっ、そぉかなぁ?この間、奈緒さんと千尋さんにも同じ様な事を言われたんだけど……そんなに上手い?」
「まぁ、上手いな。つぅか、そう聞こえるのは、眞子の声と、選曲が良いからなのかもな」
「そぉ?まぁ、そうは言っても『女の人の曲』って、あんまり知らないから、知ってる曲を唄ってるだけなんだけどね」
「ふ~~~ん。じゃあ、結構、なんでも唄える万能系の声なのかもな」
「えっ?それって、奈緒さんみたいだって事?」
「いや、そうじゃねぇ。向井さん程の技量はねぇが、そこそこには上手いって言ってるだけの話だ」
そりゃあ、そうだよね。
奈緒さん程の本格的な実力派シンガーと比べたって、自分が惨めな結果に終わるだけだよね。
でもぉ、奈緒さんも、崇秀も、千尋さんも、最低限度ではあるけど褒めてはくれてるんだから『下手ではない』って認識で良いのかな?
眞子は、崇秀から聞いても音痴ではないですかね?
「からかってるの?……それとも、本気で言ってるの?」
「あぁ、俺は世辞は言わねぇ」
「そっ、そうなんだ」
「……大体して、考えてもみろよ、眞子」
「なにを?」
「下手に世辞なんか言ったら、勘違いして、空気も読まずに唄い捲くる奴が、世の中には居るからな。だから、そう言うのって、あんま言わない方が身の為じゃね?」
「あぁ、まぁ確かに。……あぁ、でもさぁ、その『空気を読まずに歌い捲くるって人』って、真琴ちゃんからよく聞いてる、噂の『山中君』とか?」
「おっ、なんだよ?山中の音痴は、秋田まで知れ渡ってるんだな」
「あぁ……ちょっと、今のは失礼な発言だったかな?」
「いいや。アイツは『リアル・ジャイアン』だから、遠慮はイラネェ。そんな気遣いをする必要性すらねぇわ」
「そうなんだ。……それにしても『リアル・ジャイアン』か……ぷぷっ」
ヤッパリ崇秀は、私を完全に受け入れてる。
勿論、最初から疑う余地なんてなかったんだけど。
この話1つにしても、私の出身地である秋田の話まで織り交ぜてくれるなんて……どこまでも優しい気遣いだと思う。
……けど、あれだね。
そんな部分とは別に、なんか幼馴染である崇秀に褒められるのって変な気分。
ははっ……正直照れちゃうよね。
・・・・・・
あっ……そう言えば、褒められてる序で思い出したんだけど。
崇秀が、病院で、なんか気に成る様な事を言ってたなぁ……
あれの意味って、一体、なんだったんだろう?
わかんないから聞いてみよっかな。
本人も『憶えてたら教えてやる』って言ってたしね。
「……ねぇ、あのさぁ、崇秀」
「んあ?」
「突然で悪いんだけど、崇秀が病院で言ってた『世界で一番良い女に成れる』って、あれ、どういう意味なの?」
これって、本当に、どう言う意味なんだろうね?
眞子としては、女の子だから凄く気になっちゃう。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
倉津君の懸念は、矢張り、問題なかったようですね。
っと言いますか。
元々問題視する事も無い位、崇秀には眞子として認識して貰えてる様です(笑)
その証拠として、気付けば倉津君自身『眞子を演じるのではなく』『素の眞子』で現状を楽しめてる訳ですからね。
まぁ、この2人の関係には、男女の性別なんて物は関係なかったようです(笑)
さてさて、そんなほのぼのとした中。
眞子として気に成っていた『世界一良い女に成れる可能性』について、次回はお話していこうと思いますので。
良かったら、それがどう言う理屈か確かめに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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