●前回のおさらい●
何を言っても、眞子の賢さを認めない奈緒さん。
その上『お馬鹿な眞子が良い』などとまで言い出す始末。
なのでこのままでは、パイナップルな髪型を治して貰うえそうにないのだが……
「あぁ、でもさぁ。もし、眞子が勉強出来るって話が本当だとしてもだよ。なんで、そんなに急に賢くなるのよ?ちょっと期間が短過ぎるんじゃない?」
おっ……
私との会話の中で、何か興味を引いてくれたのか?
奈緒ネェが、今までとは違う雰囲気を醸し出してきましたね。
これは、チャンスかも!!
「あぁ、それについては、ちゃんと説明が付きますよ」
「なに?どういう事よ?」
「あぁ、いや、実を言いますとですね。短期間で勉強が出来る様になった理由はですね。私の勉強のベースになってる奈緒ネェの勉強方法に、崇秀のやり方を加えて、お2人のやり方を融合したからなんですよ。……やり方さえ解ってしまえば。勉強なんて、そんなに難しいものじゃないですからね」
だから実際はですね。
私が勉強が出来る様になった理由は、一番最初に勉強を教えてくれた奈緒ネェのお陰なんですよ。
崇秀の勉強方法は、確かに的確なんですけど。
基本が出来てないと、サッパリ何を教えられてるのかすら解らなかったと思います。
だから、此処は間違いなく奈緒ネェのお陰なんですよ。
「なるほどねぇ。眞子が勉強が出来る様に成った裏には、また、あの人が暗躍してたんだ」
「『暗躍』って……あの、今回限っては、別に、なにも悪い事してないと思うんですけど。勉強する事は良い事だと思いますよ」
「まぁ、そうなんだけどさぁ。今の話で、今まであった眞子の可愛げが無くなって、ただの嫌な女に成り下がっちゃったよ。……なぁ~~~んか損した気分」
そんな事を言わなくても……
それにしてもさぁ。
勉強をして怒られてる人、初めて見ましたよ。
しかも、それが自分って……
「うぅ~~~」
「でもまぁ、その分、クラの勉強を見て貰うのには悪くないかもね。クラの1年分の勉強を取り返せる自信はある?」
ははっ……やったぁ!!
やっと納得してくれたのかして、奈緒ネェが折れてくれた。
「あぁ、はいはい♪勿論、出来ます出来ます。きっと真琴ちゃんも、ヤル気さえあったら出来る子だと思うんで、多分、余裕です♪その代わり、バシバシしごいちゃいますから覚悟はして貰いますけどね。……ですので、あの~~~」
「そっか。ナンダカンダ嫌な女になっても、眞子は優しいね」
「そんなそんな。真琴ちゃんは、奈緒ネェの彼氏だし、私の親戚ですからね。ちゃんと勉強は見させて貰いますよ。……だから、あの~~~」
「じゃあ、お願いするね、眞子先生。本当は、私が見てあげれば一番良いんだけど、日本に居ないからねぇ。迷惑掛けるわね」
「あぁ、はい、全然OKです。だから、あの……」
「よ~~しよし。これで不安材料は無くなった事だし。明日から、バシバシ働くぞぉ」
「そうですね。頑張って下さい。あの、だから、奈緒ネェ……」
私の話も聞きなさいっての!!
髪型!!髪型!!
これをして貰えないんじゃあ、等価交換の約束が守られてないじゃないですか!!
こんなオデコ丸出しのパイナップル頭、人に見られるのなんて、お断りの極みですよ!!
「さて、じゃあ、眞子の担当の先生に挨拶して帰ろっと……」
「待てぇ~~~い!!奈緒ネェ髪型!!髪型!!」
「うん?私の髪型、なんか変?」
「違うっての!!私の髪型!!このパイナップルみたいな髪型、なんとかして下さいよぉ」
「なんで?可愛いじゃない。問題なし」
「ヤダぁ~~~!!ヤダぁ~~~~!!いつもの髪型にして下さいよぉ!!こんな髪型ヤダぁ~~~!!」
このお姉さん……一体、なんの話を聞いてたんだろ?
この髪形が嫌だから、真琴ちゃんの勉強を見るって交渉をしてたのに……これじゃあ、なんの等価交換にもなってないじゃないですか!!
シッカリして下さいよ!!
「なにが嫌なのよ?眞子は、どんな髪形しても似合うじゃない。別に変じゃないんだけどなぁ」
「どこがですか!!さっきまで、散々私の事をパイナップル、パイナップルって、からかってたじゃないですか」
「違う違う。そうじゃないのよ。……正直言うとね。余りにも似合うから、からかっただけ。だからそれって、眞子の新しい魅力だと思うよ」
「また、そんな適当な事を言って誤魔化す。こんなの可愛い訳ないじゃないですか」
「じゃあさぁ。今日1日だけ、その髪型で居て。誰かに笑われたら、何時だろうと、いつもの髪型にしに来てあげる。だから、お試しって事で」
「……本当ですかぁ?絶対ですよぉ」
「大丈夫だって。約束約束♪いつでも来てあげるからさ」
「あぁ……じゃあ、わかりました。その代わり、笑われたら、絶対に直ぐ直しに来て下さいよ」
「OKOK……じゃあ、帰るね。今日は、色々疲れたからね」
あぁ……そうかぁ。
崇秀の話以前の問題として、奈緒ネェも、私をズッと看病してくれてたんだよね。
その上、今日は、崇秀の衝撃的なカミングアウトがあったし、真琴ちゃんの件も然りだもんね。
……疲れてるのに、付き合って貰って悪い事しちゃったなぁ。
「あぁ、奈緒ネェ、ごめんね。奈緒ネェも色々有ったのに、気を遣って貰っちゃって。あぁ、でも、此処は『ごめんなさい』じゃなくて『ありがとうございます』って言い直しますね。ソッチの方が良いし」
「そぉそぉ、私達は姉妹なんだから、遠慮なんかしない遠慮なんかしない。……それに眞子が一緒じゃなかったら、多分、気分が落ち込んだままで、明日以降も、この気持ちを引きづってたと思うしね。だから私の方こそ、ありがとうね、眞子」
「じゃあ、お互い様って事で良いですかね?」
「そう言う事。……じゃあ、本当に帰るね。また明日来るから、今日は早く寝て、大人しくしてるんだよ。良いね?思い付いたからって、ロクデモナイ事しないんだよ」
「あぁ、はい。大人しくしてます」
「じゃあ、また明日ね」
「あぁ、はい、また明日」
そう言って奈緒ネェは、病室を後にした。
私は、体がまだロクに動かないので。
ベットの上で、扉が閉まるまで、笑顔で奈緒ネェの姿を追っていた。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
眞子……何の為に、奈緒さんと交渉をしてたんでしょうね?
これじゃあ、なんの意味もない筈なのに、結局は奈緒さんに言いくるめられてましたしね。
まぁまぁ、こう言うお間抜けな部分があるのが眞子なので、これはこれで良いのかもしれませんが(笑)
さてさて、そんな中。
奈緒さんが病室を去り、1人に成った眞子なのですが。
果たして、奈緒さんの言いつけを守り、余計な事をせずに大人しく寝るのか?
そして孤独に苛まれる事はないのか?
次回は、その辺を書いて行きたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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