●前回のおさらい●
もっとも重要な事(ライブへの誘い)が出来ていないまま、モスバーガーで食事をし。
奈緒さんに見惚れ続ける、お間抜けな不良さん。
そこで話をしている内に、とうとう、その約束を取り付けるチャンスが巡って来たのだが。
何故か、そこで、どこぞの不良が絡んできて話が出来なくなる。
ちょっと機嫌が悪くなるが、毎度の事だと諦めながらも不良さんのとった行動は……
馬鹿な俺は『ライブに誘う』っと言う、当初に彼女と会う理由すら忘れてしまっていた。
しかも、それを思い出した後も、彼女の可愛さに魅了され続けられ、結局は、未だに、何も言えていない始末。
そんな折、会話の切れ間で『奈緒さんをライブに誘うチャンスが来た!!』と思ったのも束の間。
何故か、モスバーガーで不良に絡まれてしまった。
コイツ等……人数が居やがるが、マジで死刑確定な!!
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「あぁ、こりゃあまた、うざいでちゅ~ねぇ……僕は、君達の言う美人のオネェたまとラブコメ中なんでちゅよぉ。邪魔しないで欲しいでちゅ~。だから、おにぃちゃん達、お帰りはアチラでちゅよぉ~。う・せ・ろ」
俺は、不意に立ち上がり。
声を掛けてきた男の左肩に圧し掛かり。
右腕で相手の肩を抱き、更に右腕をクビに伸ばす。
そこから、キュッっと首を絞める。
多分、これでコイツは息なんざ出来ねぇ筈。
「グポッ……クッカッ……ガッ……」
「皆さん。解ったら、お帰りはアチラでちゅよぉ~。僕が親切にも送ってあげまちゅねぇ~」
「グゥガガガ……グッ……ガッ」
「ちょ!!テッ、テメェ、イキナリなにしてやがんだ!!放してやれ!!死んじまうだろがぁ」
「嫌でちゅ~。おにぃちゃん達、僕、お外で遊んで欲しいでちゅ~」
「ガァアァ……カハッ……ウッガッ……」
「「テメェ!!」」
「五月蝿いでちゅねぇ~。あんまりウルサイと、お店にご迷惑が掛かるでちゅよぉ~。もし、そんな事になったら、僕、このおにぃちゃんを、軽く殺しちゃうでちゅよぉ。だから早く、お外に出て遊びたいって、言ってるでちゅ~」
「だったら、おっ、表でろ!!」
「わ~い。嬉ちぃでちゅ~……オラ、さっさと、先行けやでちゅ~」
「がっ!!…………」
「わっ!!おにぃちゃん、大丈夫でちゅか?急に眠っちゃったでちゅかぁ?」
ハイ、此処で早くも1人脱落。
まぁそれにしても、この会話中、気を失わずに良くもったもんだな。
大したもんだよ、アンタ。
相手が悪いけどな。
「クラ……」
「あぁ、大丈夫ッス。此処だと迷惑掛かりますしね」
「あっ、あの、違うの……ぷっ、赤ちゃん言葉可愛かったよ。……またやってね。クスクス」
あっ、そこなんッスね。
けど、なんか違いません?
「取り敢えずだけど、気をつけてね……ぷっ」
あの奈緒さん……真顔でいるか、笑うかの、どっちかにしてくれません?
それ、全然心配してる様には見えないッスよ(笑)
まぁそこがまた……って、これはもぅやめとこ。
「んじゃま、ちょっくら行って来ます」
「うん」
さてと、んじゃま、行きますかね。
……ベタな展開に向かってLet`s-go。
***
店に迷惑が掛かってはいけないと思い。
表まで不良1を、そのままの体勢で引き摺って連れて出して来た。
そんで外に出た後は、相手方ご指定の路地裏に付いた瞬間、ソイツを投げ捨てた。
「テッ、テメェ、仲間をやりやがって、ただじゃおかねぇかんな!!」
「じゃあ、なんかくれんのか?親切だなオマエ。良かったら身包み置いて、どっかに行ってくれや」
「ふざけんなぁ」
「ふ・ざ・け・て・ね・ぇ・よ」
「チッ!!オイ、誰だよ。こんな所に、ゴミを捨ててやがる馬鹿は?不法投棄は犯罪なんだぞ」
「んだ?先客かよ」
「なんだオマエ等?つぅか、邪魔なんだよ、此処から失せろよ」
「あぁ?んだとコラ」
なんだかな。
どこぞのアホが路地に集結ってか。
まぁその中に、崇秀のドアホが混じってるのが、一番笑えるな。
「まぁまぁ、良いじゃないの。そんな無駄に喧嘩しなくてもよぉ。そんな事しなくても、み~んな仲良く、俺がブッ殺してやっからよぉ……俺以外と、喧嘩すんなな」
「おい、そこのボケ秀。オマエはハマまで来て、わざわざ喧嘩か?底無しの馬鹿じゃねぇの?」
「んあ?」
あぁボケてるな。
頭が救えないぐらいボケてる。
「おぉ、なんだ、倉津じゃねぇか。……オマエこそ、こんな所で何やってんだ?」
「なんて事はねぇよ。モスで、この馬鹿共に絡まれたんだよ」
「ほぉ、そりゃあまた、ご愁傷様なこって」
「んで……オマエの方は?」
「わかんねぇ。まったく身に覚えがねぇんだが、なんか絡まれちまったな」
「はぁ……だろうな。オマエのこったから、どうせそんなこったろうと思ったよ」
「「テメェ等、なに2人で勝手に盛り上がってんだよ。あんまなめてんじゃねぇぞ」」
「「るっせぇ」」
俺と、馬鹿は、2人の襲ってくる怖い怖い不良に、軽く頭突きをした。
そして『ゴンッ』っと言う音と共に、何故か2人の不良が倒れた。
なんだコイツ等?
虚弱?
オイオイ、どんだけ貧弱なんだよ、コイツ等?
これぐらいの衝撃で、イキナリ、白目剥いてんじゃねぇよ。
まっ、合計6人居た不良が、これで残り3人になったんだから良いか。
「まぁ、この調子じゃあ、話は後だな……軽く、横浜駅近辺の掃除でもすっか崇秀よぉ」
「もとより」
漫画みたいなセリフを吐いた崇秀が向かったのは不良5。
対して、不良2を残したい俺は、不良3を狙う。
良し!!
じゃあ、お互い対象の相手が決まった事だし、どっちが早く倒すか勝負な!!
「おりゃあぁぁぁ」
崇秀の馬鹿は何を考えてるのか、イキナリ不良5に向かって、真空飛び膝蹴り。
まぁ普通はな。
そんな大技が、体力満タンの奴相手、そうそうそう簡単に当たるもんでもないんだが……何故か、アイツの真空飛び膝蹴りは、必ずと言っていい程当たる。
そして、その電光石火の飛び膝蹴りを、相手の顔面に直撃させて、そのまま壁に激突させる。
当然、不良5はゴキッと良い音を鳴らして、白目に泡を吹いて倒れる。
早ッ!!この野郎、マジで瞬殺しやがった!!
……っと言う事で。
俺も遅れを取る訳には行かないので……
「三沢の……エルボ・エルボ・エルボってか」
一気にエルボで、相手の頭を数回叩き意識を刈り取る。
でも、スピード勝負なので俺の負け。
しかも俺、スゲェ地味じゃね?
「なっ……なんなんだ、オマエ等?」
「見たかよ?意識を刈り取る完璧なエルボ」
「はぁ?全然違うだろ……なぁ、オイ、にぃちゃんよぉ。にぃちゃんも、そう思うだろ?」
そう言って崇秀は不敵な笑みを浮かべながら、不良2をガッチリと捕まえる。
「ちょ、ちょっと待て!!なっ、なんの話をしてるんだ?つっ、つぅか、はっ、離せ」
「いや、エルボ講座の話をしてるんじゃんかよ。まぁ、良く解ってねぇんなら、実体験してみ」
「へっ?」
「なぁ、良いかい、にぃちゃん?エルボってのは、こうやんだよ……なっと」
「ゲフッ」
「じゃね?エルボって、こんな感じじゃね?」
崇秀のアホンダラァ、なにを仕出すかと思ったら……そう言う遊びな。
しかしまぁ、よくもそんなヒデェ遊びを即座に思い付いたもんだな。
エルボ講座と言う名目にかこ付くて、相手をエルボでボコボコにする算段な訳な。
マジで酷い事を考えるなオマエは。
じゃあ次、俺な。
「なに言ってやがる。そうじゃねぇよ。エルボってのは、こうだろが……よっと」
「ガハッ」
「なんだ、なんだ、その屁っ放り腰はよぉ……エルボって言うのは、こう言うのを言うんだろ……つぅ~の」
「ドフッ」
「違う、違う、こうだよ……っと」
「ブヘッ」
「いや、こうだな……」
「がっ」
「こうか……」
「げっ」
……
……1人を的にした、壮絶なエルボ合戦。
見る見る男の顔は、青タンだらけに腫れ上がっていく。
しかも、左右からエルボが来るから逃げ様にも逃げられない来たもんだ。
「もぉ……ひゃめて」
「オイオイ、にぃちゃん、どうしたんだ?大丈夫か?エルボのやり方を教えてやってたら、いつの間にか、ヒデェ怪我してるじゃねぇかよ」
「オイオイ、そんな事をしちゃダメだろ、オマエは。こんな所でエルボ講座なんかしたらよぉ」
「あぁ悪い。なんか知らない内に熱くなっちまってた」
「気をつけろよ。どこに怖い人が居るか、わからねぇんだからよぉ」
「面目ない。……そう言やぁ、にぃちゃんも気を付けた方が良いぞ。どこの路地裏でエルボ講座やってるか、わからねぇって噂だからな。これ、今、渋谷で大流行してるらしいし」
大流行してねぇし。
あっ……つぅか、相手が気絶した。
「まっ、そういうこって、掃除完了」
「さて、じゃあ行きますか、助さんや」
「そうだな。格さん」
まぁなんにしても、あれだぁな。
ややこしい事が早急に終わって良かった。
これで漸く、愛しの奈緒さんの所に戻れる。
……っと思っていたらだ。
また、この路地に新たな来客が訪れる。
っとは言え、今度ばかりは知り合いでも有るまいし、此処は1つソイツ等を避けて通れば良いか。
「アホぬかせ!!オドレ等が、先に因縁フッ掛けて来たんやろうがぁ」
「んだとぉ。テメェ、死にてぇのか」
「「・・・・・・」」
ダメだ。
知り合いじゃないと高を括っていたのに、此処で、まさかの『うっかりハチベエ(山中)』の登場。
ドイツもコイツも、横浜まで来て、ワザワザ喧嘩してるんじゃねぇつぅ~の。
こりゃあ、奈緒さんの元に戻るまで、もぅ少し戻るのに時間が掛かりそうだな。
ハチベエ1人を、此処に放って置く訳にもいかねぇしな。
もぉ最悪だな。
最後までお付き合いありがとうございました<(_ _)>
不良の撃退法として『渋谷で流行してるらしい【エルボー講座】』は如何な物でしょうか?
ダメですね。
はい、すみません( ;∀;)
そんな訳で次回。
ウッカリ八兵衛こと山中君の手伝いをしますが、どうなる事やら(笑)
それはまた次回の講釈と言う事で。
また遊びに来てねぇ(*'ω'*)ノ
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