●前回のおさらい●
運命ちゃんの勧誘をどうやったら成功するか考える3B-GUILDの面々。
その間、眞子は、黙々と運命ちゃんとのダンスの猛特訓をしていたのだが……
……ってな訳で、あれから、更に30分程経過。
私と、運命は、只管練習を続ける中、3B-GUILDの話し合いも、また同じ様に続いてる様子。
でも、時刻が、早くも16時になってしまい。
ライブの開演までの時間が、もぉ2時間しかなくなっていた。
要約して言えば、本格的な最終準備である『ダンス及び歌唱のチェック』をするのには、もぉ時間が、あまり残っていないと言う事態に陥ってるっと言う事だ。
なんと言っても、この最終チェック以外にも女子アイドルは、男子アイドルよりも身嗜みに細心の注意を払わなきゃいけないからね。
それ故に、此処は男性よりも女性の方が時間がかかるし、絶対に怠る訳にはいかない部分でもある訳ですよ。
故に、この後も、この切迫した時間の中。
『シャワーで汗を流したり』『ステージ衣装に着替えたり』『メイクアップを施さなきゃ成らない』っと言う、女性ならではの宿命を背負ってる訳ですからね。
……さて、これ程までに、時間が切羽詰まった状態になった以上。
運命の件を『保留』にするか?『打開策』を打ち出してくるか?
今この時点で、3B-GUILDのみんなは、どちらを選択してくるんだろうね?
そう思いながらも、相手方が話を持って行き易くする為に、続けていたダンスの練習を一旦中断して、運命と、その場に座り込む。
呼吸のタイミングも、大凡、解ったからね。
「うわ~~~っ、こりゃあ、楽に死ねるね。流石に、もぉ限界だよ」
「クスッ……眞子ダメ。眞子は、これからが本番」
「ふふっ……だよね」
まだまだ大きな余裕がある訳じゃないけど。
こんな風に呼吸が楽になっただけでも、自分也にダンスのペースが作れ始めてる。
今の私には、これは大きい。
「それにしても、眞子は凄い。短時間で、此処まで出来る人は少ない」
「そぉ?……まぁ、頑張りましたからね」
「そぉ。眞子頑張った。今日、誰よりも頑張った。偉い」
「……っと言っても。まだ、これからが本番なんだけどね」
「そぉ……だね」
おぉ……
まさか日本語が得意じゃない運命が『逆転系の天丼ネタ』を繰り出して来るとは……やりますね。
まぁそんな他愛もないやり取りをしながら、休憩していると。
次期リーダーの由佳ちゃん、時期サブ・リーダーの伊藤さん&琴ミンが、コチラにやって来た。
……どうやら、この様子からして、なにか決まったみたいだね。
でも、そんな中にあっても、ヤッパリ、素直ちゃんはコチラには来ないんだね。
それで良いのかなぁ?
「あぁっと、お取り込み中の処、悪いんだけど。ちょっと良いかなぁ?」
「うん。勿論良いよ。なにか決まったの?」
そんな素直ちゃんに対する不安はあるけど、今は時間がないだけに、由佳ちゃん達の話を優先。
素直ちゃんの件については、後でジックリと彼女から聞けなくもないからね。
なのでまず、此処は割り切ろう。
「うん」
「そうなんだ。じゃあ、まずは、そのみんなで決めた意見を、運命に率直な意見として言ってみたら」
「うん」
そっか、そっか。
そこまで由佳ちゃんがハッキリと返事をするって事は、ある程度の要求が決まった上で、相当、気合も入ってるって事だよね。
だったら、次期リーダー。
その気持ちが全部綺麗に伝わる様に、気合入れて頑張って下さいな。
口は挟まなくても、フォローはしますんで。
「あの、仁科さん!!」
「えっ?えっ?……なっ、なにか?」
「あっ、あの、あのね!!」
「あっ……あぁ……」
……あのさぁ由佳ちゃん。
気合を入れろって言った私が言うのもなんなんだけどさぁ。
その気合を入れすぎて、説得しようとしてる筈の運命をビビらせて、どうするのよ?
そんな大きな声を出すから、運命が、また私の後ろに隠れちゃったじゃない。
気合が入ってるのは見てても解るけど、幾らなんでもそれは気合の入れ過ぎですよ。
それじゃあ、なにかを思い立った時の真琴ちゃんだよ。
「あの、由佳ちゃん……完全に運命が脅えちゃってますけど」
「えっ?脅え……違ッ!!違う違う!!因縁付ける気とかじゃないから!!」
因縁……って。
ひょっとして由佳さんは、何所の地方の不良ですか?
それとも、地方のヤーさんですか?
「そうなんだ。一瞬、喧嘩を売りにきたのかと思ったよ」
「そんな訳。勧誘したいのに、喧嘩を売って、どうするのよ」
「だね。でもさぁ、それじゃあ気合が入りすぎだよ。誰でも身構えるって」
「あぅ」
「あぁでも、逆に言えば。それぐらい運命の事を考えてくれてたんだね」
「うっ、うん。そこは出来る限りの事は考えてみたよ」
「そっか、そっか。じゃあ、運命も隠れてないで、由佳ちゃんの話を聞いてあげないとダメだよ」
「……そぉ」
私の後ろから、チョコっと顔を出して、出て来た。
でも、まだ脅えてるね。
なにかに集中して無いと、相当、気が小さいんだね。
「それにしても仁科さん……豪く眞子ちゃんに懐いてるね」
「懐くって……運命は犬猫じゃないっての」
「そうだけどさぁ。今の仁科さんを見てると、眞子ちゃんの言う事なら、なんでも聞きそうな雰囲気だよ」
「あのねぇ。……って言うか。私の話は良いから、自分達の話を進めた方が良いんじゃないの?時間、もぉ、あまり無いよ」
「あぁ、そうだね」
お喋りなのは、なにも素直ちゃんや、私だけじゃないみたいだね。
女の子は、みんな、お喋りが大好きな生き物らしいですね。
気に成った事を聞かなきゃ気が済まない習性。
「じゃあ、気を取り直して、再度行ってみましょう。但し、気合を入れ過ぎない様にね」
「うっ、うん。じゃあ、早速だけど。……仁科さん」
「そっ、そぉ?」
「センターに立って」
ブッ!!なにを言い出すかと思えば、突然、そんな無茶苦茶な要求が有りますか。
本人が表舞台に立たないって言ってるのに、それを無視して、グループの中心に立って一番目立てって言うの?
その発想は、あまりにもブッ飛びすぎだよ!!
「えっ?むっ、無理」
まぁ、そりゃあそうだ。
そんな無茶な要求を受け入れられる筈が無いからね。
「なんで?みんなで必至に考えた上での結果なのに……」
「あの……由佳チン。それって、言葉が抜けすぎてて『ライブで真ん中に立て』って言ってるのと同じだよ」
「えっ?」
「そんな無茶な真似。全身肝で出来てる眞子ちゃんぐらいしか出来無いって」
なんかドサクサに紛れて、伊藤さんに物凄く失礼な事を言われてるなぁ。
それに『全身肝』って、なに?
私は、三国志の後期に出て来た『姜維・伯約』じゃないつぅの!!
本当に失礼だなぁ!!
「そっ、そうだね。そんな真似出来るのは眞子ちゃんぐらいのもんだよね」
そこで由佳ちゃんも認めるなあぁ~~~!!
「そうでありんすよ。眞子様は、趙雲様の様な方でありんすからね」
あぁ……ソッチかぁ。
趙雲ね趙雲。
だったら、姜維じゃないから、別に良いかぁ。
……訳ないでしょ!!
ドッチも、丁重にお断りだよ!!
せめて女の子なんだから、孫権の妹の『弓腰姫』とかって言ってよ!!
もぉ……どうでも良いや。
時間ないし。
「眞子、趙雲子龍なの?」
だ~か~ら~、時間が無いって言ってるのに。
なんで運命も、そう言う所だけはキッチリ喰い付くかなぁ?
……ってか、なんで、そんな余計な事を知ってるかなぁ、この混血ドイツ娘は?
しかも、フルネームって、どういう事よ?
「そぉそぉ、眞子ちゃんは、うちの学校が誇る趙雲子龍だよ。なんでも出来るしね」
「あぁ、それは言えるね。子龍だね子龍。そして仲居間さんは曹操だね」
「魅惑のカップリングでありんす」
「そぉ。それは格好良い」
あのね、馬鹿なの君達は?
それと木根さん。
私……これでも一応、子供も出来る体だし、戸籍上も含めて女ね。
お・ん・な。
趙雲×曹操とか男同士の変なカップリングして、勝手な想像するんじゃありませんよ。
この腐女子!!
「あの……お馬鹿ちゃん達。人をネタにして場を和ますのは良いけど。話をしなくて良いの?本当に時間が無いよ」
「「「はっ!!」」」
「なにが?」
・・・・・・
この子等、なんか救い様の無い程の酷いお馬鹿ちゃん達だ。
運命は、自分の置かれている状況を理解してないし……
他の3人は他の3人で、大事な話を、そっちのけにして、三国志ネタに走ってるし……
もぉ良いよ。
このままじゃ、話が全くと言って良い程前に進まないから、此処だけは干渉し捲くってやる!!
もぉ我慢の限界だ!!
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
いやはや、またまた脱線してしまいましたね。
……って言いますかね。
いつもこうやって、話の途中で脱線させるのにも理由がありましてね。
社会人ならまだしも、好奇心旺盛な未成年達が集まって、そう簡単に話が進むなんて事はないと思うんですよね。
些細な事で脱線してしまう……これが未成年の会話だと思います(笑)
まぁまぁ、そんな訳なので。
此処は、そんな彼女達に業を煮やした眞子に話を進めて貰いましょう。
どうやら今回は、冷静な判断が出来そうな雰囲気ですしね(笑)
ってな感じのお話を、次回はして行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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