最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1497 言うだけの事はあるのね

公開日時: 2025年3月11日(火) 00:21
文字数:2,436

●前回のおさらい●


 時給850円で、浮田君に家の外観を整えて貰おうと企む倉津君だったが。

相手は納得せず、値上げ要求をされ、交渉の結果、時給1005円を払わされる羽目に!!


さて、そんな風に値上げ要求までした浮田君の腕前とやらは如何に?

(因みに1999年の神奈川の最低賃金は696円です(笑))

 あの熾烈な交渉から約2時間が経過。


……っで、結論的に、どうなったかと言いますとだな。


メッチャ綺麗になりました……


クソッ!!浮田の野郎!!

やっぱり言うだけの事はあるじゃねぇかよ。

なにを地味に、外観から見る鬱陶しかった木々を綺麗に刈り揃えた上に、壁に絡まった蔦まで上手く排除して行きやがるんだよ。


なんなんじゃオマエは?


その身の軽さは……猿か?猿なのか?


まぁ、どうせ、その理由を聞いた所で『幼少の頃から実家の手伝いをしてるからな』とか言う山中と同じ様な定番の答えが返ってくるだけだろうから、敢えて、そんな親孝行な自慢話は聞いてやらねぇけどな。


でも、腕が良かったのは現実なので、奴のご要望の金額に色を付けて2500円払ってやろうと思う。


神の所業と感謝しろ。



「オイ、ヤーさん。終わったぞ。これで文句はねぇだろ」

「おぅ、浮田君、お疲れ。まぁまぁ見れる感じに成ったじゃないかね」

「マジで殴ったろか、オマエわ」

「オイオイ、報酬を受け取る前に、依頼人をブン殴ってどうすんだよ?」

「じゃあ、先に報酬よこせ。その後で容赦なくブン殴ってやっからよぉ」


……って言う事はなにかい?

俺はバイト代を渡した瞬間、オマエさんにぶん殴られるって算段になってる訳か?


なんだそりゃ?

とんだ二重苦だな。


オマエは性質の悪い追い剥ぎの類なのか?



「嫌な野郎だな。……はいよ」

「おぅ……って、なんだよ?折角2時間で全部終わらせてやったってのに、追加報酬はこれっぽっちかよ。ケチ臭い」

「はぁ?はぁ?増額しやってるのに文句言うなよな。コチトラ一時間で終わる予定だったんだからよぉ。それだけでも余計な出費がかさんでるだぞ」

「終わるかボケ。下手糞がやったら、4時間掛けても終わらねぇつぅの」


まぁ、言われてみれば、そうかもな。


んじゃあ、ちょっと褒めて、この場は誤魔化すか。



「はいはい、凄いねぇ。良い腕してるねぇ」

「オマエからの依頼は二度と受けないからな。そこんとこキッチリ憶えとけよ」


折角、褒めてやったのに、この言い草かよ。


けどまぁ、そう言うなって。

また何か厄介事がある度に、毎回毎回、オマエさんの事は呼びだしてやるからな。


そこは安心しとけ。


但し、今度こそ850円でな。


まぁ、それかだな。

山中のアホンダラァと、大将と、オマエでリフォーム業者でも立ち上げるか?


その気が有るんなら、ソッチに投資してもいいぞ。



「ケチ臭い事を言うなよ。長い付き合いじゃんかよ」

「なら、オマエも、ケチ臭い事を言うなよな。今後の付き合いが欲しければ、正当な報酬を払いやがれ」

「……ったく、面倒臭いな、オマエは」

「おっ、漸く、俺の価値が解ったらしいな」


この守銭奴め。


まぁ、しょうがねぇな。

今回だけは、更に特別報酬を出してやるよ。


但し、甘やかすのは今回だけだぞ。


そう思いながらも俺は、徐に財布から金を取り出す。



「はいよ5円」

「……期待させといて、結局5円かよ」

「ご縁が有ります様にってな」

「くたばれ」


断る。



……っとまぁ、そんな感じで。

浮田の守銭奴野郎と、少しの間、外で休憩してたんだが。



「なぁ、ヤーさん」

「んだよ?」

「オマエ、なんで急に、家のリフォームなんかしてるんだ?」

「あぁ、知り合いに、この家を貸そうと思ってるんだがな。余りにも、お化け屋敷みたいな外観だったからよぉ。ちょっと弄らねぇとマズイなぁって思ってな」

「あぁ、そう言う事な。けど、中の2人の給料を考えれば、結構金が掛かってるんじゃねぇのか?」

「いや、それがな。山中のアホンダラァと、中に居る大将はボランティアなんだよ。だから1円も掛かっちゃ居ねぇよ」

「はぁ?タダ働きだと?あんなに腕の良い職人なのにか?」


まぁ、タダ働きと言えば、タダ働きなんだがな。

大将とは、この後、銀座に飲みに行く予定だから、決してタダ働きではないし。

山中に関しては、以前にも公言した通り『うまか棒かチロルチョコの袋詰め』でも買ってやるから、タダ働きではないな。



「まぁな。何処かの誰かさんみたいに、あの2人は金・金言わねぇんだよな」

「誰の事だ?」

「オマエじゃ!!」

「オマエさん呼んでるよぉ~~~、俺は浮田だから、そんな名前の奴は知らねぇ~~~」

「うわっ!!腹立つわぁ、コイツ」


そんなクダラネェ事を、平然と言う奴、最近見掛けねぇぞ。


オマエ、一体、幾つだよ?

そう言う親父臭いネタを言うって事は、絶対に40歳越えてるだろ。



「なんだ?腹が立つ程、太ったのか?なら、ダイエットでもしとけ。中年太りはミットモナイぞ」

「誰が中年太りだ!!」

「オマエだ。ヤーさん」

「ヤーさん呼んでるよぉ~~~。何所に居るんだヤーさん?」

「パクんな!!オッサンかオマエは!!」


同年代だ。


あっ……じゃあオマエ共々、俺もオッサンだな。


……ショボボボ。



「……ってか、浮田よぉ。んな事より、この後どうすんだ?」

「帰って、受験勉強するに決まってるだろ。オマエみたいに遊んでバッカいられる身分じゃないんでな」

「そうか。馬鹿は可哀想だな」

「オマエさぁ、最近成績が良くなってるって噂が巷で立ってるからって、調子乗ってるな」

「まぁな。俺には優秀な講師陣がついてるから、受験なんざ鉄板だからな。そう言う意味では調子に乗ってはいるな」


俺には、眞子って言う最終兵器が付いてるからな。

幾らでも調子に乗っても大丈夫だ。


一応、アイツの言い付け通り、勉強は、毎日ちゃんとしてるからな。


受験なんざ問題なしだ。

(↑言われた事しか出来無い子供な俺)



「コイツ。マジで人生なめてやがるな」


それは……辛酸の方か?

もし、それなら、親の職業柄、死ぬ程、辛酸を舐めさせられた経験ならあるぞ。


苦労が一杯ですぜ。


……違うな。

ソッチの話じゃないな。



「まぁな。テメェで言うのもなんだが、舐めた人生は送ってるな。……ってかよぉ。んな話より、折角、手伝ってくれたんだからよぉ。飯ぐらい喰って行けよ。ウチの彼女が飯を作ってくれてる筈だからよ」

「??……オイ、ヤーさん、オマエ、頭大丈夫か?どっかで頭でも打ったのか?」


はい?


なにがぁ?


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


やっぱり浮田君も良い腕をしてましたね♪

こう考えると『早くから実家の手伝いをする事って大事な事なんだなぁ』って思わざるを得ませんね。


女性なら、お母さんの手伝いをする事で、家事全般が、若くして出来るようにもなる訳ですし♪


それをする事で家族のコミュニケーションも取れる訳ですしね。


さてさて、そんな中。

浮田君に『夜ご飯を食べていくか?』っと聞いただけなのに。

なにやら倉津君は、豪く酷い事を言われてるみたいなんですが……これは、一体、どう言う事なのでしょうか?


次回は、その理由なども踏まえて、物語を書いていきたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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