●前回のおさらい●
時給850円で、浮田君に家の外観を整えて貰おうと企む倉津君だったが。
相手は納得せず、値上げ要求をされ、交渉の結果、時給1005円を払わされる羽目に!!
さて、そんな風に値上げ要求までした浮田君の腕前とやらは如何に?
(因みに1999年の神奈川の最低賃金は696円です(笑))
あの熾烈な交渉から約2時間が経過。
……っで、結論的に、どうなったかと言いますとだな。
メッチャ綺麗になりました……
クソッ!!浮田の野郎!!
やっぱり言うだけの事はあるじゃねぇかよ。
なにを地味に、外観から見る鬱陶しかった木々を綺麗に刈り揃えた上に、壁に絡まった蔦まで上手く排除して行きやがるんだよ。
なんなんじゃオマエは?
その身の軽さは……猿か?猿なのか?
まぁ、どうせ、その理由を聞いた所で『幼少の頃から実家の手伝いをしてるからな』とか言う山中と同じ様な定番の答えが返ってくるだけだろうから、敢えて、そんな親孝行な自慢話は聞いてやらねぇけどな。
でも、腕が良かったのは現実なので、奴のご要望の金額に色を付けて2500円払ってやろうと思う。
神の所業と感謝しろ。
「オイ、ヤーさん。終わったぞ。これで文句はねぇだろ」
「おぅ、浮田君、お疲れ。まぁまぁ見れる感じに成ったじゃないかね」
「マジで殴ったろか、オマエわ」
「オイオイ、報酬を受け取る前に、依頼人をブン殴ってどうすんだよ?」
「じゃあ、先に報酬よこせ。その後で容赦なくブン殴ってやっからよぉ」
……って言う事はなにかい?
俺はバイト代を渡した瞬間、オマエさんにぶん殴られるって算段になってる訳か?
なんだそりゃ?
とんだ二重苦だな。
オマエは性質の悪い追い剥ぎの類なのか?
「嫌な野郎だな。……はいよ」
「おぅ……って、なんだよ?折角2時間で全部終わらせてやったってのに、追加報酬はこれっぽっちかよ。ケチ臭い」
「はぁ?はぁ?増額しやってるのに文句言うなよな。コチトラ一時間で終わる予定だったんだからよぉ。それだけでも余計な出費がかさんでるだぞ」
「終わるかボケ。下手糞がやったら、4時間掛けても終わらねぇつぅの」
まぁ、言われてみれば、そうかもな。
んじゃあ、ちょっと褒めて、この場は誤魔化すか。
「はいはい、凄いねぇ。良い腕してるねぇ」
「オマエからの依頼は二度と受けないからな。そこんとこキッチリ憶えとけよ」
折角、褒めてやったのに、この言い草かよ。
けどまぁ、そう言うなって。
また何か厄介事がある度に、毎回毎回、オマエさんの事は呼びだしてやるからな。
そこは安心しとけ。
但し、今度こそ850円でな。
まぁ、それかだな。
山中のアホンダラァと、大将と、オマエでリフォーム業者でも立ち上げるか?
その気が有るんなら、ソッチに投資してもいいぞ。
「ケチ臭い事を言うなよ。長い付き合いじゃんかよ」
「なら、オマエも、ケチ臭い事を言うなよな。今後の付き合いが欲しければ、正当な報酬を払いやがれ」
「……ったく、面倒臭いな、オマエは」
「おっ、漸く、俺の価値が解ったらしいな」
この守銭奴め。
まぁ、しょうがねぇな。
今回だけは、更に特別報酬を出してやるよ。
但し、甘やかすのは今回だけだぞ。
そう思いながらも俺は、徐に財布から金を取り出す。
「はいよ5円」
「……期待させといて、結局5円かよ」
「ご縁が有ります様にってな」
「くたばれ」
断る。
……っとまぁ、そんな感じで。
浮田の守銭奴野郎と、少しの間、外で休憩してたんだが。
「なぁ、ヤーさん」
「んだよ?」
「オマエ、なんで急に、家のリフォームなんかしてるんだ?」
「あぁ、知り合いに、この家を貸そうと思ってるんだがな。余りにも、お化け屋敷みたいな外観だったからよぉ。ちょっと弄らねぇとマズイなぁって思ってな」
「あぁ、そう言う事な。けど、中の2人の給料を考えれば、結構金が掛かってるんじゃねぇのか?」
「いや、それがな。山中のアホンダラァと、中に居る大将はボランティアなんだよ。だから1円も掛かっちゃ居ねぇよ」
「はぁ?タダ働きだと?あんなに腕の良い職人なのにか?」
まぁ、タダ働きと言えば、タダ働きなんだがな。
大将とは、この後、銀座に飲みに行く予定だから、決してタダ働きではないし。
山中に関しては、以前にも公言した通り『うまか棒かチロルチョコの袋詰め』でも買ってやるから、タダ働きではないな。
「まぁな。何処かの誰かさんみたいに、あの2人は金・金言わねぇんだよな」
「誰の事だ?」
「オマエじゃ!!」
「オマエさん呼んでるよぉ~~~、俺は浮田だから、そんな名前の奴は知らねぇ~~~」
「うわっ!!腹立つわぁ、コイツ」
そんなクダラネェ事を、平然と言う奴、最近見掛けねぇぞ。
オマエ、一体、幾つだよ?
そう言う親父臭いネタを言うって事は、絶対に40歳越えてるだろ。
「なんだ?腹が立つ程、太ったのか?なら、ダイエットでもしとけ。中年太りはミットモナイぞ」
「誰が中年太りだ!!」
「オマエだ。ヤーさん」
「ヤーさん呼んでるよぉ~~~。何所に居るんだヤーさん?」
「パクんな!!オッサンかオマエは!!」
同年代だ。
あっ……じゃあオマエ共々、俺もオッサンだな。
……ショボボボ。
「……ってか、浮田よぉ。んな事より、この後どうすんだ?」
「帰って、受験勉強するに決まってるだろ。オマエみたいに遊んでバッカいられる身分じゃないんでな」
「そうか。馬鹿は可哀想だな」
「オマエさぁ、最近成績が良くなってるって噂が巷で立ってるからって、調子乗ってるな」
「まぁな。俺には優秀な講師陣がついてるから、受験なんざ鉄板だからな。そう言う意味では調子に乗ってはいるな」
俺には、眞子って言う最終兵器が付いてるからな。
幾らでも調子に乗っても大丈夫だ。
一応、アイツの言い付け通り、勉強は、毎日ちゃんとしてるからな。
受験なんざ問題なしだ。
(↑言われた事しか出来無い子供な俺)
「コイツ。マジで人生なめてやがるな」
それは……辛酸の方か?
もし、それなら、親の職業柄、死ぬ程、辛酸を舐めさせられた経験ならあるぞ。
苦労が一杯ですぜ。
……違うな。
ソッチの話じゃないな。
「まぁな。テメェで言うのもなんだが、舐めた人生は送ってるな。……ってかよぉ。んな話より、折角、手伝ってくれたんだからよぉ。飯ぐらい喰って行けよ。ウチの彼女が飯を作ってくれてる筈だからよ」
「??……オイ、ヤーさん、オマエ、頭大丈夫か?どっかで頭でも打ったのか?」
はい?
なにがぁ?
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
やっぱり浮田君も良い腕をしてましたね♪
こう考えると『早くから実家の手伝いをする事って大事な事なんだなぁ』って思わざるを得ませんね。
女性なら、お母さんの手伝いをする事で、家事全般が、若くして出来るようにもなる訳ですし♪
それをする事で家族のコミュニケーションも取れる訳ですしね。
さてさて、そんな中。
浮田君に『夜ご飯を食べていくか?』っと聞いただけなのに。
なにやら倉津君は、豪く酷い事を言われてるみたいなんですが……これは、一体、どう言う事なのでしょうか?
次回は、その理由なども踏まえて、物語を書いていきたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
読み終わったら、ポイントを付けましょう!