最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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847 迷惑だろうけど迷惑じゃない

公開日時: 2023年6月2日(金) 00:21
文字数:2,154

●前回のおさらい●


 眞子が意識を失っている1カ月もの間、崇秀は付きっきりで眞子の面倒を見ていた。

それを知ってしまった眞子は、自分の愚かな行動が、崇秀に多大な迷惑を掛けてしまったと思い込み……

「ごっ、ごめん、崇秀。……私……なにも知らなかったから……あんな事ばっかり言って……」

「ハハッ、なんだそりゃあ?」

「えっ?」

「なにを反省してやがるのかは知らねぇけど。オマエが無作法な生き物なのは、今に始まったこっちゃねぇだろ」

「ひっ、酷い!!」

「それにな。付きっきりの看病と言っても、高々1ヶ月ぐらいの話だ。そんなもん、なにも気にすんな。大した問題ですらねぇよ」

「あぁ、でも……そうは言っても仕事とか……大事な用事とか……」

「『仕事』に『用事』ねぇ。……アホ臭ぇな、実にアホ臭ぇ」

「えっ?えっ?」

「んなもんも、さっきから大した問題じゃねぇつってんだろ。実に馬鹿げた話でしかねぇな」

「なんで?どうして?崇秀は、沢山の人に求められてる人間だよ。それを私なんかの為に1ヶ月も使っちゃったら……」


仕事の件も、然りなんだけど。

よくよく見ると、崇秀の顔色が悪い上に、疲れ果ててる感じすら漂ってる。

実際、目の下に隈なんか作っちゃって、極限まで疲労が溜まってるのが手にとってわかる。


これって……やっぱり、私のせいなんだろうね。


きっと心配ばっかりかけて、その上、看病なんかもして貰っちゃったから、崇秀が、こんな事に成っている。

それになにより崇秀は、きっとこんな状態にあっても、仕事も手を抜いていない筈。


それらの多くの事象が重なって、こんな風に崇秀は、疲労困憊な状態に成ってるのではないのだろうか?


もしそうなら、ホントごめん……私には、もぉその言葉しかなかった。



「はぁ……生粋のアホかオマエは?」

「なんで?」

「オマエねぇ。俺が、たった1ヶ月、仕事を休んだ程度で、なにか支障が出る様な間抜けな仕事の仕方をしてるとでも思ってやがるのか?冗談じゃねぇぞ。俺を、その辺の雑魚と一緒にすんな」

「でもでも、また、余計な迷惑掛けちゃったんじゃないの?」


こんなに沢山の人に求められてる人間が、私なんかに為に1ヶ月も仕事を休んだら、ヤッパリ大問題だよ。


どれだけ多くの人に、迷惑が掛かったもんか計り知れたもんじゃない。


それこそ、多額の損害賠償が出てるんじゃないの?


なら私に、なにか出来る事ないかなぁ?

そりゃあ、なにも出来無いかも知れないけど、せめてなんかしないと、このままじゃあ申し訳が立たないよ。



「『でもでも?』じゃねぇつぅの。良いか壁画モブ女?俺はなぁ、3ヶ月も、4ヶ月も、5ヶ月も、半年も先の仕事を前倒しでしてるの。だから、例えその期間になにか問題が起きたとしても、対処法も全て前持って考えて有るの。……馬鹿のオマエと一緒にすんな」


そうなんだろうけど……


だからって……『迷惑じゃない』って話には繋がらないくない?

また休んだ日数分、それだけ崇秀に負担が増えるだけじゃない?


『迷惑じゃない』って理由にしては……強引過ぎだよ。



「でもさぁ……」

「あのなぁ、眞子。これは前も言ったがな。俺にはな。仕事や、金なんぞより、オマエと言う存在の方が必要不可欠なんだよ。俺にとっちゃあなぁ。オマエが居なくなるって事は、半身を失ったも同然なんだよ。……もし、そんな事になっちまったら、一生1人でツマンネェ人生を歩まなくちゃならなくなるから、今回は、少しテメェの面倒見てやってたに過ぎねぇんだよ。解ったか?この馬鹿モブ?」


『半身』ですか……



「あれあれ、仲居間さん?それって、眞子は今、女の子だから、俗に言う『告白』って奴ですかぁ?下手に此処で半身なんて言っちゃったら、眞子が勘違いしちゃいますよ」

「えっ?えっ?……じゃ、じゃあ、そっ、それって、どういう意味なの?」


・・・・・・


なっ……ないよね。

流石にさぁ、そんなに都合よく、私の厚かましい願いまでは叶えられないよね。


えへへ……ないって、ないって。



「あぁ、それに関しては、もぉ心底パスだな。こんな訳のわからん『トロールみたいな再生力を持った生き物』を女として見ろって方が、どうかしてるぞ。俺は、そんなにゲテ物好きじゃないの。100%以上で、それだけは無理だからな」

「あぁ……ですよね。なんかその気持ち、よく解りますね」

「だろ」


ヤッパリだ。

ヤッパリ、崇秀には、そんな気持ちは微塵もなかったね。


ただの親切心だけでしたぁ(;´д`)トホホ


まぁけど……そんな事だろうとは思ってたよ。


解ってましたよ。

解ってましたとも……しくしく;つД`)



「まぁ、どうせ、そう言うと思ったよ。どうせ、そんなこったろうと思ってましたよ」

「おっ、なんだよ。起きて早々だって言うのに、中々鋭い読みしてるじゃんよ。また、前より寝覚めが良くなったみたいだな」

「まぁね。それに長い付き合いなんで、それぐらいは解ってましたよ」

「ほぉ~~~……まぁ、そうやって他人を理解する事は良い事だ。良く出来ました。お利口さんだ」

「……じゃあさぁ。そんな風に、私は良く出来たお利口さんなんだから、1つ、私の話を聞いてよ」

「んあ?なんだよ急に?まぁ聞くだけなら、幾らでも聞いてやるが」


聞いてくれるんだ。

やけに、アッサリ了承してくれたもんだね。


だったら!!せめてこの機会に、自分の言いたい事を崇秀に言ってみよぉ~~~っと。


このままモヤモヤしてるのも嫌だし。

なにより、さっきまで見ていた夢の中での話で、私自身、崇秀にはハッキリ言って置きたい事が出来たからね。


此処は一発勝負です!!


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


矢張り、崇秀と眞子との関係には、メリットやデメリットなんて物は存在せず。

相手が困っていたら、無償で助け合う様な関係が、キッチリ成り立っている様ですね。


実際、もし仮に崇秀に何かがあった場合、いの一番に駆け付けようとするのが眞子でしょうしね。


……っとは言え、それは何処まで行っても友情の話。

幾ら男女に成っているとは言え、そこから恋愛に発展してしようとしているのは眞子だけの話であって。

崇秀の方はと言えば、全く興味を示していない様子。


そんな中、眞子は、崇秀に対して、何か言いたげな感じを醸し出しているのですが。

果たして彼女は、一体、崇秀に何を言うつもりなのか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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