●前回のおさらい●
比較的、順風満帆に進んでいる文化祭の準備。
だが、倉津君が、何事もなく順調に進み続けられる訳もなく。
用意されていたが如く、その闇は迫っており。
その嫌な問題は、まずカジ君から齎される事に成った(笑)
それは放課後の話だった。
いつものクダラナイ会話をカジとしながら、音楽室に向う途中で、その話は始まった。
「よっ、クラっさん。今日も今日とて音楽室行っとく?」
カジは、最近、自分の声に自信を持って来たのか、自ら、俺を第二音楽室に誘いに来る事が多い。
コイツも女子達のダイエット同様、効果が覿面に出てるので、やる気が湧いて来て練習が楽しいんだろうな。
しかしまぁ……
「ハァ、あのなぁカジ。それってよぉ。会社帰りにキャバクラに行くオッサンのノリじゃねぇかよ。もぅちょっとマシな誘い方ってもんはねぇのかよ?」
「あぁっと、これじゃあ、クラッさんはお気に召さないか。だったら、こう言うのはどうよ?……ソコノ、シャチョさん、シャチョさん。良イ所有ルヨ。音楽室寄ッテク?今ナラ楽器一杯弾ケル様ニさーびすスルヨ」
最低だ。
コイツ、マジで最低だ。
「ハァ、オマエねぇ。それ、どこのフィリピン女の客引きだよ。つぅかな、今時そんな奴、新宿の片隅にも居ねぇぞ。どこで憶えて来たんだよ?」
「あぁ、いや、実はさぁ。ウチの実家って飲み屋なんだけどさぁ。未だに、そうやって客引きしてる女が、ウチの近所じゃ、まだ山程居るんだよな。これがまた」
コイツの実家って、飲み屋だったんだ。
全然知らんかった。
だったら、今度、時間が空いた時にでも、奈緒さんと一緒に、お邪魔させて貰うわ。
つぅかよ、それにしても、未だに、そんなフィリピン女が居るなんざ、ガラの悪い所に住んでんだな。
俺はテッキリ、あぁ言う類の人間は死滅したものだと思ってたぞ。
「ふ~ん。まだ、そんな客引きって居るんだな」
「居るも居る。なんてったって、横須賀や、浦賀辺りから、そう言う片言しか喋れない、ややこしい連中が一杯上陸して来てるからな。んで、何故か、こぞって、この街にやって来る」
「不法入国って奴か?」
「そう言うこった。あの周辺は、比較的上陸ポイントが多いからなぁ。未だにポンポンと、ペンギンみたいに上がって来るぞ」
「ふ~ん。しかしまぁオマエ、良くも、そんなロクでもない話を知ってるなぁ。普通ならシラネェぞ」
「まぁ、偶々、ウチの親父が、昔、いっちょ噛んでた時期が有ったんでな。それで知ってんだよ」
「ほぉ、そうなのか?……っで、斡旋してたのって、どこの組だ?遠藤か?」
「クラっさん……幾らなんでも、そいつを聞くのは野暮ってもんだろ。幾ら過去の話とは言え、そいつだけは聞ぃちゃいけねぇよ」
「まぁなぁ。けどよぉ、気になるじゃねぇかよ」
「……じゃあ、教えてやるけどさぁ。時効って事で勘弁しておいてくれよ。今更、組員に押し寄せられるのは、勘弁願いたいものだからな」
「勿論だ」
いやはや、オマエの親父さんも、面白い事に首突っ込んでたんだな。
まぁまぁつってもだ。
今更、オマエの家族を、どうこうする訳じゃないんだぞ。
オマエの言う通り、そりゃあ完全に時効だ。
けどよぉ『不法入国』が、未だに行なわれてるってのは、ちょっと問題でな。
その辺の事情を、少しウチの組員に調べさせなきゃなんねぇから、過去の情報をくれ。
この街を守るのは、自分の職務しか全うしない『警察』じゃなくて、街の利益計算をキッチリ出来る『やくざ』だからな。
「じゃあ、教えるけど。後悔するなよ」
「後悔だと?あぁ、んなもんはしねぇ。んで、どこだなんだよ?」
「クラッさん所の本家だよ。要するに、クラっさんの実家だな」
「・・・・・・」
糸色句した。
そして、それと同時に、過去の情報が入らなかった事と、親父の馬鹿さ加減に糸色望した。
あのアホ親父だきゃあ……俺がシラネェ間に、またそんな所にまで手を染めてやがったのか!!
そう言う警察に厄介に成りかねない危険な案件は、下部組織に任せとけつぅの!!
あのオッさん、アホちゃうか?
いや、ちょっと待てよぉ。
あの糞エロ親父のこった。
上陸した海外女の、初めての味見を自分がしたくて、欲望を抑えきれず、そんな所をウロウロしてたんじゃねぇだろうな?
これは有り得る話なだけに、全然笑えねぇ話だな。
性欲も、程々に抑えなさいつぅの!!
「けどよぉ。なんで、ウチってわかったんだ?」
「そりゃあクラッさん。先頭切って、組長自らが顔を出してりゃ、誰だって解るわな」
「・・・・・・」
……当たりかよ。
ホント、どこまでも最低だな、あの親父だけは……
アイツの血を引いてると思うだけで、サブ疣出て来たわ!!
マジでアイツ、他所の国の奴に刺されて死んでくれねぇかな。
そんで、そうなった場合、死体も受け取らず、海に放置したい気分だ。
「あぁけど。そう言えば、遠藤組の組長も何回か見かけたって、ウチの親父が言ってたな。しかしまぁ、敵対組織同士が、同じ場所に来るって……これ、どう言うこったろうな?」
「・・・・・・」
康弘……脳天が腐ってて、性欲の強い馬鹿な父親を持つと、お互い苦労するな。
文化祭が落ち着いたら、今度2人で、この件を肴に、カジの店で一杯飲み明かそうな。
お互い、哀しすぎる、この話題でな……
「いやはや、なんとも、実に聞くに堪えない糞話だな。多分、両親分さんが、恥も外聞もなく、最初の味見でもしてやがったんじゃねぇのか?マジで恥ずかしい親父だよ」
「まぁそう言ってやるなって。昔から『英雄色を好む』って言うしさ。そう言う類の話なんじゃねぇの」
「まぁなぁ、本当に、そうだと良いんだがな。その糞共だけは、ただの性欲だとしか思えん」
「確かに、その線の方が濃いよな」
「だろ。……話がシュール過ぎて、やってらんねっ」
っとまぁ、廊下を歩きながら。
どこの中学校にでもある様な『極有り触れた』親父の悪口話をしてた訳だ。
すると突然だな、此処でカジが、困った事を聞いてきたんだ。
それこそが、今回の問題の話だ。
(↑既に問題が2つ出てるがな)
「そう言やぁクラッさん」
「なんだよ?まだ、その糞話に続きでもあんのか?」
「いや、そうじゃないんだ。前からズッと気になってた事があるんだがな。聞いても良いか?」
「なんだよ改まって?まぁなんでも聞いてくれて結構だぞ」
「あぁ、じゃあ、遠慮無しに聞くけどさぁ。……奈緒ちゃんって、1年何組?」
「へっ?」
「いやな。1年のどのクラスを探しても、奈緒ちゃんの姿が、どこにも見当たらねぇんだよな。それで何組なのかな?って思ってさ」
ぐぉ……そう来るか。
そう言うヤバい話題は辞めてくれ……(´;ω;`)ブワッ
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
何気ないカジ君の一言から、倉津君にしたらトンデモ糞話に発展したものですね(笑)
なので倉津君に言う通り、親父さん、ちょっとは性欲を押さえるべきだとは思います。
(まぁ親父さんが、こう言うエロイ行動をとるのにも意味はあるんですけどね)
さて、そんな中。
突然の様に投下された『奈緒さん事、田中奈緒美の正体についての質問』
倉津君は、まず、この『第一』の試練を乗り越えられるのか?
それは次回の講釈!!
また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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