最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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376 カジの持って来た糞話

公開日時: 2022年2月17日(木) 00:21
更新日時: 2022年12月27日(火) 14:28
文字数:2,572

●前回のおさらい●


 比較的、順風満帆に進んでいる文化祭の準備。


だが、倉津君が、何事もなく順調に進み続けられる訳もなく。

用意されていたが如く、その闇は迫っており。

その嫌な問題は、まずカジ君から齎される事に成った(笑)

 それは放課後の話だった。


いつものクダラナイ会話をカジとしながら、音楽室に向う途中で、その話は始まった。



「よっ、クラっさん。今日も今日とて音楽室行っとく?」


カジは、最近、自分の声に自信を持って来たのか、自ら、俺を第二音楽室に誘いに来る事が多い。

コイツも女子達のダイエット同様、効果が覿面に出てるので、やる気が湧いて来て練習が楽しいんだろうな。


しかしまぁ……



「ハァ、あのなぁカジ。それってよぉ。会社帰りにキャバクラに行くオッサンのノリじゃねぇかよ。もぅちょっとマシな誘い方ってもんはねぇのかよ?」

「あぁっと、これじゃあ、クラッさんはお気に召さないか。だったら、こう言うのはどうよ?……ソコノ、シャチョさん、シャチョさん。良イ所有ルヨ。音楽室寄ッテク?今ナラ楽器一杯弾ケル様ニさーびすスルヨ」


最低だ。


コイツ、マジで最低だ。



「ハァ、オマエねぇ。それ、どこのフィリピン女の客引きだよ。つぅかな、今時そんな奴、新宿の片隅にも居ねぇぞ。どこで憶えて来たんだよ?」

「あぁ、いや、実はさぁ。ウチの実家って飲み屋なんだけどさぁ。未だに、そうやって客引きしてる女が、ウチの近所じゃ、まだ山程居るんだよな。これがまた」


コイツの実家って、飲み屋だったんだ。


全然知らんかった。


だったら、今度、時間が空いた時にでも、奈緒さんと一緒に、お邪魔させて貰うわ。


つぅかよ、それにしても、未だに、そんなフィリピン女が居るなんざ、ガラの悪い所に住んでんだな。

俺はテッキリ、あぁ言う類の人間は死滅したものだと思ってたぞ。



「ふ~ん。まだ、そんな客引きって居るんだな」

「居るも居る。なんてったって、横須賀や、浦賀辺りから、そう言う片言しか喋れない、ややこしい連中が一杯上陸して来てるからな。んで、何故か、こぞって、この街にやって来る」

「不法入国って奴か?」

「そう言うこった。あの周辺は、比較的上陸ポイントが多いからなぁ。未だにポンポンと、ペンギンみたいに上がって来るぞ」

「ふ~ん。しかしまぁオマエ、良くも、そんなロクでもない話を知ってるなぁ。普通ならシラネェぞ」

「まぁ、偶々、ウチの親父が、昔、いっちょ噛んでた時期が有ったんでな。それで知ってんだよ」

「ほぉ、そうなのか?……っで、斡旋してたのって、どこの組だ?遠藤か?」

「クラっさん……幾らなんでも、そいつを聞くのは野暮ってもんだろ。幾ら過去の話とは言え、そいつだけは聞ぃちゃいけねぇよ」

「まぁなぁ。けどよぉ、気になるじゃねぇかよ」

「……じゃあ、教えてやるけどさぁ。時効って事で勘弁しておいてくれよ。今更、組員に押し寄せられるのは、勘弁願いたいものだからな」

「勿論だ」


いやはや、オマエの親父さんも、面白い事に首突っ込んでたんだな。


まぁまぁつってもだ。

今更、オマエの家族を、どうこうする訳じゃないんだぞ。


オマエの言う通り、そりゃあ完全に時効だ。


けどよぉ『不法入国』が、未だに行なわれてるってのは、ちょっと問題でな。

その辺の事情を、少しウチの組員に調べさせなきゃなんねぇから、過去の情報をくれ。


この街を守るのは、自分の職務しか全うしない『警察』じゃなくて、街の利益計算をキッチリ出来る『やくざ』だからな。



「じゃあ、教えるけど。後悔するなよ」

「後悔だと?あぁ、んなもんはしねぇ。んで、どこだなんだよ?」

「クラッさん所の本家だよ。要するに、クラっさんの実家だな」

「・・・・・・」


糸色句した。


そして、それと同時に、過去の情報が入らなかった事と、親父の馬鹿さ加減に糸色望した。


あのアホ親父だきゃあ……俺がシラネェ間に、またそんな所にまで手を染めてやがったのか!!

そう言う警察に厄介に成りかねない危険な案件は、下部組織に任せとけつぅの!!


あのオッさん、アホちゃうか?


いや、ちょっと待てよぉ。


あの糞エロ親父のこった。

上陸した海外女の、初めての味見を自分がしたくて、欲望を抑えきれず、そんな所をウロウロしてたんじゃねぇだろうな?


これは有り得る話なだけに、全然笑えねぇ話だな。


性欲も、程々に抑えなさいつぅの!!



「けどよぉ。なんで、ウチってわかったんだ?」

「そりゃあクラッさん。先頭切って、組長自らが顔を出してりゃ、誰だって解るわな」

「・・・・・・」


……当たりかよ。


ホント、どこまでも最低だな、あの親父だけは……


アイツの血を引いてると思うだけで、サブ疣出て来たわ!!


マジでアイツ、他所の国の奴に刺されて死んでくれねぇかな。

そんで、そうなった場合、死体も受け取らず、海に放置したい気分だ。



「あぁけど。そう言えば、遠藤組の組長も何回か見かけたって、ウチの親父が言ってたな。しかしまぁ、敵対組織同士が、同じ場所に来るって……これ、どう言うこったろうな?」

「・・・・・・」


康弘……脳天が腐ってて、性欲の強い馬鹿な父親を持つと、お互い苦労するな。


文化祭が落ち着いたら、今度2人で、この件を肴に、カジの店で一杯飲み明かそうな。


お互い、哀しすぎる、この話題でな……



「いやはや、なんとも、実に聞くに堪えない糞話だな。多分、両親分さんが、恥も外聞もなく、最初の味見でもしてやがったんじゃねぇのか?マジで恥ずかしい親父だよ」

「まぁそう言ってやるなって。昔から『英雄色を好む』って言うしさ。そう言う類の話なんじゃねぇの」

「まぁなぁ、本当に、そうだと良いんだがな。その糞共だけは、ただの性欲だとしか思えん」

「確かに、その線の方が濃いよな」

「だろ。……話がシュール過ぎて、やってらんねっ」


っとまぁ、廊下を歩きながら。

どこの中学校にでもある様な『極有り触れた』親父の悪口話をしてた訳だ。


すると突然だな、此処でカジが、困った事を聞いてきたんだ。


それこそが、今回の問題の話だ。

(↑既に問題が2つ出てるがな)



「そう言やぁクラッさん」

「なんだよ?まだ、その糞話に続きでもあんのか?」

「いや、そうじゃないんだ。前からズッと気になってた事があるんだがな。聞いても良いか?」

「なんだよ改まって?まぁなんでも聞いてくれて結構だぞ」

「あぁ、じゃあ、遠慮無しに聞くけどさぁ。……奈緒ちゃんって、1年何組?」

「へっ?」

「いやな。1年のどのクラスを探しても、奈緒ちゃんの姿が、どこにも見当たらねぇんだよな。それで何組なのかな?って思ってさ」


ぐぉ……そう来るか。


そう言うヤバい話題は辞めてくれ……(´;ω;`)ブワッ


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


何気ないカジ君の一言から、倉津君にしたらトンデモ糞話に発展したものですね(笑)

なので倉津君に言う通り、親父さん、ちょっとは性欲を押さえるべきだとは思います。

(まぁ親父さんが、こう言うエロイ行動をとるのにも意味はあるんですけどね)


さて、そんな中。

突然の様に投下された『奈緒さん事、田中奈緒美の正体についての質問』


倉津君は、まず、この『第一』の試練を乗り越えられるのか?


それは次回の講釈!!

また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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