第四十二話【下準備】が始まるよぉ~~~(*'ω'*)ノ
042【下準備】
海での片付けを、奈緒さんと2人で終わらせて馬鹿秀の元に向かう。
さっきの出来事もあって、奈緒さんに機嫌は頗る良い。
現に今も、運転をしている俺の横でCDから流れる曲を聞きながら、楽しそうに口ずさんでいる。
そして時折、俺に向って『クラ……うふふふ』とか言って、何とも言えない様な可愛い微笑を投げ掛けてくれる。
こう言う楽しそうにしている彼女の表情をみていると、ほんの少しだが安心する。
そしてそれと同時に、さっきの俺のプレゼントも殊更無駄では無かったとも思える。
実に悪くない状況だ。
この調子だと、もし崇秀の計画が上手く行かなかったとしても、それはそれで、別に、どうでも良い様にも思えてきた。
最低限度、俺の気持ちは奈緒さんに伝わった様だし、それ同様に奈緒さんの気持ちは、また上を向いてくれるだろう。
そう言った意味では、彼女は、本当に強い人だからな。
そんな思いに耽りながら、10分程、車を走らせたら、崇秀が指定したホテルに到着する。
そして到着後、俺は、厳つい黒のベンツを駐車場に止めると、奈緒さんをエスコートする為に扉から手を差し伸べる。
すると意外にも、彼女も気持ち良く、これを受け入れて、俺の手をとってくれる。
これも悪くない状況だ。
ただな、それは非常に良い傾向なんだが、なにやら嫌な予感を過ぎらす物が、この現場からは漂っているんだよな。
このホテルに来てからと言うもの、妙に気になってはいたんだが、さっき、みんなをホテルに送って来た時とは、大きな相違点が見られる。
この駐車場……いつの間にやら、全て車や、単車で埋め尽くされているんだよな。
しかも、その停まっている車の種類も多種多様で、高級車から、バン。
果ては、中継車らしき車までもが駐車している始末。
これは明らかに、あの馬鹿が、ロクデモナイ事を企んでいるのが手に取る様にわかる。
そんな多大な不安を抱えながら、奈緒さんの手を引いてホテルのフロントに向って行った。
「いらっしゃいませ。ようこそ、お越し下さいました」
出迎えてくれたのは、如何にも誠実そうなホテルマン。
どこぞのカラオケ屋の店員や、どこぞのスタジオの店員とは大違いだ。
「あっ、あの、仲居間で予約を取ってる、倉津って者なんッスが」
「ご利用ありがとうございます。確かに、倉津様でご予約頂いておりますね。……では、お手数ではありますが。こちらの方に、お名前と、ご住所を頂戴して宜しいでしょうか」
「あぁ、うっす」
丁寧な対応(実際は普通なんだが……)に感心しながら。
台帳に、奈緒さんと、俺の名前を書き込みながら、少しフロントマンに質問をする。
「あっ、あの」
「なんでございましょうか?」
「あの……前の駐車場に止まっている車って、仲居間の関係者の車ですか?」
「左様でございますね。わたくし共は、仕事関係の方達のものだとお聞きしておりますが」
オイオイ……マジで、なにする気だ、あの野郎は?
この様子から言って、尋常じゃない事が起こりそうな状況だな。
だったら、さっき思った嫌な予感も、強ち間違いでも無さそうな感じでもある。
奴は間違いなく、この湘南の地で、なにかとんでもない事をしでかそうとしている。
現に奈緒さんも、今の話を聞いて、相当イヤな予感がしたのか、さっきまでの機嫌の良い表情が薄れて、妙に神妙な顔付きになっている。
俺……ひょっとして、頼む相手を間違ったか?
そんな話を聞いて、少しだけ顔を蒼褪めさせながら、奴の居場所をフロントマンに聞いて、急いで現場に向う。
俺自身、一秒でも早く、この不安を消し去りたかったのだろう。
その場に向う足取りも、いつもより、少し早足になっている。
あぁ因みにだが、奈緒さんの手は繋いだままだ。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
倉津君……今回は、完全に頼む相手を間違いましたね。
日に日に成長を続けてる崇秀と言う化け物を、少々甘く見すぎているのではないですか?
奴は、君の想像を超えたとんでもない事を、この湘南海岸でぶちかます気ですよ(笑)
さて、そんな緊迫した状態になった所で。
次回は、崇秀のアンポンタンが、早速やらかしてきます。
ですから、読んで下さってる皆さんには、その辺を楽しんで頂ければ有り難く思います♪
また良かったら遊びに来てねぇ~~~(*'ω'*)ノ
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