最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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262 不良さん、心理の深さを体感する

公開日時: 2021年10月26日(火) 00:21
更新日時: 2022年12月14日(水) 13:40
文字数:2,577

●前回のおさらい●


『奈緒さんを意のままに操れる』っと言う崇秀の甘い言葉に唆された倉津君。


早速試してみたものの。

まさに、崇秀の言う通りの動きを奈緒さんが見せ。

自分より、崇秀の方が、奈緒さんを理解しているのか……っと、少し落ち込む。


それでも尚、まだ興味が尽きないのか、崇秀の指示通り、奈緒さんにボディタッチを試みるアホな倉津君であった(笑)

「からかってないッスよ。ほら、奈緒さんのほっぺたすら、こんなプニュプニュして可愛いじゃないッスか」

「うっ、うん……ちょ、ちょっとクラ、なっ、なにしてるのよ、こんな所で?人前だよ」

「だって奈緒さん。俺の言う事を、ちっとも信じてくれないんッスもん」

「そう言う訳じゃないんだけどさぁ。急に、そんな事されたら……吃驚するじゃない」

「だったら、もう一回触っても良いッスか……じゃないと、信用しないッス」

「もぉ……何こんな事で、君は拗ねてるのよ」

「あぁじゃあ、もぅ良いッス。奈緒さんには頼まないッス」

「へっ?なに?怒ってるのクラ?」

「別に怒ってないッス。怒ってないッスよ」

「……ふぅ~~~、もぉ、この子だけは仕方ないなぁ。ちょっとだけだよ」

「ホントっすかぁ?俺なんかが、奈緒さんのほっぺたプニプニして良いッスかぁ?」

「もぉしょがないじゃない……その代わり、ちゃんと機嫌直してよ」


うそ~~~ん。

なんでアイツの言った事が、こんなに正確に当たるんだよ?


言い回しから、何から何まで同じって……ちょっと気持ち悪いぐらいだぞ。


っとか言いながら……奈緒さんのほっぺたをプニプニする序に、首元を少し触ってみる。



「ひゃ!!……ちょ、ちょっとクラ」

「なんッスか?俺、なんか変な事したッスか?」

「えっ?……あぁっと、別になにもないよ」


首を触っても、とぼけろって言われたけど……こう言う事か。


スゲェなアイツ。



「あの、奈緒さん」

「なっ、なに?」

「ヤッパ、奈緒さんって、最高に可愛いッスね」

「ちょ、クラ……本当にさっきから何を言ってんのよ?」

「事実ッスよ。マジで、こんな可愛い人が、俺の彼女だって思ったら……」

「……思ったら?」

「また勃起しちゃいました」

「最悪だよ」

「すんません。……けど、奈緒さんも悪いんッスよ。そんな可愛い顔してるから、俺だって勃起しちまうんすよ。だから半分は、奈緒さんのせいッスね」

「あのねぇ、クラ。なんでそうなるのよ?……それ、絶対に言い掛かりだよ」

「そんな事ないッスよ。だって現に奈緒さん、俺がほっぺに触っても、何も感じてなかったじゃないッスか。ヤッパリ、俺が格好良く無いからッスね」


此処までの展開は、アイツの言った通りだが、まさか、これ以上は無いだろ。


もし有ったら、そりゃあ漫画だ漫画。



「……じたよ……」

「へっ?なんッスか?」

「……感じたもん。クラに触られて、自分でも恥ずかしいぐらい感じたもん」


へっ?嘘?

絶対に奈緒さんなら言わないと思ってたそのセリフを、マジで、そのまま言っちゃいましたか!!


これじゃあ、あの馬鹿の言う展開通りじゃねぇか!!


けど、奈緒さんは、相当、恥ずかしかったのか、涙を一杯溜めてる。


なら、辞めよ。

もぅこんな事は辞めよう。

こんな事しちゃあ、奈緒さんが可哀想だ。



「あぁ、あの、奈緒さん、ごめんなさい、ごめんなさい。もぅ言いませんから、泣かないで」

「意地悪……今日のクラは最悪だよ」

「あっ、あの、俺、あの、なんでもしますから、許して下さい」

「ホントに、なんでもするんだね?」

「もっ、もす論ッスよ」

「じゃあ、ここでHしたい」

「ぶっ!!……そっ、それは、流石に不味くないッスか?」

「良いよ。じゃあ、もぉ頼まない。どっか行け」

「奈緒さ~~~ん」

「君が悪いんだよ。人の体ベタベタ触ってさぁ。スイッチ入れるから悪いんだよ」


あっ、あの……ベタベタって言いますけど、俺、ほっぺたと、首しか触ってませんが……


あぁけど……奈緒さんって、矢鱈と敏感だったよな。


やっちゃったか?


やっちゃったのか、俺?



「あっ、あっ、あっ、あの、けど、此処で、どうやってやるんッスか?」

「やるんだ?ヤル気満々なんだ?」

「へっ?」

「クスッ、冗談よ冗談。漫画じゃないんだから、こんな所でHなんかする訳ないじゃない。……ホント、馬鹿なんだから」


……だよな。


けど、この人の言動って……どこまでがマジで、どこまでが冗談か、見分け付け難いんだよな。


実は、意外にマジだったんじゃねぇのかな?


もぅちょっと継続してみるか。


悪乗り女王に、少しだけお灸を据えてやる。

(↑悪乗り大王な俺)



「ヤッパ、嘘付いてたんッスね……最悪ッス。俺、マジで、どうしようかと思ってたのに」

「ごめん、ごめん。もぅしないから許して」

「直ぐに、そうやって嘘付く。前にもやらないって言ったクセに、今回もチャッカリやってるじゃないッスか」

「だって……それは、クラが意地悪するからでしょ」

「言い訳になってないッスよ」

「じゃあ、どうして欲しいのよ?私に、此処でHしろって言うつもり?」


あぁ……ヤッパリ、そういう話になるか。


これが崇秀の言っていた『女の最後の武器』って奴だな。


まぁ、これ自身は女性限定の卑怯な手と言えば、卑怯な手になるんだろうが。

女性は男性に対して、最後に体を差し出す事によって、全てを許されると思ってる面が多岐に渡ってある。


これは、奈緒さんに限った事では無いんだが……

女性の先祖が、そうする事で成功を収め。

子孫の女性の遺伝子に、そういった記憶がインプットされ脈々と受け継がれて来たらしい。


それに伴って男性には、これを女性が言う事によって、許す機能が装備されている。


男女と言うのは、なんとも上手く作られてるもんだ。


だから、此処で、その行為を否定する事によって、女性は対応し難くなるとの事だ。

(↑仲居間崇秀談)



「そんなこと、全然、考えてないッスよ。俺は、奈緒さんに恥を掻かせたい訳じゃないッスからね。……それに俺は、奈緒さんの傍に居るだけで幸せだって、さっき、ちゃんと言ったじゃないッスか」

「あっ、そっか。そうだよね……ごっ、ごめん」


う~~~ん。

人を思いのままに動かすって言うのは、こう言うカラクリの上で成り立ってるんだな。


人対人の心理戦って、ホントに奥が深いなぁ。


男女問わず、単に相手を喜ばすだけなら、自分のして欲しい事を、相手にしてあげれば済む話なんだが、この崇秀の心理テクニックと言うのは、そんな安易なものじゃない。

まずはキッチリとした攻撃ポイントや、防御ポイントを見極めて、その場、その場で、新たなパターンを構成していく。

それで得たデータを、対象者と照らし合わせて、更に新しいパターンを構築していく。


そうやって、蓄積した膨大なデータを持ってるからこそ出来る技だ。


けど、どうなってんだ、アイツの頭は?


マジで、ぶっとんでやがるな!!


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


相手を知り、己を知れば、100戦危うからず。

なんて言葉の通り、崇秀は矢張り、相手の心理状況や、行動パターンを読むのが得意の様ですね。


まさに、倉津君も、奈緒さんも、崇秀のマリオネット(笑)


そんな中、なにやら感心と、反省をした倉津君は、奈緒さんに謝罪をするようですね。


上手く行けば良いのですが……


(ΦωΦ)フフフ…←また、良からぬ事を考えている。


っとまぁ、そんな感じですが、また良かったら、遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ

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