●前回のおさらい●
ステラさんの心理状況が、どうにも理解出来ない倉津君は、崇秀に話に続きを求めるが。
崇秀は「タダでオマエには教えたくないから、なんか物真似の1つでもしろ」っと言いだす。
そこで倉津君が見せる、究極の物真似とは!!(笑)
「チッ……じゃあ、やってやんよ」
「おっ、漸くヤル気になったみたいだな」
「行くぞ!!よく聞いてやがれ、コンチクショウ!!……『プォ~~ン』」
「へっ?なんだそりゃ?」
「更に行くぜ!!第二弾……『チィキチィキ・チィキチィキ』」
「オイ、倉津、だから、なんなんだよ、それ?」
「トドメの第三弾だ!!……『チィキチィキ・チィキチィキ……チィキチィキ・チィキチィキ』
「だからよぉ……なんなんだよ、それ?」
オマエ、こんなに上手い物真似が、何かわかんねぇか?
馬鹿じゃねぇのか?
一番最初にやったのは『スーパーマリオのジャンプ音』
んで、第二弾が『ファイナルファンタジーの剣士の剣を振る音』
んで、第三弾が同じく『ファイナルファンタジーの二刀流の剣の音』
こんなもん、誰が聞いても解る様な完璧なモノマネじゃねぇか!!
「ファミコンのSEだ」
「最低のモノマネだな。……まぁ良い。一応、モノマネしたから教えてやるよ。但し、あまりにレベルが低いから1貸しだ」
「おぉ流石、仲居間大明神様じゃ。ありがたや、ありがたや」
「ブッ殺すぞ、テメェは」
有り難くも無い者を拝んでやったんだから、オマエは存外に感謝しろ。
「ッで、オマエ、俺になにが聞きたかったか憶えてんだろうな?」
「へっ?えぇっと……あれだよあれ、ほらほら、あれだよあれ」
あぁイカン。
モノマネの話を夢中になってしてたら、スッカリと、何が聞きたいのか忘れちまった。
「マジかよ。……最悪だなオマエ」
「すまん、すまん、度忘れだ度忘れ」
「ホント、どうしょうもねぇ奴だな。じゃあ、再度、問題を定義してやる。何故オマエが向井さんを一途に想っていても、ステラが喰い込んで来るかって話だ」
「あぁそうそう、それだそれ」
「オマエだけは……サハラ砂漠で、漫画みたいな蟻地獄に嵌って、1人寂しく死んでくれ」
嫌な死に方だな、オイ。
老人の孤独死より、悲しい最後だぞ、それ。
「ッで、思い出した所で、なんか疑問に思う節は無いか?」
「ねぇな」
「そっ……そうか。多分、オマエって、世界一幸せなイキモンなんだろうな」
「まぁ、幸せだな。羨ましいだろ」
「有る意味な」
幸せな生き物で良いじゃねぇかよ!!
不幸より数倍楽しいぞ!!
って、イカンイカン!!また話が逸れる所だった。
「っで、結局なんなんだよ」
「なぁ~に、簡単な話だ。ステラに相談する時の、自分の心境を考えてみろよ」
「心境?そんなもん、至って普通なんじゃねぇの。平常心だよ平常心」
「アホか?平常心な訳ねぇだろ。そりゃよぉ、ただ単にツマラネェ与太話をするだけなら、オマエも平常心だろうがな。『女の親友に相談』っとなると話は別だろうに」
「なんでだよ?男だろうと、女だろうと、普通に相談ぐらいすんだろうがよ。現に今だってよぉ、オマエに相談してるが、俺は丸っきり平常心じゃねぇか」
「アホかオマエは?俺は『女の親友に相談』って言ってるだろうに」
「はぁ?なにが違うって言うんだよ?そんなもん一緒だろ一緒」
訳わかんねぇ事を言ってやがんな。
そう言う場合は、男女に区別なんて無いだろうに……
「あのなぁ倉津。そう言う場合に関しては、男と女を一緒にするのは危険な考えだぞ」
「だから、なんでだよ?」
「まずにして、相談の質と、回答の重さが、全然が違う」
「はぁ?」
「例えばだ。男に恋愛相談をしても『やりゃあ良いじゃねぇか』とか『時間が解決してくれる』とか、比較的クダラナイ与太話で終わるのが関の山だ。……が、男が女に恋愛相談をする時は、なんか彼女とイザコザがあった時だ。要するに女性の思考パターンが欲しくて質問するケースが多い。……どうだ?これが俺の考える相談の質の違いだが、そう思わねぇか?」
「あぁ、まっ、まぁ、多少はそう思うな」
言われてみりゃそうだな。
「なら次は、回答の質だ。男の場合は、さっきも言ったが、基本的に単純に解決しようとする傾向が有る。だが、女の場合は違う。基本的に女って生き物は『恋愛話』が大好きだ。此処からして、既に回答の質が変わって来る。これに関しては、ステラも他の女同様、結構、喰い付いてくる筈だ」
「まぁ、そうだわな」
「でだ。そこで更に問題が出るとしたら、オマエの事が好きなステラは、オマエが思ってた以上に、オマエの相談を真面目に話を聞いてくる。そしたら馬鹿なオマエは、ベラベラと本音トークをしちまう。……んで、最後には『コイツ、マジで良い奴だな』とか『あぁ、奈緒さんにも、コイツぐらいの理解力が有ったらなぁ』とか思っちまう訳だ。……っで、此処で質問な訳なんだが。そうなった場合、オマエの、ステラに対する好感度は、どうなってる?序に聞くなら、向井さんに対してどう思う?その時点で『向井さん一途』って言い切れるか?女って生き物は、そう言う所を上手く使ってくるもんだぞ」
・・・・・・
ステラは、そんな卑怯な奴じゃねぇと思うんだがなぁ。
アイツは、もっと真っ直ぐに、人を見る奴だと思うんだが……
「まぁ、一理有るだろうけどよぉ。全部が全部そう言う訳でもねぇだろうに」
「アホ……ステラは、長期的にオマエを落とすつもりだぞ。オマエ、ステラのなにを見てんだよ」
「いや、そりゃねぇな。アイツは、そんな女じゃねぇ」
「あっそ。じゃあ、そう思っとけ。……俺の予想では、オマエが5回程ステラに相談した時点で、オマエには、アイツの毒が完全に廻ってる筈だ」
「毒とか言うな!!想像だけで、そんな風に言ったら可哀想だろ」
「ほらな。案の定だ」
「うん?」
なにが?
「前もって言って置くがな。言葉は魔法だ。相手に本音を引き出す為には、時には『貶したり』『褒めたり』を使い分ける。そうすりゃ馬鹿からは、簡単に本音を引き出せる」
「ちょ、なんの話だよ」
「今の話に付随する話だよ。さっき俺は『毒』って言葉を使って、ステラを貶す事によって、オマエのアイツに対する本音を引き出したんだよ。オマエは、それに丸々乗って『可哀想だろ』とか言っちまった訳だ。この時点で、オマエがステラを女として見ている証拠だ」
「がっ!!」
「因みにだが『親友だから当たり前だろ』ってのは無しだぞ。アイツの事を親友や友達だと思ってるなら、まずは沈黙して、確認しようとするもんだからな。……だからオマエは、ステラとの時間に幸福を感じてる。これは間違いない筈だ」
「いや、待て待て、可愛い女の子と喋るのが、嫌な奴なんか居るのかよ?」
「なるほどな、そう言う捉え方か……それも危険な考えだ」
危険なのか?
いやいや、別に、コイツの話を鵜呑みにする必要はねぇ。
翌々考えたら、コイツの話は、想像の範囲でしかないんだからな。
「わかった、わかったよ。そこは認めてやる。……けどよぉ、なんでステラだけ、そんなに危険視するんだ?」
「オイ……納得してねぇのに、納得した様な面すんな」
なんでわかんだ?
「良いか倉津?オマエの今の行為は、ただの面倒臭いって感覚で納得しただけだ。要は、ステラの件同様、自分に言い聞かせてるだけの話。実際は、自分の都合だけが良い様に解釈してるに過ぎない。……聞く気が無いなら、この話は終了だ」
「ちっ……」
「ほらな。……オマエじゃ、俺に隠し事は出来ねぇよ」
行動パターン読まれ捲くりだな。
「じゃあよぉ。1つ質問して良いか?」
「良いぞ、なんだよ?」
「なんでオマエには、そこまでステラの心境がわかるんだよ?」
「あぁそこな。なぁにね。アイツの心理作用は単純だから、読み易いんだよ」
「どういう事だよ」
「ふぅ~~~、他愛も無い話なんだがな。アイツは、オマエの事を甚く気に入ってる。そんな奴が、単純にモノを諦めるか?諦め切れてねぇからこそ、バスの中で、ぶっ倒れたオマエの看護に付いたんじゃねぇのか?」
あぁ、そうかそうか。
コイツの情報は、素直のおっぱいの件で停まってるんだな。
だから、俺が奈緒さんに『結婚証明書』を渡した事を知らない。
故にステラが、そんな事を考える女だと思い込んでるんだな。
だとしたら、意外にコイツも抜けてるな。
にしてもだな。
漸く、俺にも、コイツの心理を垣間見る事が出来たぞ。
今こそ逆襲の時来たり!!
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
倉津君の物真似は最悪でしたね(笑)
そしてオマケで崇秀に話しをして貰ったのは良いのですが、まだ納得出来ていない様子。
その上、なにやら、また調子に乗った事を考えている様ですが……大丈夫なのでしょうか?
まぁそんな状況を踏まえた上で、次回は、その辺について語って行こうと思います。
ですので、少しでも興味が湧きましたら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ
読み終わったら、ポイントを付けましょう!