●前回のおさらい●
倉津君が、奈緒さん達と揉めてる事を匂わせながら話を進めるモジャ。
そして、そこから『GUILDに対する対抗組織を作ろうぜ』っと、突然言われ……倉津君焦る(笑)
「はっ、はい?なんで、そんな事を?」
「いやな。本当に旦那と、仲居間の間に、なにがあったかは知らないんだがな。旦那は以前から、仲居間に対して強いライバル心を持っているだろ。なのに、それをいつまでも燻らせてたんじゃあ面白くないって以前から思ってたんだよ。だから、ほぼ無条件で、こうやって、アンタに味方してやるって言ってるのさな」
「なっ!!そんな事の為だけに、アイツを裏切るって言うのか?」
「あぁ、裏切るなぁ。第一、此処最近の仲居間は、社会的な蟠りが増えてきたのかして、本当に面白くもないからな。そんな奴と協力関係に有っても、俺の感性が腐っちまうだけだ。なら一層の事、そんな関係は破棄しちまって、1から旦那と、また新しいものを作り上げるのも悪くないと思ってな」
マジかよ?
コイツって、自身の裏切りさえなんとも思わない様な本物の快楽主義者だったんだな。
まぁ、その傾向は以前からなかった訳ではないんだが、此処まで狂った奴は、滅多に居ないぞ。
流石は崇秀の腹心とまで言われてる男。
並大抵の狂い方じゃねぇな。
「ちょっと待てよ。確かにアンタの予想通り、今の俺は、アイツと揉めてはしてるけどよぉ。それ以前に、アンタがGUILDを抜けたら、アイツ、大変なんじゃねぇのか?」
「そんなもん知らねぇさな。俺に抜けられて困るなら、最初から抜けられない様にすれば良いだけの事。それをアイツが怠ったんだから、そりゃあ抜けられてもしょうがないんじゃないのかい?これは社会の常識でもあるしな」
「その言い草。アイツと、なんかあったんか?」
「特別、なにもないさな。ただ、さっきも言ったが、なにもないからこそツマラナイ。アイツの運営方針のせいで、平凡な就職サイトに成り下がったGUILDなんぞには、もぉ興味が持てなくなっちまっただけの話さな」
それだけの為に?
自分の興味が失せたからって、そんな単純な理由で、裏切り、また1からやり直すって言うのか?
それ……どんなドMな発想だよ。
「いやいや、本当に、ちょっと待ってくれよ。だとしてもだな。一体アンタは、そこで、なにをする気なんだよ?」
「此処も特別、なにもしないさな。ただ単に、旦那を中心にした、GUILDに対しての敵対組織を作るだけの話さな。本当に、それ以外に興味なんてないもんでね」
「はぁ?マジかよ?」
「なにを、そんなに驚いてるんだい?変に心配しなくても、運営は簡単な程に上手く行くさな。なんせ旦那の才能は、アイツを凌駕してるからな」
「いやいやいやいや、なにを期待してるのかは知らねぇけど。俺に才能なんてもんは微塵もねぇよ。それに、アイツ程の潤滑な資金も無きゃ、コネもねぇぞ」
なんちゅう、突飛ようしもない事を言い出すんだよ。
そんな無茶な話ねぇぞ。
馬鹿の代名詞である俺を祭り上げて、トンデモナイ馬鹿花火でも打ち上げようってのか?
大体なぁ。
そんな事したってなぁ。
花火が上空に上がる処か、地上でチュボ~~~ンって爆発して、オマエさんが大火傷するだけじゃ済まないぞ。
しかもアンタの頭は、爆発によって更にモジャモジャに成り。
島田の雛鳥が大量に押し掛けて、頭の中に巣作りまでされてしまう未来しか用意されてねぇぞ。
まさに良い事無しだぞ。
……しかしまぁ、この無茶苦茶な発想は、崇秀の馬鹿に匹敵する頭の狂い方だな。
「本当に、そうかい?旦那は、少々自分を過小評価しすぎてるんじゃないかい?」
「どこがだよ?在りのままの事実を述べてるだけじゃんかよ」
「ふむ。どうやら、この様子じゃ旦那は、まずにして自分の才能にすらなにも気付いてないらしいな」
「気付くも、なにも。……んなもん、理解しようにも、最初からねぇんだから、理解のしようがねぇじゃんかよ。馬鹿じゃねぇのか?」
だってよぉ。
俺が出来る事と言えば、ベースで『コピー演奏』ぐらいのもんしか思いつかねぇもんよ。
そんなもんが出来た所で、あの馬鹿に対抗する組織なんて作れる訳ねぇもんな。
計算ミスも良い所だぞ。
「左様で。なら、ハッキリと言うがな。旦那の才能は『人を集める才能』に特化してるんじゃないかい?この辺の心当たりはないかい?」
人集め?
なんか前にも、誰かに同じ事を言われた事があるな。
けどな。
それだけに、そこについての反論解答がキッチリとあるんだけどな。
「いや、それは既に才能とは言わねぇぞ。みんなが優しいだけなんじゃねぇのか?」
答えは、そう言う事なんだよな。
本当に、みんな優しいからのぉ。
馬鹿の代名詞と言われる俺でも、これだけ構ってくれてるんだから、此処は間違いない。
「まぁ、そう言う捉え方でも問題はないさな。ただな、本来、人間って生き物は、利潤が無きゃ、相手に対して優しくは成れない。だが、極稀にな。旦那の様に、利潤を越えた所で、人が接っして来る事も有るんだよ。それこそが、旦那の持ってる最高の才能。これを燻らせたんじゃ意味が無いんじゃないかい?」
「いや、まぁ、確かにな。俺がアホだから、みんな構ってくれてるけどよぉ。それを才能って言うのは、どうなんよ?」
「じゃあ『人柄』って、言い方をした方が良いかい?」
人柄?
なにそれ?
どんな柄なんだ、それ?
関西の叔母ちゃんなんかがよく着ているヒョウ柄の親戚か?
そんな高級な柄は、見た事も、聞いた事もねぇな。
何所で売ってるんだ?
あっ、関西か。
「ねぇな。そんな高級なものは、生まれてこの方、1度足りとも持ち合わせた憶えがねぇ。完全に、母親の腹に忘れて来ちまってる」
若しくは、親父の吐き出した精子に『どこか重大な欠陥があった』かの、どちらかだ。
だからよぉ。
何度言われても、結論的には、みんなが優しいだけなんだってばよ。
「そうかい?じゃあ、なんで旦那の周りには、人が集まるんだい?」
「偶々か?俗に言う、奇跡って奴なんじゃね」
「じゃあ、その偶々の奇跡だ。そう言う偶発的な人との出逢いの運を持ってる。これなら、納得出来るかい?」
運な。
運だけなら、持ってるかも知れないな。
「おぉ、それなら、なんとなく持ってる様な気がするなぁ」
なんと言っても。
実際の話で言えば、俺みたいなボンクラが、これだけ優秀で、出逢う筈のない様な人に多く出逢ってるからな。
適当に、運任せな人生を送ってるだけなのに。
これだけ才能のある多くの人と出逢えたんだから、そこの運だけは確実にあるな。
間違いない。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
モジャさん、何を企んでるのかと思いきや。
GUILDをぶっ潰す勢いの対抗組織を作ろうと企んでるみたいですね。
ですが、これは所詮、倉津君の一方的な見方。
モジャさんほど頭の切れる人間が、この程度の事で留まるとは思えません。
なので恐らく、まだ何かある筈です。
さてさて、そんな中。
この後も、倉津君とモジャさんの密談が続いて行く訳なのですが。
果たしてモジャさんは、倉津君を説得しきれるのか?
若しくはアホの倉津君が、モジャさんの提案を袖にするのか?
次回は、その辺の経緯を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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