●前回のおさらい●
人に対する罪を背負った場合。
どの様な行動を取るのが『責任の取り方』なのかを、深く崇秀に教えられた倉津君。
そして、今現在できる、その最終段階として……
俺はこの後、崇秀に洗面所に連れて行かれ、鏡の前に座らされる。
そして座ると同時に、一旦、洗面所のお湯で頭をササッと洗われ。
ドライヤー後、奴の素早い手捌きで、髪を弄られてドンドンとセットが完成して行く。
この間……約、ものの10分ぐらいで完成に至ったんだが。
流石、世界コンテストで『デザインカット部門』を優勝しただけの事はあって、鏡に映る自分は、今までの自分とは全くの別人だ。
……って言うか寧ろ、素材を最大限に引き出し切った、驚くべき変化を目の当たりにする事に成った。
髪型1つで眞子って、此処まで可愛くなるもんなんだな……っと驚愕するしかなかった。
でも正直、それが自分だと思うと、どこか照れ臭い。
そんで更に、その後、崇秀自身、これらを想定してた部分があったのか。
この馬鹿、最初から、そんな髪型に合う服まで取り揃えて持って来てやがったんだよな。
まったく、此処に来た時点で、どこまで想定してやがったんだろうな?
コイツだけは、まったくもって謎な生き物だよ?
まぁでもだな。
流石に此処まで、やられっ放しってのも癪だからな。
『ガチャ』
「なぁなぁ、崇秀。これと、これじゃあ、どっちの方が似合うかな?」
……って、2・3着の服を持って『下着のまま』こんな事を言いながら、洗面所から飛び出してやったんだよ。
これは、少しぐらいならアイツも驚くだろうと思っての行動だ。
だがアイツときたら……
そんな俺の行動すら読んでいやがったの、その場には、既におらず。
持って来た荷物をサッサと纏めて、いつの間にか家に帰ってやがるんだよな。
それ処か『服ぐらい自分で選べ。そんな事を人にワザワザ聞いてるから、オマエはモブなんだよ』って張り紙が、壁にされてやがるんだよな。
ムカツクが……落胆。
矢張り、クラゲ頭の俺が考える程度の事では、奴を出し抜く事なんて出来なかった。
更に、それ以上に追い打ちをかける事に成ったのが、さっきの出来事が余りにも衝撃過ぎて、自分が『生理』になっている事すら忘れており。
パンツに『経血』が付いている事に、今更ながら気付く。
それを見た瞬間……自分のだらしなさに、更に落胆。
此処に関してだけは、正直言えば、アイツが居なくて良かったよ。
この血だけは、女性として、絶対に誰にも見られたくないもんだったしな。
***
……っで、そんなだらしない自分に落胆しながらも、一応は、自分で選んだ服を着てからコタツに入っていたら、約30分後に奈緒さんがご帰宅。
先程の一件で、少し凹み気味の俺は、少し気分を入れ替える為にも、帰宅した奈緒さんに対して、ちょっとしたドッキリを仕掛けようとして、崇秀が『作り置きの料理』を冷蔵庫に入れてくれていた物を、恰も自分が作った様な顔をして、奈緒さんにそれを薦めてみたんだ。
当然、奈緒さんは、それを口にした瞬間、驚きを隠せないまま大・絶・賛!!
……をしたまでは良かったんだが。
あまりの腕の違いから、直後に、俺が作ってない事がバレる。
そして当然、怒られる。
っと同時に、奈緒さんは神妙な顔をして……
『はぁ。ホント、あの人には、なにやっても勝てないのかなぁ?どうなってんの?』
……と、小さく呟いてた。
ホント、崇秀の料理は麻薬的に美味いっすよね。
***
……さて、そんな感じで。
崇秀が作った料理を、奈緒さんが『満足』と『不愉快』さを踏まえながら食べ終え。
今は2人でコタツに入りながら、奈緒さんに、今日あった『生理以外』の出来事を話し始めた。
***
大分、簡略して話してたのだが、ある程度、全ての話を聞き終えて、奈緒さんは……
「じゃあ、クラが帰って来たら、やっぱり眞子の存在はなくなっちゃうんだね。……それって、嬉しいんだけど、ちょっと寂しいよね」
……と、少し悲しそうな表情を浮かべていた。
この表情を見たら、本当に奈緒さんは、俺と、眞子を愛してくれてるんだなって実感出来た。
そして、それと同時に……本当に奈緒さんと、崇秀は、俺にとっての『助け人』だと心から思えた。
……感謝。
***
―――おまけ。
いや『オマケ』って言っても、本当は、敢えて話す必要の無い様な話なんだがな。
この後、ちょっと奈緒さんについて、面白い事が有ったから報告な。
実はな……俺や眞子の為に、そんな悲しい表情を見せてくれた奈緒さんが、凄く愛おしく思えて、そんな彼女の顔を、何気なくジィ~~って見てたんだよ。
そしたら奈緒さん、なにを思ったのか、突然『ニヤッ』っと笑ったかと思うと、急に、こんな事を言って来たんだよ。
「じゃあ、眞子が居なくなったら寂しくなるんで。今日も、君のオッパイを行っとこっかな」
……って。
また、俺が思っても見なかった様なロクでもない事を、ニヤニヤしながら言い出したんだよ。
でもな……『このままじゃあ、また揉み倒される!!』って、思った、その時。
俺は、ある事を思い出して、それをストレートに奈緒さんに伝えたんだ。
それが、悪戯ばっかりする奈緒さんを、地獄のどん底へ突き落とす切欠になるんだよ。
それがこれだ(↓)
「あの、奈緒さん、ごめんなさい。今日は、生理が来ちゃたから無理なんです。また今度ね。また今度」
……ってな。
すると奈緒さん、物凄く嫌な顔をして、今までにない位、凄く落ち込んで……
「う~~~わっ、信じられない。……自分の彼氏に、そのセリフを言われるとは……」
……っと、絶望とも取れる様な落胆ップリで。
意気消沈したまま、トボトボと布団の中に消えていった。
そして、その日の夜は暮れて行くんだが……
『そんなエッチな事バッカリしようとしたら……ダメですよ、奈緒さん♪』
……勝った!!
(↑これが言いたかっただけの俺)
終わり♪
―――1998年1月1日~1月5日までの情勢―――
●主な出来事。
01月04日 - 東京ドームにて長州力が引退試合を行う。同時にアントニオ猪木が引退を表明。
●音楽関係。
特に無し。
●アニメ
01月05日-『爆走兄弟レッツ&ゴー!!MAX』放映開始
今回も最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
これにて第一章・第二十七話『心身の助け人』はお仕舞に成るのですが……如何でしたでしょうか?
この第二十七話のお話は。
『倉津君の生理問題』に始まり。
『月経症候群の症状』『女性の体に於ける精神の影響』『科学の進歩の具合』
『加害者である可能性のある人間のとるべき態度や覚悟』
……等々、ちょっと盛り込み過ぎた部分はあるのですが。
なにか、その中の1つでも、皆さんの知識に成れば良いかなぁっと思い書かせて頂きましたです(笑)
さてさて、そんな中。
次回からは、第二十八話『心の上書き』っと言うお話を書かせて頂こうと思いますので。
良かったら、気軽な気持ちで遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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