最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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591 帰らずのネットさん、何処でなにをする?

公開日時: 2022年9月20日(火) 00:21
更新日時: 2023年1月14日(土) 15:34
文字数:2,608

●前回のおさらい●


 有名同人作家・片倉さんとの死闘(?)を終え。

後に眞子として、彼のブースのお手伝いをする事に成った。


さて、そうなるとネットさんの帰還を待たなければいけないのだが、未だに……

 ……まぁ、そんな訳でござんしてなぁ。

あっしは、この後、量産型カジのブースで手伝いをする約束をしてしまった訳なんでゲスがね。


それはそれで良いとしてもだな。

あのネットのオッサン……俺が『はい、どうぞ、ごゆっくり』なんて言った言葉を真に受けて、マジで1時間ぐらいランチから帰って来ないでやんの。


何処で、何をしてるのかは知らねぇが、飯食うぐらいに何時間掛かってやがんだよ?


こう言う融通の利かない所が、オッサンのダメな所なんだろうな。


それによぉ、片倉のお陰で、オッサンの同人誌が一気に全部売れちまったもんだからよぉ。

こうやって、此処に座ってオッサンの帰りを待ってるだけなのは良いんだけどな。


それ故に、オッサンが帰って来るまで、なぁ~~んもする事がねぇんだよな。


本来なら、この無駄な時間を使って、買って来た同人誌を見るなんて事も出来るんだが……今だに、その行為が、俺の中での眞子のイメージに合わないしなぁ。


そう思ってしまったら最後、同人誌を見る気力さえ湧いてこない。


……まぁ、それ以前の問題として。

奈緒さん家に、全部、同人誌を郵送で送ってしまったから、その同人誌すら手元にないんだがな。



……ってな訳で、結局、なにもする事がない訳だ。


まぁまぁ、そうは言ってもな。

さっき有名サークルを廻ってる時にやっていた、俺の宣伝が効いたのかして。

ブース前に『売り切れ看板』を出しているにも拘らず、結構な数の大手サークルの連中がゾロゾロと、此処に遊びに来てくれたから。

そいつ等と、ボロが出ない様に話をしていたら、そんなそんな暇だった訳じゃないんだけどな。


しかしまぁ、そこまで人が集まって来てくれるなんて……マジで、眞子の容姿って凄いんだな。


自分の事だけど、ちょっと感心した。



……ほんで、そのまま小一時間以上経って、オッサンが帰って来たんだが。



「あっ、ネットさん、おかえりなさい」

「ご、ご、ご、ごめんね、倉津さん。こんなに遅くなっちゃって。ほ、ほ、本当はコンビニで買い物をして5分ぐらいで帰ってくるつもりだったんだけど。そっ、そっ、その時に他のサークルの人に捕まっちゃって、ぬ、ぬ、抜け出せなかったんだ。ご、ご、ご、ごめんね」


あぁ、そっちか。

オッサンの帰りがやけに遅いと思ってたら、そう言う理由だった訳な。


見ての通り、オッサンは人が好いから。

知り合いに話をされると、途中で抜けたら話の腰を折ると思って、抜け出せないタイプだったな。


じゃあまぁ、こんな程度の事はコミケじゃ良くある現象だから、今回に限っては、お咎め無しって事にしておくか。


此処は眼を瞑ってやるのが、大人の対応ってもんだしな。



「そんなの全然構いませんよ。私、後は、ほぼ帰るだけなんで」

「ご、ご、ご、ご、ごめんね。ほ、ほ、本当にごめんね」

「いえいえ」


俺って、良い子でっしゃろ。


でも、流石に、この長時間『良い子な眞子モード』は、多少の疲労感があるな。



「あ、あ、あ、あ、あの、と、と、と、所で向井さん、ぼ、ぼ、僕の本は、何処行っちゃったの?みっ、みっ、見当たらないんだけど」

「えっ?あっ、あぁはい。ネットさんの本でしたら、さっき全部売れちゃいましたよ」

「へっ?……ぜ、ぜ、ぜ、全部売れたの?ぼっ、ぼっ、僕なんかの同人誌が!!」

「あっ、はい、片倉さんって言う方が、ネットさんの同人誌を気に入って、全部買って行かれましたよ」

「片倉って……あ、あ、あ、あの有名なサークルの人かい?」

「あぁっと、その辺までは、あまり詳しく無いもので、よく解りませんが、恐らくは、その方かと……」

「な、な、なんで、そ、そ、そんな有名な人が……ぼ、ぼ、ぼ、僕なんかの本を……」


それは50%ぐらいは、あっしの魅力のお陰でゲスよ。


まぁ言うて、そうやって客引き効果は、俺のお陰だとは言え。

ちゃんと量カジは、オッサンの作品を評価した上での購入だったんで、ここは50%50%と言う事で。


それでも一応は、オッサン、感謝したまえよ。



「あぁ、多分、私が片倉さんの所に行った時、不用意に『1度見に来て下さいね』って言ちゃったのが不味かったんですかね。片倉さん、ご迷惑だったかな」

「あぁ、あぁ、あ、あ、あの、だ、だ、だ、大丈夫だよ。く、く、く、倉津さんは、め、め、迷惑なんて掛けてないよ。き、き、きっと、め、め、め、め、迷惑かけてるのは、ぼ、ぼ、僕の本の方だから」

「どうしてですか?ネットさんの本は面白いですよ。……私も好きですよ」

「へっ?……く、く、く、く、倉津さん、ひょ、ひょ、ひょ、ひょっとして、よ、よ、よ、読んだの!!ぼっ、ぼっ、僕の同人誌を読んだ事があるの!!」

「あっ、はい。以前、真琴ちゃんに読ませて貰いましたよ。絵が可愛くて、とっても面白かったですよ♪」

「ど、ど、ど、ど、ど、ど、ど、どんな奴を読んだの?(真琴氏、頼むでござるよ。何故、女子に、拙者の本を見せるなどと言う暴挙に出たでござるか!!)」

「あの、4コマ漫画を……」

「よっ、4コマ漫画?ほっ……あぁ、あぁ、それね(真琴氏、そう言う事でござったか。拙者は、エロの方を見せたのかと思って、焦ったでござるよ)」


動揺を隠せてねぇなぁ。

そんなに、自分がエロだと思われるのが嫌なのか?


もしそうだとしたら、ちょっとは垂れ流すリビドーの量を抑えた方が良いぞ。


オッサンのエロ同人誌、絵、云々を除けば……大概だぞ。



「それ以外にも、なにか他のものが有るんですか?」


性欲を抑える為にも、取り敢えず、一回死ね。



「あぁっと……な、な、ないよ。大体、お、お、お、同じ様な感じ」


あっ……オッサン、思いっ切り嘘付きやがったな。


そんな悪い子ちゃんには……おしおきよ!!



「そうですよね。きっと、こう言う、夢のある可愛らしいお話を一杯描かれてるんですよね」

「グッ……」

「でしたら、これからも、ネットさんの読者の方に夢を一杯与えて下さいね♪」

「あぅ……そっ、そっ、そうでですね。頑張らせて頂きます」


こんな風に、濁りの無い純真な目を向けて、目一杯応援してあげよう。


だからオッサンは……カント寺院に行って、見事に灰になれ!!



それと序に……



「あぁ、そうだネットさん」

「な、な、なに?」

「私、これから片倉さんのお手伝いをしに行くんですが、良かったら、ネットさんも、ご一緒しませんか?」


この困ったエロイオッサンを、片倉の所に連れて行くのも面白いと思ってな。


灰に成った序に、誘ってみた訳だ。


そこで灰に成った上で燃え尽きろ!!


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


ネットさん、なにをしてたのかと思えば。

どうやらコミケ会場で、数少ない友人に出会ってしまい、彼等に捕まってたみたいですね(笑)


まぁ、今の時代ならスマホで連絡を取れば済んだ話なのですが。

この時代ではスマホはおろか、携帯電話ですら、そこまで普及していなかったので、これは仕方がない事だと思います。


……っとは言え、限度は必要ですがね(笑)


さてさて、そんなネットさんを連れて、片倉さんのブースに行こうとする倉津君なのですが。

一体、それに、なんの意味があるのでしょうか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

少しでも、この倉津君の行動が気になりましたら、是非、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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