最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1517 街興し

公開日時: 2025年3月31日(月) 00:21
文字数:2,151

●前回のおさらい●


 崇秀の実家の地下にあるスタジオで、今後の話をする2人。

だが、その会話の中で、倉津君と提携している筈の細川君が、何故か崇秀に10tトラックを5台ほど調達して欲しいと依頼を出していたらしく……

「はっ、はい???」

「あぁ、これだけじゃあ解り難いか。まぁ、多分なんだがな。金の無いバンドマン達の知名度を一気に上げる為の細工じゃねぇか」

「いや、ちょっと待ってくれ!!それ、どういうこったよ?」

「あぁっとな。まぁオマエも、結構HELPに行ってたから、この辺は知ってるとは思うんだが。ライブハウスの使用料って、結構どこも高いんだよな」

「まぁ、そうだな。一回で十万単位の金が軽くフッ飛んで行くから、結構な出費ではあるよな。それにチケットも売らなきゃ行けねぇのも大変みたいだしな」

「だろ。だからだな。そのトラックを使って街中に擬似ライブハウスを作り。道路使用許可を取り。無料で、その場所を提供する事で、そこの負担をまず減らす腹積もりなんじゃないか。此処までは解ったか?」


アホかアイツ?

マジでアホなのか、アイツは?


後先考えずに、なんちゅう無謀な事を考えとんじゃ?



「いやいやいやいや。トラックの使用用途までは良いが。そこまで大掛かりなものになったら、道路使用許可なんぞ、そう簡単には降りないぞ」

「あぁ、そんなものなら、心配しなくても簡単に降りるぞ」

「なんでだよ?」

「アホか。オマエのサイトの名目は『俺に対する敵対組織の製作』なんだろうが。世間から見りゃ、どこまで行っても『GUILDの下請け』でしかねぇ訳だろ。そんで、そのGUILDがメイングラウンドにしている、この街を見て、俺と手を組みたい政治家なんぞ、世の中には5万と居るだろうに。そこを上手く利用すれば、簡単に道路使用許可ぐらいは降りるわな。寧ろ、降りないって考える方がおかしいだろ」

「あっ……」

「それにだ。毎日がお祭り騒ぎになれば、繁華街も賑わうし。それに併設されてる店自体も潤う。町興しだと思えば、署名なんぞ5~6万は、直ぐに集まるだろうに」


がぁ……コイツだけは。

崇秀のアホンダラァと言い、モジャと言い、どこまでの用意周到な奴等だな。


でも、確かに、言ってる事自体は間違ってはいないな。

反対勢力が出て来る可能性が有るとは言え。

そのGUILDって知名度を利用する事で、容易く、道路使用許可が降りる可能性は高い。


このアホと組むのは、今の政治家としては、大きな好感度アップに繋がる訳だしな。


それに署名に関しても。

3万集めて初めて効果が表れ始め。

5万以上集めて、本当の効果を得れると言われてるが。

GUILDがバックに居るだけで、5万や、6万の署名なら、直ぐにでも集めれる。

そこに+α、不景気に煽られて困ってる繁華街の人達に、この企画を持っていけば、これ程、ノーリスクでメリットの大きい話はない。


なんせ、設置場所が繁華街なだけに、元々から雑踏だらけだから、ライブの音なんて、今更、気にする店なんてないだろうし、コイツの言う通り『町興し』に成るからな。


そう考えると悪くない発想だな。



「なるほどなぁ。けどよぉ、無料で場所を貸すなら、ウチの利益は何所から出るんだ?」

「あのなぁ、倉津」

「なんだよ?」

「一応、俺は、そっち側サイトの人間じゃないんだが……なんか、そこを忘れてねぇか?」

「あぁ、そうだな。そうだったな」


いかんね。

コイツと話してると、つい、コチラ側の味方だと思っちまうだよな。


ダメだダメだ。



「まぁ、でも、解らない也に想像は付くな。……言おうか?」

「あぁっと……微妙」

「だよな。じゃあ、此処は俺の独り言って事で」


結局、こうやって敵側の首領に世話に成ってるし。


あぁでも、あれだよな。

言い訳する訳じゃないけどよぉ。

ちょっと位なら、これに対する崇秀の見解って奴を知って置いきたい所ではあるんだよな。


今後の傾向と対策の為にも。



「・・・・・・」

「まぁ、なんつぅか、あれだな。俺なら、ライブハウスを無料で貸すんだったら、収益の着眼点を『グッズ販売』に目を向けるだろうな。バンドの収益は、ほぼそこに集約されてるからな」

「あっ……」

「そんでまぁ、着眼点が『グッズ販売』だと解ればだ。ライブハウスの使用料の替わりに『グッズ製作』及び『グッズの卸し』を一手に引き受けて、そこで利益を上げれば良いんじゃねぇかな。勿論『フランチャイズ店』みたいに、これを『サイト登録の必須条件』にしてな」


……ふぅ。

いやはや、今まで色んな所でHELPとしてライブには参加させて貰ってたけど。

こう言ったライブに至るまでの苦労した事を、あまり経験した事が無いのは、本当に問題だな。


ライブさせて貰っててもよぉ。

その大半が『崇秀の手によって作られたもの』か『HELPに入れて貰ってるだけ』だから、俺は、そう言った苦労を知らずに、此処まで来ちまってるからな。


此処ら辺を、もぉちょっとキッチリ認識を改めなきゃいけねぇな。


しかしまぁ……



「はぁ~~~~~~」

「なんだよ?どっ、どうしたんだよ?そんな溜息なんかついて」

「いやな。オマエって、ホントに金勘定が上手いんだなって、不覚にも感心しちまったんだよ。それと俺が、みんなに甘え捲くってたんだなぁって痛感させられた」

「アホクサ。だとしたら、それはオマエが持って生まれた運だ」

「また運かよ。……なんか運だけみたいな言われ様だな」


最近、そんな事ばっかり言われてたしな。

流石に、ちょっと凹むな。


俺は、通りすがりのラッキーマンか?


ラッキー・クッキー・歯グッキー!!


いっ……嫌過ぎる。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


モジャさんは経済効果も加味した上で、この計画を数週に持ち込んでたみたいですね♪


ですが、此処で1つ疑問に思うかもしれないのですが。

10tトラックをライブハウスとして使った場合。

本当のライブハウスの使用量が減ってしまい、倒産してしまうのではないか?って。


勿論、そこも上手く考えられておりますよ。

本家のライブハウスとは、とある契約が交わされており。

ライブのない日の補填や保証。

それに有名になったバンドのライブ会場としての使用が契約内容に含まれているので、早々に倒産する事はありません。


早い話、人が集まる人気バンドの『儲かるライブ』は、ライブハウスで行い。

ライブのない日は保証補填で補いつつも、バーとして営業していれば、倒産に陥る様な事はない、って話ですね。


実際、全然人気のないバンドがライブハウスでライブなんかやっても、ほぼライブハウスの収益にはなりませんしね(笑)


さてさて、そんな事情も踏まえた上で。

話には、まだ続きがある様ですので。

次回はその辺を書いていきたいと思います。


なので良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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