最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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257 不良さん、唇に触れるもの

公開日時: 2021年10月21日(木) 00:21
更新日時: 2023年9月7日(木) 11:35
文字数:2,029

●前回のおさらい●


 ステラさんに膝枕をして貰ってる倉津君。

そんな中、ステラさんにからかわれてる事に気付いた倉津君が反論を開始する。


その反論は上手く行くのか?

「ちょ、オマエ。崇秀の事を解ってて、わざと俺の事からかってやがったのか?」

「そうですね。あまりにも熱弁をするものですから、少しだけ、からかってました」

「オマエねぇ」


ハァ~~~、もぉ、おかしいと思ったんだよな。

ステラほど、人間をよく観察する人間が、こんな上辺だけを見たスカスカの意見を言うなんて、最初から変だとは思ったんだよな。


ったく、やられたよ。


オマエの言う通り、熱く語った俺……滅茶苦茶、格好悪いじゃねぇかよ!!



「ですが私は、アナタのそういう熱い所も好きですよ」

「オマエなぁ。……まだからかい足りねぇのかよ?」

「いいえ、もぅからかってませんよ。……これは本気ですよ」

「オマエだけは……」


俺は、ステラとの会話で、少し頭がハッキリしてきたので、上体を起き上がらせて反論を試みようとした。


すると、ステラの顔が近付いてきて……


『チュ』


へっ?



「ほら。言った通り、本気だったでしょ」

「ちょ、ちょ、ちょ、ちょ、オマ、オマ……」


いっ、今、何をしたオマエ!!


えっ?えっ?


相変わらず俺は、不意に起きた出来事には一切対応出来無い。

いつまで経っても、女の子のこう言う突発的な行動には慣れないもんだな。



「真琴……女子とのキスは、私で何人目ですか?」

「へっ?あっ、あの、いや、2人目?」

「意外と少ないんですね。私は、テッキリ皆さんとも、もぅしているものだと思ってましたよ」

「あっ、あのなぁ、人を無節操なキス魔みたいに言ってんじゃねぇよ!!俺は、奈緒さんとしかキスはした事ねぇつぅの!!……つぅか、なんちゅう事するんだ、オマエわ!!」

「いけませんか?それに嫌でしたか?」


……コイツだけは、答え難い事を聞くよなぁ。


いや、そりゃよぉ、ステラがブスなら、俺だって嫌だし。

寧ろ、全然、嬉しくない訳だが……オマエの場合は、残念な事に、そう断言出来無い要素しか持って居ない。


顔は良いし……

知ってみれば、性格も、そんなに悪くない……


そんな奴にキスされて『嫌だ』なんて思う奴なんているか?


常識で考えても居ねぇだろ。


それを敢えて、コイツは聞いて来てるんだぞ。

なにを言わせたいんだコイツは!!



「あのなぁ、ステラ。俺には……」

「「奈緒さんって彼女」」

「……がですか?その言葉は、もぅ聞き飽きましたよ」

「オマエなぁ。んな事を言っても、それが事実だろ」

「そうですね。では、先程のキスは挨拶だったと言う事にして下さい」

「挨拶だと?」

「そうですよ。私の国では、キスは挨拶みたいなものです。日常的の行われる行為で、特別な意味は有りません。……大体にして、そんな事を有難がるのは、アジア圏の人間ぐらいのものですよ」


……挨拶なぁ。


まぁ確かに、欧米諸国では、そう言った風習が有ると言えばあるんだけどよぉ。

挨拶のキスの場合、普通、相手の頬とかに軽くするもんじゃねぇの?


唇を重ねるのって、相当、親密な仲の様な気がするんだが……


まぁ……本人がそう言うなら、それはそれで良いけどよぉ。



「じゃあ、それで良いんじゃねぇの」

「挨拶として認めるって事ですね?」

「まぁ、オマエが、それで良いって言うなら。俺は、別になにも言う事はねぇよ」

「そうですか。では、私は、ポンコツに、いつ挨拶しても良いって権利を得たと言う事ですね?」

「へっ?ちょっと待て待て、オマエ、まさか……」

「はい。誰の前でも『挨拶』をする気ですが、いけませんか?」


―――いけませんか?だと。


はい、流石に、いけません。



「オイオイオイ、そりゃあ、流石に頂けないだろ。奈緒さんの前で、下手にそんな事したら疑われちまう」

「良いんですよ。それが狙いですから」

「ちょ、オマエ、なに言ってんだよ?」

「私、アナタに、ちゃんと本気だと言いましたよ。それに以前、奈緒は『取れるものなら取ってみろ』って、私に、そうハッキリ公言してるじゃないですか。ですから真正面から奪い去るつもりですが、いけませんか?」


えぇ~~~~~~!!マジっすか?



「いやいやいや待ってくれ。それはイカン。つぅか、俺が困る」

「何故ですか?」

「いや、あのな、ステラ。オマエは、こう言う事には自覚が有るから説明がし易いんだがな。オマエの顔は、異性なら、誰もが振り返る様な綺麗な顔だ。それに頭も良い。付け加えて意外と優しい。そんなオマエがさぁ、俺を誘惑してみろよ。単純に考えても、俺はどうなるよ?頑張っても、耐え切れるもんじゃねぇぞ。……だから、俺の事は、お互いの為にスッパリ諦めてくれ」

「嫌ですが」

「何故に?」

「では、逆にお聞きしますが、アナタは、奈緒を諦められますか?真琴の言ってる事は、それと同じですよ」


あぁ……確かに、言われて見りゃそうだよな。

けどよぉ、これを認める訳にもいかねぇのも事実だよな。

こんな事を日常的にやられてみろ……そんなもん、絶対にステラの事を意識するに違いねぇよ。


だから、これは非常にマズイ。


しかしまぁ、こうなってしまっては……しゃあねぇなぁ。

なら、あの奈緒さんとの話をして、ステラにはスッパリと諦めて貰うか。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


完全にステラさんにまで玩具にされてますね。

いや寧ろ、最初からずっと玩具にされている様な気しかしないのですが……(笑)


さてさて、そんな中。

ステラさんの気持ちを抑える方法を、なにやら思い付いた倉津君。


それが上手く行くのか……行かないのか?は本人次第。


次回は、その辺りを書いていきたいと思います。


ですので、少しでも、そのお話に興味を持って頂けたなら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ

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