●前回のおさらい●
ジェニーさんに連絡を取って貰い。
なんとか、ホランドさんに逢う約束を取り付けて貰った眞子。
当然、意気揚々とホランドさんに逢いに行くが……彼は『逢うと言う約束を果たしたら』そのまま自宅の中に戻ろうとする様な、聞きしに勝る偏屈者だった!!
「ちょ、ちょっと待って下さい、ホランドさん!!今日は、私の話を聞いて頂けるんじゃないんですか?」
「いいえ。私は、そんな約束はした憶えはありませんね。ジェニー君からは『鞍馬に1度逢ってやって欲しい』っと頼まれただけですので『今、1度お逢いしました』ので、早急にお帰り下さい」
なっ……なにこの人?ホントなにこの人?
理屈は合ってるのかも知れないけど、全くもって融通が利かない。
普通、他人との約束で『1度逢う』って言ったら、普通は、その人の話ぐらい聞かないかなぁ?
これって……私の方が間違ってるの?
「あっ、あの、お話を……」
「お断りします。……では、ごきげんよう、倉津眞子さん」
『パタン』
……嘘。
それ以外はなにも言わず。
私には全く興味を示さないまま、本当に家の中に……入っちゃったよ。
これって……どういう神経?
・・・・・・
……良いもん!!
どうせ、こんな事だろうと思ってたから。
ちゃんとホテルから出る際に『此処で長時間待つ準備』はしてきたもんね。
それに今日と、明日はライブが無いOFFの日だから、待つ時間ならタップリ有るもんね。
だから此処で、ホランドさんが、なにかの用事で出て来るまでズッと待ち構えてやる!!
それにもぉ、さっき話したから知り合いだもんね。
ホランドさんが外に出て来た所を、知り合いの私が話し掛けても、なにもおかしくないしね。
こうなったら持久戦だ!!
もぉヤケクソだね。
***
うわぁ~~~……、早くも5時間経過してる。
ホランドさんの家の前で待つ事5時間。
奈緒さんに借りて来た腕時計の針を見て、少し驚いた。
でも、それよりも驚いたのが……此処までに、ホランドさんの家の扉が開く気配が一度もなかった事。
1度閉ざされてからと言う物、扉はピクリとも動く気配が無い。
それどころか、家全体が少し変で、19時を廻って外は夜になって来たと言うのに、家の電気が点く気配すらない。
一体なにしてるんだろう……あの人?
それに此処で私が待ってるのも解ってる筈だから、ちょっとぐらい顔を出してくれても良いのになぁ。
用意して来た勉強も全部終わっちゃったし、日が落ちて空が暗くなって来たから……本も読めない。
……退屈だ。
……あぁでも、あれだよね。
あぁ言う偏屈な人って、普通の人とは少し感性がズレてるから、この程度で諦めたら負け。
『根気強く待つ』しかないんだよね。
よっし!!再度気合を入れ直して……頑張るぞ!!
……って言うかね。
此処まで私がホランドさんに拘ってるのには理由があってね。
―――実は『崇秀』の話なのよ。
これは、ただ単なる私の思い込みかも知れないんだけどね。
『崇秀って……才能溢れる人を埋もれさせるのを嫌うでしょ』
だから『ホランドさんの件も然りかなぁ』って思ってさぁ。
もっとも~~っとホランドさんには、色々なライブに参加してくれる事を望んでる気がするのよね。
まぁ……お節介の域なのは重々承知してるし、相手方にとっても傍迷惑な話だと思ってる事は、ちゃんと解ってるんだけどね。
ヤッパリ、才能がある人が埋もれるのは良い気分じゃない。
才能は表に出してこそ意義がある。
崇秀同様、私も最近はそう思う様になって来たから、此処は長時間の根競べをしてでも、明後日のライブに参加させたい訳なのよ。
そして……出来る事なら一緒にライブで演奏してみたい。
まぁ、要するにだね。
自分勝手な思い込みをしながら、意地を張ってる訳なんですよ。
でも……その方が楽しそうじゃない?
実は、それだけの事……
***
あぁ~~あっ……更に5時間経過したちゃったよ。
此処に来たのはPM14:00だったんだけど。
早くも24時を廻り、日付変更線をアッサリ超えちゃったよ。
そんで相も変らず、ホランドさんが外に出て来る気配0って……アンタ。
まぁね、こんなものは私の自己判断で勝手にやってる事だから、口が裂けても『出て来てくれ』とは言いませんが、なんかちょっと位、家自体にアクションがあっても良いんじゃないかなぁ?
電気が……相変わらず点いてないままなんですけど、どうなってるの?
……良いもん。
……こうなったら、意地でも出て来るまで待つもん。
『ポツポツ』
・・・・・・
あっ、嘘……小雨まで降って来た……
天候にまで見放されるなんて……ホント、ついてないなぁ。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
これは酷いですね(笑)
会う約束を取り付けて、なんとかホランドさんに逢えたまでは良かったが、その後は10時間も無視。
その上、雨まで降って来ると言う、超最悪な状態に陥ってしまいました。
まぁ普通なら、此処で諦めて帰るのが正しいのですが、眞子も変わり者。
この程度の事では、矢張り諦めずに、まだ『ホランドさんにも人の心がある筈だと思い』一縷の希望に賭けてる様子ですね。
さてさて、そんな訳で次回は。
この酷い攻防戦の続きを書いていきたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾
眞子の運命や如何に!!
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