●前回のおさらい●
崇秀の手伝いが終了した頃、眞子の元の掛かって来た奈緒さんからの東京ドームでのリハへのお誘い。
そして崇秀との話し合いの結果、奈緒さんの誘いを受ける事にした眞子なのだが。
出て行く前に、崇秀に挨拶をしようとしたら、その姿がなく……悲しみに明け暮れる眞子であった。
なんて思いながら、トホホな状態のままで表に出たら……眩しいばかりのバイクのヘッドライトが、私を照らす。
あっ、これって、まさか……
「オイ、眞子。ドームまで送ってやるからよ。早く、後ろ乗れ」
マスターだぁ♪
あぁ……じゃなくて、崇秀さん!!
店に居ないと思ったら、こんな所で待っててくれたんですね。
……もぉ♪
……けどなぁ。
今日1日で、あれだけの大人数の髪をカットした後なんだから、今現在、相当、疲れてるだろうしなぁ。
嬉しい反面、そんな疲れてる人にドームまで送って貰っても良いものなのかなぁ?
これは悩みどころだなぁ。
「あぁ、いいよ、いいよ。崇秀さん、疲れてるんだしさぁ。ドームまで位だったら、私1人でも電車で行けるから、大丈夫だよ」
「アホタレ。女の夜道は危ねぇから送ってやるって言ってんだよ。ゴチャゴチャ言ってねぇで、サッサと乗れ」
「あぁ、でもさぁ」
「あぁもぉ、イチイチ面倒臭ぇ女だな、オマエわ。乗れ。良いから乗れ。俺を無駄に心配させんな」
あぁ……はい。
そこまで言って貰えるなら、じゃあ大人しく乗ります。
いや寧ろ、乗させて下さい。
そのトリコロールの馬に私を乗せて、どこへ也とも連れ去って下さいませ、マスター。
だって……こんなに疲れてても、こうやって私の身を案じてくれてるんだよ。
そんな優しい崇秀さんを、私なんかの為に心配なんかさせちゃあイケナイもんね。
だから乗せて下さい。
……でも、余韻中。
「ほわ~~~」
「オイ、カラパカ。なにをそんな所で呆けてやがるんだ、オマエわ?」
「えっ?……あぁ、うぅん♪なんでもない。なんでもないもん♪」
「なんだかなぁ。オマエだけは、なにを浮かれてやがんだよ?」
「えへへ……ごめん」
そんな親切な崇秀さんには……不意打ちで『チュ』の刑ですよ。
そんで、もう一回『チュ』です。
「なんだよ?どうしたんだよ急に?」
「あぁ、いや、もぉなんかね。崇秀さんの優しさに我慢出来なくなっちゃったんだよね。……もぉ大好き」
「そっか。そう言う訳な。……んじゃあまぁ。お礼を先渡しして貰っちまったんだから、さっさと東京ドームまで行くか」
「うん♪……いつも気遣ってくれて、ありがとう」
さり気ない優しさが、格好良いですね。
なにをしても絵に成りますね。
崇秀さんは……いつも私の我儘を聞いてくれたり、心配してくれたりしてくれる、私だけの本当の神様ですね。
えへへ……
もぉ……そんな優しい神様には、もう一回『チュ』ですよ。
「アホ。いつまでも馬鹿やってないで、早ぉ乗れ」
「あっ、は~~い♪」
私は、いつもの様にNSRの後部に座りタンデム。
……っで、今度は、後ろから『ぎゅ』ですよ。
わざとオッパイ、強く押し当てて『ぎゅ』ですよ。
そんでこの後は、メットを被って、神様とバイクでランデブー!!
幸せすぎるぅ~~~~♪
***
いや……神は死んだ。
そして、そこには、神から地獄に身を落とした堕天使が1人居るだけだ。
これが噂の『魔王の創世記』と言うものなのでしょうか?
……ってかね!!今回ばかりは、本当に死ぬかと思ったよ!!
アンタねぇ、公道で、なんちゅう無茶な運転をするのかね!!
減速スピードを極限まで切り詰めて、ほぼ、そのままのスピードで、コーナーに思いっ切り侵入するのヤメテよね。
毎回毎回、地面スレスレだし!!
それと渋滞してる所を、車を縫いながら、結構なスピードで走るのもヤメテよね。
何回、車のバックミラーが当たりそうに成った事か!!
後ねぇ。
フルフェイスだからって言っても、直線で、息苦しくなる様なスピードを出すのもヤメテよね。
いい加減、酸素欠乏症で死んじゃうわ!!
……あのねぇ、それと最後に崇秀さん。
最近の私は、何故か凄いビビリに成っちゃったんだから、その凶暴な運転は、本当に怖くてしょうがないんだよ。
だから、ちょっとは手加減して走ってよね。
あぁ、それと……またアンタ、単車弄ったでしょ。
まぁ確かにね。
今回は、いつもみたいに楽器を背中に背負ってなかったから、多少の加速力が上がったのも理屈上では解らなくも無いけどね。
明らかに、前乗った時よりも馬力と、加速力が数段上がってたよ。
一体、なんなのよ、この単車わ!!
廃車にしたろか!!
……なんて、ズラズラと文句を言っておりますが。
結局は、奈緒ネェとの約束が有るから、急いでくれたんだよね。
眞子も、そこはちゃんと解ってるんだよ♪
そんな無意味に、意地悪する様な人じゃないもんね。
ナンダカンダ言っても……優しいもんね。
……っと言う様な、極論的な結論に至ったので。
上星川の実家に到着した瞬間、素早くバイクから降り。
その勢いで家の中まで入って行き。
ハードケースの中に大切に保管している私の2つの大切な相棒『79 Sting-rayちゃん』『スタファちゃん』を、これまた素早く、ソフトケースに入れ替え。
時間の経過を知るのが怖いので、一切、家にある時計を見ずに、外に戻ろうとした。
……んだけど。
飯綱ちゃん、今日は、家に帰ってないみたいだね。
この様子じゃあ、また真上さんの所に、お泊りしてるのかなぁ?
ちょっと真琴ちゃんに伝言を頼もうかと思ったんだけど……まぁ、居ないなら居ないで、しょうがないかぁ。
そんな風に思いながら、外で待ってくれてる崇秀さんの元に戻って行く。
……っで、また、地獄の公道暴走がスタートする。
だから、もぉヤメテって!!
マジで怖いって!!
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
なんだかんだ言いながらでも、いつも通り、崇秀に言いくるめられて東京ドームまで送って貰う眞子。
まぁ眞子自身、申し訳なさがありながらも、嬉しさを優先してしまう様な単純な子なので、これはもぉしょうがないですね。
嬉しさのあまり『自然』と人目がある道端であっても2回もキスする位の崇秀大好きっ子ですし(笑)
ですが、だからと言って、崇秀の危険運転が無くなる訳ではなく。
矢張り、地獄を見たようですが……
さてさて、そんな感じで地元から、ベースを取りに上星川を経由して、東京ドームに向かって行った訳なのですが。
到着後、眞子は、またそんな崇秀の運転にブゥブゥ文句を言うのでしょうか?
次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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