●前回のおさらい●
眞子の拷問ブーストを使い、全員のレベルアップを敢行する崇秀だったが。
何故彼は、こんな全員に負担が掛かる無謀なライブを、この場でしようと思ったのか?
その真相とは?
「オラオラ、どうしたどうした?もっと踊れよ、もっと唄えよ、そして狂った様に音楽を奏でろよ。ドイツもコイツも、少しばっかり唄や演奏が上手くなったからって、いつまでもそうやって調子にのってんじゃねぇよ。テメェ等なんぞ、まだまだカスの域だ。もっと必死になれ。自分の全てを出し切って観客を喜ばせて見せろ。……それが出来ねぇなら、その場で楽器を抱えて死ね」
「「「「「「(うわあぁ……助け……)」」」」」」」
崇秀の強制してくる音楽に、誰も逆らう事が出来ず、全員が地獄の落とされた様な体験をする羽目に成っていた。
だけど、そんな私達の苦痛に感じる気持ちに反して。
この場に来場してくれてる観客の皆さんは、その私達の奏でる音楽を聴いてドンドンと盛り上がっていく。
それはまるで狂った様に声を張り上げるが如く目一杯の声援を飛ばし、崇秀の音に呼応するが如く体を動かし捲くっている。
この場には、恐ろしい様な熱気が渦巻いていた。
「フン、どうやらこれじゃあ、まだ足りねぇみてぇだな。なら……」
「(あぁ……)」
「「「「「「(ぐわあぁぁ……)」」」」」」
♪♪♪♪♪---♪♪♪♪--♪♪♪♪---♪♪♪♪-----♪♪♪--♪♪♪---♪♪♪--♪♪……
♪♪♪♪♪---♪♪♪♪--♪♪♪♪---♪♪♪♪-----♪♪♪--♪♪♪---♪♪♪--♪♪……
この期に及んで崇秀は、更にステラさんのブーストを自らに掛けさせて、私達への強制力を高めてくる。
このままじゃあ、全員頭がおかしくなっちゃって廃人になっちゃうよ……
ヤメテ……
そんなの嫌だよ……
「ハァ……そろそろ頃合の筈なんだがなぁ……来い!!誰か来いよ!!この音ぐらい打ち破って見せろよ」
「「「「「「(あぁ……)」」」」」」」
「チッ……この様子だとダメか。思ってた以上に、全員期待外れだったか」
「がぁあぁぁ~~~~!!」
♪♪♪♪♪---♪♪♪♪--♪♪♪♪---♪♪♪♪-----♪♪♪--♪♪♪---♪♪♪--♪♪……
真琴ちゃん……
あぁ……真琴ちゃんが意識を飛ばして、あの崇秀が強制して来る音を見事にキャンセルした!!
凄い!!
「ははっ、良いね良いね。ヤッパ、来るのはオマエだったか。……そりゃあ、こんな真似が出来るのはオマエしか居ねぇわな。なら、俺の出番も此処までのようだな。後は、オマエの本能の赴くままにベースを弾きな」
「あああぁぁぁ~~~~!!」
その瞬間、崇秀が強制し続けた音が止み。
今度は崇秀に変わって、真琴ちゃんの音がこの空間を支配して行く。
そっ……そうか!!
これは以前、奈緒ネェが言っていた(序章32話参照)真琴ちゃんが持つ、無意識下での『空間支配能力』
真琴ちゃんが暴走しながらでも、この場にある全ての音を支配し。
自分の思うがままに演奏を構成出来る状況を、崇秀は作り出したかったんだ。
真琴ちゃんを究極に追い込んだ状態にして、この技能を発動させ、真琴ちゃんの潜在能力を引き出したかったんだ。
なんて事を考えるんだろう。
……でもね。
こう言っちゃなんだけど、真琴ちゃんの音による支配は、比較的、強制されていても楽しく音楽を奏でさせてくれいる。
何故なら、真琴ちゃんの演奏は、暴走していても、どこか、なにか他人に気を遣っているのが明確に解る様な演奏の仕方だからだ。
多分、これは、真琴ちゃんの根底になる『人に嫌われたくない』っと言う意思の表れでもあるんだろうね。
現状を見た感じでは、みんなそれを感じてくれているのかして、凄く良い感じに仕上がってると思う。
でも……そう思う反面。
自由に振舞える様に成った私には、もぉこの真琴ちゃんの気持ちはよく解らない感覚でいた。
勿論、常に人に嫌われない様には心掛けてはいるのは、私も真琴ちゃんも同じなんだけど。
私のこの『人に嫌われたくない』って気持ちの大半は崇秀や奈緒ネェに向いてるものであって、他の人に関しては『嫌われたら嫌われたでしょうがないかぁ』って思ってる節も大きいからね。
それだけでも、真琴ちゃんと私じゃ大きな違いがある。
なのでこれはもぉ既に、真琴ちゃんだけが持つ能力だと言っても過言じゃないのかもしれない。
なんか、そう思える自分が少し悲しい。
***
……っで、この後も。
そんな真琴ちゃんから奏でられる、ちょっと大変だけど、楽しいベースの音に引っ張られて12曲の演奏を終わらせる事が出来た。
そして観客の皆さんも凄く満足気に拍手を贈ってくれたり、目一杯の声援をステージに向って投げ掛けてくれていた。
……そして、そんな鳴り止まぬ歓声と拍手の中。
観客の皆さんの声に応える為、アンコールを2曲ほどして、みんなで手を振りながらステージを後にして行く。
実に良いライブだった……
……でもね。
私は、此処で決して忘れないで欲しい。
この最高な状況を作ったのが真琴ちゃんの音によるものだけではなく、崇秀が介入してくれたお陰でもある事を……
崇秀が、真琴ちゃんの能力を最大限に引き出そうと考えなければ。
きっと、知名度に縋っただけの、思いっ切り普通のライブにしかならなかった可能性が高いからね。
なので、崇秀の貢献があった事は忘れないでほしい。
ホントみんなの為に色々考えてライブをする魔王様は凄いんだからね♪
みんな、ちゃんと解ったかね?(笑)
***
―――次回予告。
うぅ……なにこれ?
なんなのこれ?なんで、そうなるの?
なに考えてるの?
みんな、頭がおかしくなっちゃったの?
その結論に至るまでに、ちょっとはモノを考えてから発言したらどうなの?
こんなんじゃ、誰もなにも解ってないじゃない。
次回……
『Destory & Create』
「破壊と創造」
……っを、お送りします。
こんな意見が出るなんて、信じられないよ。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
これにて第一章・第五十五話【Devil`s-King time(魔王の時間)】はお仕舞なのですが、如何でしたでしょうか?
宣言通り、見事にこの一回のライブで倉津君を覚醒に導いた崇秀の手腕は見事だったと思うのですが、皆さんにはどう感じて頂けたでしょうかね?(笑)
まぁまぁ、この『倉津君の意識飛ばし』と言うのは。
本来なら、崇秀が納得している部分ではない部分……っと言うより『否定している部分』なので、あまりこの状況を作りたくはなかったのですが。
この空間を支配できると言う能力を、これ以降、意識的に発動させる為にも、一度、これがどう言うものかを思い出させなきゃいけなかったので、今回は、この手法を取った様です。
まぁ、周りの人間にしたら、これ以上迷惑な話はないのですが。
それでも、その代償として『演奏のレベルは上がってます』し、なにより『上には上がいる事を確認出来た』ので、何も悪い事ばかりではないと思いますです。
ぶっちゃけ、なんのリスクもなしで手に入る技能なんて物は、この世には存在しませんからね(笑)
さてさて、そんな中。
次回からは第一章・第五十六話【Destory & Create(破壊と創造)】をお送りしたいと思いますです。
果たして、眞子が次回予告で語った言葉の真相とは如何なるものなのか?
そんな感じなので、また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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