最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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426 穢れなき心

公開日時: 2022年4月8日(金) 00:21
更新日時: 2022年12月30日(金) 13:42
文字数:2,119

●前回のおさらい●


 教室が豪い事に成ってるのを察知した倉津君は、サボってフリマに参加している真上さんの元に。


そして、彼女を手伝おうとした矢先。

【本日分の商品は、もぉ既に完売した】っと言われるが、400枚もの商品を、一体1人で、どうやって捌いたのか?

「あっ、あの、えぇっとですね。全部の商品を1つ1つ包装して、手渡しで売った訳じゃないんですよ」

「どっ、どっ、どっ、どういう事ッスか?」

「いえ、実はですね。こちらの地域で営業されてるお店の方にですね。お渡ししなければいけない商品が数点ありましたので。コチラで200枚ほどは、その方に、お渡しさせて頂いただけなんですよ。語弊があって、すみません」


あぁ~~~なるほどなぁ。


そう言う事か……


……って!!

400枚から200枚引いたとしても、この短時間で200枚も売ってるって事じゃないッスか!!


それでも、その数は尋常じゃないですよ!!



「いやいやいやいや、それでも200枚ッスよ。1人で、一体どうやって売ったんッスか?」

「あぁっと、それはですね。店先に、何枚かサンプルを置かせて頂いてですね。先にサイズ別に袋に詰めて『お楽しみ袋』みたいにして売らせて頂いたんですよ。『御一人様、一袋と言う条件の元』で」

「なるほど……」

「後、その際に、メイド喫茶の広告も同梱させて頂きました」


そっ、そうか!!その手があったか!!


この真上さんが言った方法なら。

①店頭ディスプレイをする時間も最小限の抑えられるし。

②接客時間も商品と金を引き返るだけで済む。

③そして、ウチに出し物の宣伝。


これなら商品が見えなくても、ブランド名は通ってるし、値段も66%~75%OFFの格安なので金銭的なトラブルも出ない。

その上で『ウチの宣伝までする』って、目標まで達成出来る訳か……


確かに、1人で営業する事を前提にした『これ以上ないってぐらい合理的なやり方だな』


って事はだな。

最初から真上さんは、完全に、こうなる事を予測していたって事だな。


ッパネェな……



「なるほどなぁ。そう言う事だったんッスね。確かに効率的だ」

「そうですか?お褒め頂いて、ありがとうございます」

「いやいや、そんなそんな。マジで、そんな方法を思い付くなんて感心しましたよ」

「良かった」


此処は、素直に『いつもと違う笑顔』で喜んで貰えたよ。

こりゃあ、本当に嬉しかった時の笑顔だから、褒めただけの価値が有ったな。



「あの、ところで真上さん。商品が全部完売しちゃったって事はッスね。この後の時間は、どうするんッスか?」

「あっ、はい。大谷さんに、お誘い頂いてますので、倉津さんのクラスで、紅茶を淹れる係をさせて頂こうかと存じます」

「まっ、まさか!!メイド服でッスか?」


キタァアァァァ~~!!これ!!

前々前回の、あの無惨なリベンジを果たすチャンスが、思わぬ所で到来したぞ!!


まぁ、前は、前で、俺一人だけ、とんでもないメリットを恵んで貰ったんだが。

実際のところ『真上さんのメイド姿を見る』っと言う高貴なミッションは、コンプリート出来ず仕舞いに終了してしまった訳だからな。


なら、このチャンスを逃す手はねぇ!!


やぁ~~~ってやるぜぇ!!


ヤフ~~~~!!

(↑テンション上がり過ぎの俺)



「とんでもありません。その件に関しましては、謹んで、お断りさせて頂きました」


『ガクッ!!』


テンション上げたのに、そりゃねぇッスよ!!



「なんでッスか?なんでッスか?真上さんが着てくれた方が、クラス全体が華やかになりますし。俺『友達』の真上さんの綺麗な姿を見たいッス」


俺、必至!!

俺、正に必至!!

だって、このチャンスを逃したら、一生お目に掛かれないかも知れないんだぞ。

俺自身も、真上さんの弱点である『友達』って言葉まで、ワザと使う程の価値だからな。


兎に角『1度で良いから見てみたい!!真上さんがメイド姿になるところ……歌丸です』ってな感じなんだよな。


……けど、心なしか真上さんが、なにかに対して困惑してるみたいだな。


こりゃあ一体、どうした事だ?


取り敢えず、少し様子が変だから『メイドの件は諦めない』としても、話は聞かなくちゃな……



「あぁっと、えぇっとですね。本当にそう言って頂けるのは、私個人としましては非常に嬉しいのですが」

「だったら……」

「でも、折角……折角ですね。今まで皆さんが苦楽を共にして頑張られて来られた出し物なのに、私みたいな余所者がそこに入ったら、ご迷惑を、お掛けしてしまいます。……ですから、今回、お手伝いさせて頂くのは、最初から、紅茶を淹れる係だけと心に決めているんですよ。……ごめんなさい」


うっ……


あっ……


そっ……そうか……そう言う事だったのか……

真上さんの中じゃ、由佳達は友達であっても、苦楽を共にしたクラスメイトではなく、協調性の欠ける事や、出しゃばった真似をしたくないんだな。


そこを懸念した上で、クラスの女子に対する心遣いが有って、メイドの係りを断ってたんだ……


矢張り、この人は、人として出来が違うな。



『そんな真上さんの心に比べて……俺と来たらなんだよ?』


自分には有益な事になると思い込み。

そんな心境になってくれてる彼女に……『ねだって』『馬鹿みたいに必至になって』『この場で『友達』なんていっちゃイケナイ言葉まで使って』『馬鹿みたいに喰らい付いて』よぉ。


雰囲気も、空気も読めずに、みっともなさ過ぎだっつぅの!!


最低だ……


真上さんを見てると、自分が心の無い人間の様にさえ思えて来た……


親父同様、欲望にのみ忠実な、ホントに最低な人間だな……


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


これは倉津君にとっては、かなりキツイ展開に成りましたね。

自分勝手な行動をする倉津君に対して、誰に対しても穢れなき心で接する真上さんの姿は、さぞかし罪悪感を募らせる結果に成ったと思います。


でも、これはまごう事なき事実。

これを自身が、どう受け取るかで、最終的な結果は変わって来ると思います。


さてさて、そんな中。

次回、倉津君は、どの様な行動を選択するのか?


それは次回の講釈

また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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