最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1502 それは良かったの?

公開日時: 2025年3月16日(日) 00:21
文字数:2,135

●前回のおさらい●


 浮田君の前で奈緒さんにキスをして、自分の彼女だと証明した倉津君。

それを見た浮田君は、恐ろしい位凹んで帰路に着いて行ったのだが……その倉津君の態度を見た奈緒さんは。


「あぁ、行っちゃったねぇ。どうしちゃたのあの子?最初から変な感じだったけど」

「多分、あれなんじゃないッスか。奈緒さんの美貌に当てられたんじゃないッスかね。誰がどう見ても、奈緒さんは、女神級の美貌ッスからね」

「うわっ、臭ッ!!なにそれ?気持ち悪ッ!!」


また、そう言う事を言う。

偶には、素直に、嬉しいって言えば良いじゃないッスか。


なんでそう『天邪鬼』なんッスかね?


昨日は、あんなに素直で可愛かったのに……



「キモくないッスよ。本当の事なんッスから」

「うわっ!!被せて言うと、余計に気持ち悪いよ、それ。コンクリートの臭いで、頭おかしくなっちゃったの?」

「おかしくなんて成ってないッスよ。事実、奈緒さんは綺麗なんッスから」

「もぉなになに?どうしたのよクラ?さっきから、急に、そんな事ばっかり言いだして。向こうで、なにかあったの?」


向こうでは、なにも無かったッスよ。


ただ。

向こうから、コチラに向かうまでの間にあった浮田との話が、まだ蟠ってるだけの事なんッスけどね。


アイツに奈緒さんの事をボロクソ言われたから、ちょっと真実を確かめてるだけッス。



「いや、あのッスね。実に他愛もない話なんッスけどね」

「うん」

「いや、さっきッスね。浮田の野郎に、俺の彼女なんて『ドブス』か『脳タリン』しかいないって言われたんで。……奈緒さんが綺麗で賢明だって証明したくて」

「あぁ、そう言う事。だから、さっきから『綺麗だ、綺麗だ』って連発してた訳ね」

「そうッスね」

「そっか。それで、腹が立ってたから、あんな、クラらしからぬ意地の悪い事をしてたんだ」

「そうなんッスよ。世の中に『美女と野獣』が存在するって、キッチリ教えてやりたかったんッスよ」


結局、俺は『野獣の立ち位置』には、なにも変わりないんッスけどね。


奈緒さんを侮辱されるのだけは許せないッス。



「はぁ……もぉ、子供か君は」

「いや、そうは言いますけど。自分の世界一大切な彼女を『ドブス』だとか『脳タリン』だとか言われたら、誰だって腹が立ちますよ」


まぁ奈緒さんは。

俺が世間にも認知されてる馬鹿で、ボンクラだから『俺が馬鹿だって』言われても、左程気にしないかも知れないッスけどね。


その対象が、俺→奈緒さんに変更した場合。

奈緒さんには、そんな謂れの無い事を言われる筋合いは一切無いパーフェクト彼女ッスから。

俺は、奈緒さんの悪口を言われる事だけは、絶対に許せ無いんッスよ。



「あのねぇクラ。君が、私の事を『ブス』だとか『馬鹿』だとか、そう思ってないんなら、私は、誰になんと言われ様と、なんとも思わないよ。君が、私を、ちゃんと認めてくれてさえいれば、それで良いんだからさ」

「まぁ、結論的には、そうなんッスけどね。なんか、奈緒さんを知らない奴に、そう言われるのって苦痛じゃないッスか。中々納得出来無いもんなんッスよ」

「納得しなよ。他人の意見なんて関係ないんだし。……ってか、クラさぁ」

「なんッスか?」

「そんな事よりね。さっきの浮田君に、堂々と私の事を『彼女』だって言ったけど。あれって、クラ的には言って良かったの?」


あぁはい、そういえば、そこに関してなにも伝えてなかったッスね。

ならこの機会に、その疑問に対する回答をしておいた方が良さそうだな。


ってな訳で。

そこに関しましては、昨日、色々と心境の変化が有りやしたんで、その件に関しては、もぉ全然OKな感じでござんすよ。


知り合いには隠さない宣言ッスから。


勿論、常識を弁えた範囲での話ッスけどね。



「あぁ、それは、もぉ良いんッスよ。特別、世間に知らしめる気はないッスけど。知り合いなら、もぉ隠す必要はないッスからね。……奈緒さんも、そう望んでる事だし」

「あらら、なんか悟っちゃったんだ」

「そうッスね。そこは、なんか妙に悟っちゃったみたいッスね」


これからは、自慢して、タップリ優越感に浸りたいッスからね。

後、シコタマ惚気たいし。


全員にシコタマ聞かせてやる。



「そっか。じゃあ、これで完全に公認って感じだね」

「いやいや、今更なに言ってんッスか?公認なのは、今迄だって公認なんッスよ。ただ、それを言葉にしなかったのは、奈緒さんの世間体を考えてただけの事ッスからね。でも、そんなモノは、奈緒さんが望んでないなら、隠す必要性が無くなったってだけの話ッスよ」

「なるほどね。じゃあ、モロに誰かに見られても、気にしないって方向で良いのね?」

「奈緒さんが、それを望むなら」

「じゃあ、全開で望む。……だから、作った料理、向こうの家に運んで」


はい?なんの話ッスか?



「へっ?」

「だ~~か~~~ら。誰かに見られても平気なんだったら。私が作った料理を、向こうの家に一緒に運んでても問題無いんでしょ。……みんなで夕飯にしよって言ってんの」

「あぁ、そう言う事ッスか。けど奈緒さん」

「なによ?」

「向こうの家、まだ電気通ってないッスよ」

「もぉ大丈夫でしょ。大丈夫じゃなきゃ、カズが、未だに作業してる訳ないじゃない」

「あぁ……そうッスね」


……ってな訳で。

そんな当たり前の事にすら気付かなかった俺なんだが、またまた此処から運搬クエスト開始だぁ!!


結構な時間サボってたから、体力もマックスに回復してますんで、いつでも運搬可能ですぜ!!


沙那ちゃんも待ってくれてる事だろうしな。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


奈緒さんに『知り合いには隠さない宣言』をした倉津君。

なにやら、今後は奈緒さんを自分の彼女だと自慢していきたい様な事を言ってるみたいなのですが……


知り合いは、ほぼみんな「暗黙の了解」をしてくれてるだけなので。

今更自慢した所で、実際は「あぁ、そう」「それは良かったね」位にしか思われないんですけどね。


ホント、アホですね(笑)


さてさて、そんな中。

奈緒さんの手料理を向こうに家に運んで、夕食を摂る様なのですが。


此処では、何が起こるのか?


次回は、その辺を書いていこうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾



あぁ因みになんですが。

ザマァをかまされた浮田君は、高校生編に入ったら再び登場しますので。

良かったら、憶えて置いてやって下さい。


大分先の話なんで、忘れられてるかもしれないけど(笑)

(*'ω'*)b

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