●前回のおさらい●
倉津君の出すコンテストに参加する条件をクリア(?)したステラさん。
だが、ステラさんの参加が決まったからと言って、簡単に優勝が出来る訳ではない。
何故なら、倉津君の優勝を阻む強敵は存在するのだから(笑)
「あん?勝てる見込みなぁ……あぁ、それならフィフティー・フィフティーってのが、良い所なんじゃねぇか」
「真琴が居てフィフティー・フィフティーなんですか?なら、他の出場者の中に、相当な実力者が居ると言う事ですね」
おや?この言い様って。
またもやステラの中では、高評価なんザンすね俺って。
しかしまぁ、此処まで評価してくれてるとは意外だったな。
「あぁ、居るな。崇秀公認の飛びっきりの奴がな……」
「それは誰ですか?仲居間さんが公認してるとなると、かなり限定されますが。……矢張り、奈緒ですか?」
「いいや、奈緒さんじゃねぇよ。俺等の今回の最大の敵は【素直】だ。しかもアイツは、女子ばっかりを大量に集めたメンバーでコンテストに登録してやがるから、男性票は間違いなくアイツのグループに流れる。それだけに苦戦するのは間違いないだろうな」
いや別にな、女性を贔屓目で見てる訳じゃないんだがな。
女子ってだけで、基本的に加点対象になるのは否めない部分ではあるからな。
それに付け加えて今回は『メンバー全員がソコソコに可愛い』なんてオマケまで付いてきてるから、現状としては思った以上に厳しい。
まぁ、正直に戦況を言ってしまえばだな、フィフティー・フィフティーどころか、実際は35・65と言った所が妥当な線だろうがな。
けど、これ等の理由以前に、今現在の素直の歌唱力を侮って見てはいけない。
アイツは芸能人になってから、幾つものライブを行なって、多くの場数を踏んで来てるからな。
以前同様の素直だと軽く見るには、明らかに危険な存在だ。
「それを踏まえた上でもフィフティー・フィフティーになると言う事は、素直以外のメンバー自体は、恐れるに足らないド素人集団だって事ですね。なら、問題なく余裕ですね」
「いいや、そうでもねぇぞ。アイツ等の完成度自体は、そんなに低くないからな。……まぁ、オマエがバンドに入ってくれる事を了承してくれたからこそ、フィフティー・フィフティーなんて数値になったと思ってくれた方が利口だな」
「やけに弱気な発言ですね」
「まぁなぁ。相手が付き合いの長い素直だから、やり難い面もあるし。ウチのバンドのメンバーってのも、向こう同様、結構なド素人集団だからな」
「そうですか。では私が、本当の音楽と言うものを見せ付けて、真琴を勝たせて上げます」
「オイオイ、相変わらず、スゲェ自信だな」
「当然です。私は、素直に負ける様な無様な演奏はしませんよ。それに1度、素直とは真正面から勝負してみたかったですしね。だから『情』なんてものは一切掛けずに叩き潰すつもりですよ」
……素直VSステラの真っ向勝負かぁ。
ギターと、ボーカルと言うポジションは違えど。
両者が実力者同士である事は明白だから、これは中々見ものだな。
……ってかオマエ、なんでワザワザこんな小さなステージで、そんな大勝負すんだよ?
オマエ等2人とも芸能人なんだから、もっとデカイ舞台で、その大勝負とやらをヤリャ良いんじゃねぇのか?
変な奴だな。
「そっ、そうか」
「ですから真琴も、素直の心を、完全に潰す勢いで演奏して下さいね」
「オイオイ、話がなんか殺伐として来たな」
「そうでしょうか?本来、勝負事って言うのは、真剣にやるからこそ、お互いに価値が生まれると言うものですよ。第一、手抜きなんてしても、自分の為にも、相手の為になりませんからね」
ステラの奴、なんか果てしなくマジ・モードだな。
まぁコイツは常に本気を出す奴だから、此処は素直に納得出来る所ではあるんだが。
それと同時に『素直を完膚なきまで叩きのめしたい』って明確な気持ちが、ステラの胸から、俺の背中に沸々と伝わってくるぞ程のスゲェ気迫なんだよな。
けど、確かに、ステラこの言い分は正しいよな。
特に『手抜きなんかしても相手の為にも、自分の為にもならない』なんてのは、正に、その通りだもんな。
なら俺も『やり難い』や『情』の話は、全部金繰り捨ててだな。
俺自身も、そんな気持ちに成ってくれてるステラに報いる為にも、ステージごと綺麗サッパリ全部破壊するぐらいの気概を持った方が良いみたいだな。
まぁ、それは、それでオモシレェしな……
***
……って話が、ステラと成されてだな。
一番最初に言っていた様な『勝負に対する気持ち』に相成った訳だ。
(↑実は、此処までが前説(過去最長))
あぁ因みにだがな。
前回最後に言った『秘策の一部』ってのは、本来はステラじゃなく。
奈緒さんに、ウチのバンドのHELPとして出場して貰おうと思ってたんだけどな。
此処までの強い気概を見せてくれてるんだから、今回は、敢えて、ステラの方を選択しようっと思う。
此処までヤル気十分なら、コイツをステージに上げた方が、より面白い事になりそうだしな。
故に『奈緒さんをバンドのHELPとして使うと言う秘策』は封印する方向で。
まぁこの判断が、後の展開で、吉と出るか凶と出るかは、今の所、神のみぞ知る未知の領域だ。
神様でもねぇ俺には、今のところ、そんな判断は出来ねぇからな……
まぁ、なる様に成るだろ。
(↑此処に来て、いい加減が爆発する俺(笑))
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
ステラさんは、矢張り、どんな時でも【本気】で来ますね(笑)
そして、そんな彼女の意志が『ちょっと生温い事を考えていた倉津君の闘志にも火を付けた』様です♪
良きかな、良きかなです♪
さてさて、そんな調子で、校内まで着いた2人なのですが。
この後、まず2人は、何をするのでしょうね?
それは次回の講釈。
また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
読み終わったら、ポイントを付けましょう!