最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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162 不良さん、最後の追試の結果は……&オマケ話

公開日時: 2021年7月18日(日) 00:21
更新日時: 2022年11月28日(月) 16:37
文字数:3,067

●前回までのあらすじ●


 順調に追試をこなしていくアホ2人組。


さて、最後の科目。

回答欄を埋めた時点で提出して、時間を削減すると言う作戦は上手く行くのか!!

(ライブまでの時間が無いので、この馬鹿2人は、必死に時間削減を試みています(笑))

 今現在、最終強化である理科のテストが始まって約20分が経過。

俺は後、3問ほどの簡単な計算問題を終わらせれば、全て終了の状態だ。


昨日の勉強のお陰なんだろうか。

此処でも思った以上に、簡単な問題で構成されている様に思える。


兎に角、このテストには引っ掛け問題が存在しない。


なので余裕だな。


そこで気になったのは山中だ。

恐らくはアイツも同じ勉強をしていた訳だから『基本的には問題はない』とは思うんだが……妙に気になった。


アイツ、本当に大丈夫なのか?


そう思って、奴を見た瞬間。

解答欄が全部埋まったのか、奴の方が、俺より先に立ち上がりやがった。



「千夜ちゃん。悪いけど、テスト終わったから、先に採点してくれ」

「えっ……もぅ出来たの?」


教室内がざわめく。


まぁそりゃあ、そうだわな。

追試受けに来てる奴が、そんなに早くテストが終わるなんて、誰も思っちゃいなかったんだろうからな。


きっと俺も、昨日、勉強してなかったら、そう思った筈だしな。



「当たり前や。俺を誰やと思とんねん?真面目にやったら、こんなもん屁でもないわ」

「じゃあ、山中君、答案用紙を此処に持って来て」

「あいよ」

「序で悪いがよぉ、俺のも頼むわ」

「えっ?えっ?……倉津君も?」


先程よりも、更に、大きなザワメキが起こる。


オイ……コラ……オマエ等、それって、どういう意味だよ?


マジで失礼な奴等だな!!

俺だってなぁ、山中より少し遅れたが、なんとか解答欄は全部埋めたんだぞ。

オマエ等の様な馬鹿とは、根本からして出来が違うんだよ、出来がよ。

(↑なんて言ってるが、内心は、かなりビビッてる俺)


……ってもだ。

もぉ此処まで来たら、どうにもならねぇ。


後は、神のみぞ知る世界だな。



「オイ、島田先生よぉ。ゴチャゴチャ言ってねぇで、さっさと採点しろ。採点が終わって50点以上だったら、俺ぁ速攻で帰るぞ」

「あっ、うん。50点以上だったら、帰っても良いよ」

「なら、早くしやがれつぅの」

「うん」


だからな雛鳥。

さっきも言ったが『うん』じゃ……もう良いや、メンドクセッ。


兎にも角にも、島田は、先に提出された山中のプリントを採点し始めた。


俺は、山中の解答が気になって、雛鳥の横から、奴の答案用紙を覗き込む。


するとだな。

俺が見たところ、山中と、俺とでは、回答が約3割ほど違う箇所がある。


って事は、どちらかが間違ってるか、若しくは、2人とも間違ってるって事だ。


故に、山中の答案なのに、妙な緊張感が走る。


島田は、それを素早く『○・×』を判定。

その正解率は、約50~60%っと言った所だろうか。


意外に、厳しい結果になりそうだ。



「うん、凄い。山中君54点」

「ウッシャ~~~!!耐えた!!」

「凄いね、山中君。1日で、よく此処まで点数が取れる様になったね。凄いよ」

「千夜ちゃんLOVEやからな、俺は」

「もぉ恥ずかしい事を言わないで」


雛鳥は、山中の肩を『バシッ』っと思い切り叩いた。



「イッタァ~~~。まっ、そう言う訳やからマコ、俺は先に行くで」

「おぉ」


これで、今度は俺の番だ。


勿論、山中の解答を見ていた時の様な、さっきまでの余裕はない。

この時点で、緊張がピークに達しようとしていた。


流石に他人のとは違い、自分の解答用紙だと、お気楽感が一切無く。

とても、答案用紙を直視出来る状態じゃない。


『50点以下で、最悪の結果』

そんなネガティブな感情が芽生えていた。


俺は目を逸らしながら、雛鳥の答えを待った。



「えっ……倉津君……これ」


あっ、あれ?

なんだよ、その得も言えぬ、不安を過ぎらせる言葉は……


まさかとは思うが……50点以下か!!

解答用紙を全部埋めて50点以下って、どうよ?


もし本当にそうなら、奈緒さんや、素直に合わす顔がねぇな。


どうすっかな?


……まぁそうは言っても、得点を聞かねぇ訳にもイカネェか。



「なんだよ?何点だったんだよ?そんなに悪かったのかよ」

「違う、違う。倉津君72点だよ」

「「「「なっ!!なんだってぇ~~~~~ッ!!」」」」


島田のセリフの後、教室にいる全員が机を思い切り叩いて立ち上がった。


って、オイ!!

だからよぉ。

そりゃあ、一体、どういうつもりで言ってんだ、ゴラァァァ~~~ッ!!


オマエ等全員、この場で、一気に締めるぞ!!


俺だってなぁ、やる時はやるんだよ、糞共が!!


……っとまぁ、そうは言っても。

昨日の昼位までは、学校からテストをパクる事しか考えてなかったけどな。



「実力だ実力」

「オイオイ、嘘だろ?マコッちゃんだぞ」

「一体こりゃあ、どうなってんだ?マコッちゃんだぞ」

「マジかよ?あの赤点キングのマコッちゃんだぞ」

「有り得ねぇよ。マコッちゃんだぞ。72点って、どう考えてもカンニングだろ」


オイオイ、哀れな雑魚共よぉ。

人様の点数を聞いて、僻んでんじゃねぇぞ。


俺の背後にはな。

国立大出の嶋田さんを初めとする『天才集団』が付いてんだよ。


この程度の問題なんぞ、朝飯前なんだよ、ボケ共。

(↑さっきまで、ビビッて解答用紙を見れなかった男のセリフ……俺)



「テメェ等、ブッ殺すぞ!!誰がカンニングだ?それによぉ、この教室内で、誰をカンニングしたら点数が取れるって言うんだよ?馬鹿をカンニングしても、点数落とすだけだろうが、ボケ」

「たっ、確かに……」

「んじゃま、精々頑張れや、馬鹿共……じゃあな」

「しっ、信じられねぇ。悪夢だ……」


俺は、一旦、教室全体を見回して。

その上、ゼン達馬鹿を見下した後、颯爽と廊下に出て行く。


そこには、山中が窓側に凭れながら待っていた。


って事は、コイツ、俺が出て来る事を前提にしてやがったな。



「やるやんけ、マコ。まさか、俺より高得点を叩き出すとはな」

「ったりめぇだ。誰が俺の勉強を見てたと思ってやがんだ。奈緒さんだぞ奈緒さん」

「調子のんなよ。全体やったら俺の勝ちや=アリスの勝ちや」

「ふざけんなよ。オマエは、最初から30点位なら取れる実力が有ったじゃねぇか。俺なんか大半が一桁だぞ一桁。伸び幅で奈緒さんの勝ちだろ」

「しゃあない。今回は、まぁそう言う事にしといたるわ……ほら、マコ」


そう言って、山中は右手を上げた。


俺は、そこを思い切り、右手で張った。



「よっしゃ~~~!!」

「おらぁ!!」


『パ~~~~ン!!』


勿論、廊下に響き渡るほどデカイ音で、ハイタッチ。


滅茶苦茶、気持ち良いな。

こんなに良い気分になるんなら、次のテストも、ちょっとは勉強してみっかな。


ホント、悪くねぇな。



当然、この後は、横浜『Live-oN』に向って、ダッシュで移動を開始した。


気持ち良い!!


***


―――此処で余談。


余談と言っても、この話し自体は終わってんだよな。

けど、この後に、少し面白い事が有ったから、余談と言うより報告だな。


っていうのも、実はな。

俺が帰った後、テストで惨敗した敗者共は、わざわざ自分から、島田の補習を受けてから帰ったらしいんだよ。


相当、俺が点数を取った事がショックだったんだろうな。

全員が全員、今までにない位、解らない所を、必死に島田に聞いてたらしい。


ホント、馬鹿だなアイツ等……俺の背後の『天才集団』の事も知らずに、雛鳥に勉強を習うなんざアホだ。


全く笑える事をしてくれたもんだぜ!!


・・・・・・


……いや、けど、ちょっと待てよ。


冷静に考えたら、これってよぉ。

あの馬鹿共にとっては、俺が点数で取れる事が、そんなに必死になるほどショックだったって事か?


いやいやいやいや、もしそうなら、オマエ等、ホント失礼にも程があんぞ!!


オマエ等なんぞ、雛鳥教室で勉強を習って一生、赤点取ってやがれ!!


気分悪ッ!!


調子に乗って余計な報告するんじゃなかった……ホント、気分悪ッ!!


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>

これにて第二十九話『ライブ前の試練・結果編』を終了したいと思います。


……っで、この追試編で言いたかった事は。

『勉強に興味を持つ』事さえ出来れば、意外と簡単な方法で点数が取れる、っと言うお話がしたかったんですね。


実際、私も学生時代、このやり方で70点ぐらいはキープ出来てましたからね。


それに、更に効率化を図れば、もっと簡単に勉強をする事も可能なんですよ。

(↑こう言う楽な勉強方法を考えるのが、勉強の本質なのです(笑))



さてさて、そんな感じで「追試編」はお仕舞ですので。

次回からは、ライブハウスに向かっての話に成ります。


まぁ、こう言う部分って、あまり必要じゃない場面なのかもしれませんが。

私はキャラクター達の心理描写を細かく書いていきたいので、良かったらお付き合いください♪

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

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