最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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704 違和感の正体

公開日時: 2023年1月11日(水) 00:21
更新日時: 2023年1月23日(月) 14:45
文字数:1,909

●前回のおさらい●


 リハの際、なにやら妙に気に成る事をを口にする今回のバンドのメンバー。


そんな言葉が気に成った眞子は、色々考察しているが……答えが出ない状態。


さてさて、そんな状態で、眞子はキッチリとした演奏が出来るのか?

 まずはオープニング。


最近恒例になっている『じょんがら節』を『しゃみ太』で奏でる。


此処は、私がソロで三味線を弾くだけなので問題なくクリア。

いつも通り、物珍しさから、観客の皆さんは大きく熱狂してくれている。


とても有り難い事なんだけど……何故か、さっきの事を、まだ引っ掛ったままなので、今の所イマイチ気が乗らない。


そうやって居る内に、今度は、1バンド目の『MONKEY-STONE』さんのライブの準備を始める。


―――1バンド目。


ヴォーカルのビリー=スレイターさん率いる『MONKEY-STONE』


かなりコミカル系のバンドで。

軽快な音楽を奏でながら、ライブ中、常に楽しいげな音を繰り出し。

そしてMCではビリーさんが、観客の皆さんを笑わせたり、盛り上げたりしている。


私も1曲目から、このバンドに仲間に入れて貰っているので、楽しく演奏はしているんだけど。


此処での私の役割は、目立つ事じゃない。

いつも通り、メインになる楽器奏者に『仮ブースト』を掛ける事。


今回も、上手くブーストが掛かってくれてるのか、上々の仕上がりで。

さっきの『じょんがら節』の時より、ライブの盛り上がりが一段階上がっている。


此処も、いつも通り、いや……寧ろ、先程4人で演奏したリハの時の様な、奇妙な違和感は感じない。



―――2バンド目。


ギターのキエン=セラさん率いる『AB・RENGER』


ここでも、オルタナティブ・ロック発祥の地シアトル出身のキエンさんのギターは快調に飛ばし、良い感じの音を出している。


なのでコチラも、一緒に演奏してて、なにも違和感を感じない。


なんなんだろうか?

この2つのバンドに有って、私達が即興で組んだバンドにないもの……


少しでも、それがなんなのかを掴めれば。

先程から感じる、この得も言えぬ奇妙な違和感は消える筈なんだけどなぁ。


私は必至に、この2バンドとの違いを考察しながら演奏を続けた。



―――3バンド目。


ドラムのホーダ=ロケットさん率いる『WATCHA』


私は、先に演奏した2バンド同様。

最初からバンドのメインであるドラムのホーナーさんに『仮ブースト』を掛けた。


その時……『!?』


私は、ある重大な事に気付き、閃いた!!


そうか。

そう言う事かぁ。

そう言う事だったんだぁ。


私達のバンドに欠けていたものは……それは『リズム』だ!!


今、4人で結成した即興バンドには。

リズム隊が、私以外、誰も居ない事が、実は大きな問題だったんだ!!


私は、今の今までズッと気付かなかったんだけど。

これまでに一緒に演奏して来たバンドって言うのは、常にドラムか、ベースの人が居るバンドでしか演奏をした事がなかったから。

いつの間にか、リズム全体をドラムかベースの人に依存しきって演奏していた。


故に、私自身が、余り正確なリズムが刻めずにいたんだ。


これこそが、最大の問題だったんだ。


それを証明するが如く、さっきの3人の褒め言葉の中には……

ホランドさんは『纏める』を強調し。

ミナさんは『鞍馬無しじゃダメ』だと言い。

エディさんは『見る所は同じ』だと言い切った。

結局の所、私のとっていたリズムに、言い様のない大きな違和感を感じていたからこそ発していたセリフだったんだね。


なるほどねぇ。


でも……答えがわかったんなら、もぉなにも問題は無い。


横浜で逢った『知らないドラムの人』の正確なリズムを、此処で完全にトレースすれば良いだけの事だもんねぇ~~~。


行けるよ!!


これなら行ける!!


私は、不安から体力の温存の為に、今まで使わなかった『レゾナンス』開放し。

演奏し難い、上に羽織っている着物をステージ上で脱ぎ捨てて……不知火さんの格好で、キレた様に全力で演奏を開始した!!


気持ち悪い違和感は消えたんだから!!イッケエェェェ~~~~!!


このまま行っちゃえぇえぇ~~~!!


***


 ……さてさて、そんな私の地味な覚醒の中、ライブの本番は終了して、とうとうアンコールの時間になる。


そこで今夜のライブの『スペシャルゲスト』として『ホランドさん』『エディさん』『ミナさん』の、お3方が、3バンド目のホーナーさんから紹介されステージ・インしてきた。


当然、これだけで観客は一気にヒートアップ!!

格の違いを見せ付けるが如く、登場しただけで、それだけの歓声を受けながらも堂々とステージに上がって来る。


でも、此処は、流石と言うべきだろうか。

これだけの歓声を受けても、誰1人として動揺せず、眉1つ動かさない。


けど、良く見るとね。

なにやら3人共が、妙に上機嫌な様子。


どうやらこの様子からして、私が演奏中に何かを気付いた事に、お3人さんも気が付いてくれたのだろう。


ははっ……ちょっと恥ずかしいですけど、皆さんお世話様でした<(_ _)>


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


これはある意味、解り難い致命的な欠点と言っても良い物だったのですが。

今までの眞子の演奏と言うのは、グチ君の時以外は『教える者の立場』や『引っ張る者の立場』ではなく。

『みんなと合わせる事を主とした演奏していた』ので、山中君の様に飛び抜けてリズム感が良かった訳じゃないんですよ。


……っでまぁ今回。

初めて『自分だけでリズムを構成する立場』に成ったのですが。

そこにまだ気づいてなかった眞子の演奏に違和感を感じ。

みんなが、こっそりとアドバイスを送っててくれた訳ですね。


まぁ、非常に解り難い表現をしてしまったので、読んで下さってる皆さんにはご迷惑をおかけしましたが。

こう言うのって結局、自分で考え、自分で行動するから、自身の身に付く物だと私は考えていますので、この様な表現を使わせて頂きました(笑)


さてさて、そんな眞子の小さな覚醒後。

いよいよアンコールにて、ホランドさん、エディさん、ミナさんとの演奏が始まる訳なのですが。

このお3人さんを納得させれる演奏が眞子には出来るのか?


次回はその辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾

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