●前回のおさらい●
沙那ちゃんの件は、奈緒さんが機転を利かせて、なんとか誤魔化せた……のだが。
どうやら奈緒さんは、その件に関して倉津君に何か言いたい事があるらしく。
沙那ちゃんだけを先に廊下で待たせて……
「クラ……」
来た!!
「あぁ、はい、なんでごぜぇましょうか?」
「ごめん。申し訳ないんだけど、どこかで下着買って来て貰って良い?……お願い」
「へっ?下着?下着ッスか?」
あれ?そっち?
何を言われるのかと思ったら、そういう話だったんですな。
あぁまぁでも、言われてみればそうだよな。
奈緒さんも、あの下着の状態まま、今日一日を過ごす訳にもいかないだろうし。
だからと言って、そのまま自分で買いに行く訳にもいかないだろうしな。
それになにより、衛生的にもよくない。
なら、この要望は順当と考えるべきなのかもしれないな。
「うん、下着。流石に、ちょっとね」
「下着……あぁ、ウッス、ウッス。そんな事で良いなら行って来るッス、行って来るッス。任せといて下さい。2人の分の下着を買って来りゃあ良いんッスね」
「うん。男の子に、こんな事を頼んで、ごめんね」
「良いッス、良いッスよ。それぐらい全然良いッスよ」
しかしまぁ……助かったな。
俺としては、テッキリあの沙那ちゃんの前で晒してしまった醜態により、奈緒さんには恥を欠かせてしまったので、その件で雷を落とされるものだと思っていたからな。
こりゃあ、本気で助かったな。
「うん。ごめんね。……あぁ、それと」
それと?
あぁ、この言い様だと、やっぱり助かってなかったかぁ。
まだ、なんか言い足りない事がある感じッスな。
こりゃあ、此処で恒例の怒られるパターンが発動する訳ッスな。
まぁ、しゃあないわな。
「なっ、なんッスかね?」
「……一杯出してくれて、ありがとう」
『チュ』
「へっ?」
「じゃあ、お願いね、クラ」
「へっ?へっ?あぁ、あの……ウッ、ウッス」
……怒られなかった。
なんだこれ?
***
……っとまぁ、こんな風に奈緒さんと、沙那ちゃんを見送った後。
俺は早速、2人の下着を買いにコンビニに向かって行った訳なんだが……なんだか微妙な心境だよな。
いやいや、別にな。
微妙な心境とは言ってもな。
女物の下着をコンビニに買いに行く事に抵抗が有って、どうのこうの言おうって訳じゃねぇんだぞ。
そんなものは大した問題じゃない。
そんな事よりもだな。
あの奈緒さん、崇秀、眞子が起した例の件の事や、モジャとの計画の話は、上手く説明が付いて纏まって、気分良く『BEST』な心境に成ってたって言うのによ。
その後、直ぐに、沙那ちゃんの眼の前で『2発も無様に吐き出しちまう姿を晒してしまうなんて、人としてどうよ?』……って、話で、微妙な心境に成ってるんだよなぁ。
この時点で『BEST』処か、どちらかと言えば『BAD』な心境に急降下してしまった訳だ。
けどな。
これまた、その後、直ぐに、今さっきの奈緒さんの言ってくれた『一杯出してくれて、ありがとう』……って、有り難いセリフにより、そのBADな状態は即座に回避。
いや寧ろ、これは世界一言って貰って一番嬉しい言葉だから、まさに、此処では再びハッピーな気分になって『BEST』な心境に変化したと言えよう。
なら、この今回の感情の起伏をトータルして言えばだな。
『BEST』『BAD』『BEST』……って感じに成る訳だから。
『BEST』から、1つ下の『BETTER』って事に成るのが順当なんだろうか?
そんな事を考えてて、なんか良く解らねぇ複雑な心境成ってたって話だな。
(↑これが今回の強引なオチ)
・・・・・・
まぁ、そんな事はどうでも良いか。
いや、ホント、このサブタイトルの説明なんかは、別にどうでもいいよな。
失礼しました<(_ _)>
***
……ってな訳で。
そんな複雑な心境になったとは言え。
今回巻き起こってしまった『SEX騒動』は、意外なまでにアッサリと纏まり。
これにて完全閉幕なんだが。
(崇秀とは、後で軽く話をすりゃあ、簡単に終わるだろうからな)
ヤッパリ、自分が好きだと断定する相手が居るなら。
相手を、最後の最後まで感情的にならず、疑う事もなく、信用しきってあげないとダメだな。
その誤解が、余計な問題に発展させる事にも成るんだからな。
それでも、相手が騙している様な人間であるならば、ソイツは、もぉヤクザ以下のクズ。
そんなロクデモナイ奴を本気で好きに成ってしまった『自分の見る眼の無さ』を恨むのが順当ってもんだろうしな。
この問題については、そう言う結論だな。
***
次回予告。
さて、今現在、徹夜明けで、眠気が溜まったままなんだが、そんなに、のんびりとしてる暇なんぞは俺にはない。
今日1日は学校をサボってでも、あれやこれやと橘家の引越しの準備をしなきゃイケナイっと言う使命を背負ってる訳だからな。
なにはともあれ、少しでも早く沙那ちゃんを家に落ち着かせてあげて、学校にも行かせてやりたいから、此処は無理してでも行動に移さなければならない訳だよ。
そんな訳で次回。
『Busy day①Treasure in old house』
「忙しい日①ボロ家の宝物」
まぁ、流石に次回は、タイトルのまんまだと思うぞ……多分な。
……うぅん?
いや、引っ越しの準備をするのに、宝物って、なんの話だ???
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
これにて第一章・第八十九話【Not best.it`so better(『最高』ではなく『良かった』程度)】はお終いになるのですが、如何でしたでしょうか?
まぁ色々難しい問題もありましたが。
こうやって1つ1つ問題を乗り越えて行く事により。
お互いに対する理解力や、恋人としての絆なんかが深まって行く事に成るので、これはこれで良い事なのかもしれませんね。
此処を乗り越えられない様なカップルなら『その程度の関係でしかなかった』っと言う事にもなりますしね。
さてさて、そんな感じで。
この問題については『崇秀との直接的な話し合い』を除いては、全て解決。
なので次回から始まる第一章・第九十話【Busy day①Treasure in old house(忙しい日①ボロ家の宝物)】では、橘家のお引越しについての話を書いていきたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来てくださいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
あぁ因みになんですが。
『崇秀との直接的な話し合い』についての事を軽く扱ってるのは。
本編でも倉津君が態度で示していた様に、この2人は一番絆が深い関係だからこそ、こう表現させて頂いております。
なんだかんだ言ってても、一番解り合ってますしね(笑)
その点を踏まえて『崇秀が上手く話を昇華して、話をまとめてくれるだろう』っと言う倉津君の心の表れでもあったりします♪
読み終わったら、ポイントを付けましょう!