最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1119 宥めながらの説得

公開日時: 2024年2月27日(火) 00:21
文字数:2,084

●前回のおさらい●


 何も感じてくれてなかった事に絶望を感じた素直ちゃんは、半分自棄になってしまい倉津君に抱かれ様としていた。

だが、そんな事をしてしまったら素直ちゃんを傷つけてしまうのが解っている倉津君は、拒否の意を唱えはするものの、それ以上は、どうして良いか解らなかった。

そんな中、タイミング良く眞子が倉津君の部屋にやって来て、なんとか素直ちゃんを宥めようとするのだが……

「うん。じゃあ、素直ちゃん。早速だけど話を聞かせて貰って良い?」

「眞子ちゃん……本当に聞いてくれるの?僕の勝手な話だよ」

「うん。心配しなくても全部聞くよ。聞かないと、此処でなにが有ったかが正確には解らないからね」

「あぁ、うん」

「じゃあ、ゆっくりで良いから話してみよっか」


私がそう言うと、素直ちゃんは言い難そうな顔はしているものの。

何処かで話さないといけないと思う気持ちと、誰かに聞いて欲しいっと言う気持ちが相成ってるのかして、ゆっくりと口を開き始めた。


そんな状態なだけに、言葉を一言だけ発した後は、溜まっていた真琴ちゃんへのストレスと共に、素直ちゃんの口からは怒涛の如く言葉が流れ出す。



「あのね、眞子ちゃん。……僕ね、いっぱい真琴君の為に頑張ったの。でも、真琴君には、なにも伝わらなかった。なに1つ伝わらなかった。だからね。だからね。もぉなにもかもダメなんだって思ったら、せめて思い出だけでも僕の体に刻み付けようと思ったの。それで向井さんには申し訳ないとは思ったんだけど。こんな事しちゃったの。ごめんなさい。本当にごめんなさい」


あぁ……うん。

今までの素直ちゃんの傾向からして、彼女が私に伝えたい事自体ならある程度解るんだけど。

話が端折られ過ぎてて、これじゃあ、ちょっと全体的な内容まで見えなかったなぁ。


でも、この話の中で唯一確定した事があるとすれば……素直ちゃん、やけになってしまって、真琴ちゃんに一度だけでも体を預けようとしたのは確かだね。

そして、その行為自体に罪悪感がなかった訳でもない見たい。


だったら此処を話のスタート地点にして、ゆっくりと全体的な内容を引き出すしかないね。



「そっか。そう言う状況だったんだね」

「うん」

「……でも、良かったね。真琴ちゃんが素直ちゃんになにもしなくて」

「えっ?どうして?僕は思い出だけでも欲しかったのに……それすらダメなの?」

「うぅん。私の言いたい事は、そう言うんじゃないよ」

「どう言う事?」

「真琴ちゃんが、素直ちゃんの事を、どうでも良い相手だと思ってたら、特には何も考えずに直ぐに情交に移ってたと思うのね。でもね。真琴ちゃんは、素直ちゃんを大事な友達だと思うからこそ、傷付けちゃいけなと思って、一切、手を出さなかったの。だから私は、真琴ちゃんの行動は、なにも間違ってないと思うよ」

「あっ……」

「……それにね。そんな惰性で抱かれたSEXなんてじゃあ、良い思い出になんか一生ならない。そんなやり方で抱いて貰っても、未練が残るだけだもん」


だと思うんだけどなぁ。


なまじ惰性でSEXなんかしちゃったら。

今まで以上に未練が残って、相手に隙があったら、また同じ様な要求を繰り返してしまう可能性が産まれててしまうだけ。


それに今度は、1度身を任せてしまってる以上、今以上に奈緒ネェが羨ましくも、疎ましく感じるだけであり。

しかも、それをネタに【2人の関係をバラす】とか言い出してしまい、好きな相手を脅してしまう可能性すらある。


それ故にこんなものは、ただの悪循環でしかなく、素直ちゃんが思う様な綺麗な思い出には決して成らない。


これは寧ろ、女の子が抱える幻想に過ぎないんだろうしね。


……まぁ、でも確かにね。

私も女の身だから、素直ちゃんの、この気持ちを解らなくもないんだけどね。

欲しい者が、どうしても自分の手に入らなければ、最終手段を用いてでも【一度だけでも自分だけを見て欲しい】って気持ちに成っちゃたりするもんだからね。


でも……私の場合は元々が男だったから、完全に、そんな女性脳に支配されていない。


変に男性の様に理屈っぽく考えて、本能的に出来るだけ冷静に対処してしまおうとしてしまう。

だからこそ、こう言う素直ちゃんには、見えていない部分も見えてくる。


そこが一番、女性の方が共通的に陥り易い盲点だからね。


こう言う場合での男性思考は非常に有用だ。


まぁ……なんて事を言いながらでも。

崇秀が関わっちゃうと、結構女性の思考に飲み込まれてヒステリックに対応してしまう時もあるんだけどね。


人の話を聞いてる時なら、案外冷静に対応できちゃう訳なんですよ。



「でも、眞子ちゃん」

「うん?」

「もぉ全てがダメだと解ったら、2人の思い出だけでも欲しいって、思わない?」

「う~~~ん。そうだねぇ。そりゃあね。全く思わなく訳ではないけど。ヤッパリ、惰性で男の人に抱かれるのは嫌かな。……そんな事をしても、自分が虚しく成っちゃうだけだしね。それなら寧ろ、SEXなんて一生しなくても良いと思っちゃう方かな」

「それは……眞子ちゃんが、色々な人に求められてるからじゃないのかな?僕には、真琴君しかいないから……」


うんうん。

ヤッパリ、この話題が来たね。


『真琴ちゃんしかない』


私は、この言葉を素直ちゃんが出すのを待っていた。


何故なら、この話題さえ出てしまえば、今までの内容を知る必要性がなくなり。

私が持つ情報だけで対応出来る可能性が出て来たからね。


それにもう1点。

この言葉が出る事によって、素直ちゃんに『大切な事』を伝えられる可能性すら孕んでる言葉だしね。



だから私は、この言葉が出るのを待っていた。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>


こう言った話は、以前『文化祭準備をしていた最終日の話』で書かせて頂いた事があるんですが。

男女問わず、自分の好きな人に振り返って貰えない場合、自棄に成ってしまい。

女性なら【男性に自身の身を捧げようとしたり】

男性なら【女性を強姦をしてしまう】なんて事象があったりするんですよ。


まぁ、女性の場合は、相手に判断を委ねているだけに、まだ犯罪ではないのですが。

今回の場合は、相手の男性(倉津君)には、彼女(奈緒さん)が居るだけに、犯罪ではなくても【罪】があるものだと思います。


冷静に考えれば『穏やかな相手の生活を壊そうとしてる』のと同然の行為ですからね。


なら、そんな行為を止めるのが友人。

友人が道を外そうとしてしまっているのが解っているのなら、宥めて止めるのは当たり前の事ですしね。


さてさて、そんな中。

眞子の説得により、少々落ち着いた素直ちゃんなんですが。

此処から更に眞子は、なにやら秘策がある様な雰囲気を醸し出しているのですが。


一体、それは、なんなのか?


次回は、そこら辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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