最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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021 不良さん、ある事に驚くかも(笑)

公開日時: 2021年2月26日(金) 22:26
更新日時: 2022年11月3日(木) 14:33
文字数:2,130

●前回のおさらい●

向井奈緒が好きなのを隠そうとして、崇秀に『ベースの運指運動が出来る出来ない』を賭けの対象にして、その場を凌ごうとするが。

結局、崇秀には、簡単に『運指運動』をされるは、口車に乗せられて『向井さんを好きな事を自白してしまう』はで、不幸続きの不良さん。


そこに更に山中がやって来て、嫌な顔を隠せない不良さん(笑)


崇秀のアホだけでも鬱陶しいのに……なんで山中のアホまでコッチに来るんだよ?


しかも、俺等の話に興味津々。


来んなぁ~~~!!



「なんでもねぇよ」

「っだ、そうだ」

「なんや、なんや、そんなに盛り上がっとるのに、そりゃあないやろ。俺だけ仲間外れか?つれないのぉ」

「るせぇ。テメェにゃあ、一切合切、関係ない話だ」

「おぉ、おぉ、冷たいのぉ。そう言わずに、俺かて仲間に入れてくれや」

「だったらよぉ、山中。ヒントをやるから、そこから考えろ」

「なんやクイズか?えぇで、俺、そう言うの、結構、得意やし」

「テメッ、馬鹿秀!!勝手に仕切ってんじゃねぇぞ!!」

「第一ヒント、ベース」


聞けや!!

オマエはなんでそう、俺の話を聞かないんだ?


つぅか当事者である俺を無視して、勝手に話し進めてんじゃねぇぞ!!



「あぁ~~~っ、ベースなぁ。なんや、それやったら向井さんの話か」

「ハイ、正解」


グハッ……山中の奴、ほぼノーヒントで一発正解しやがったよ。


なんで、それだけでわかんねん!!



「ほんで、その向井さんが、どないしてんな?」

「教えてやりてぇ所だが、そいつは、流石に、俺の口からは言えねぇな」

「なんでやねん?そこまで言うといて、今更、隠し事は無しやろ」

「いやな。教えてやりたいのは山々なんだが、コイツばっかりは無料じゃ教えられねぇ。ちょっと訳有りなんでな」

「そう言うこった。オマエは、この件から綺麗サッパリ手を引け」


そうだ、そうだ、諦めろ。

それがお互いの為ってもんだ。


人が嫌がってるのに、詮索は良くないぞ。



「ちょ、待てや。ほんだら、逆に言えば、なんぞ条件を満たしたら、教えてくれる言うこっちゃな?そういうこっちゃねんやろ」

「いい読みだ……倉津」

「なんだよ?」

「ちょっと、そのベース貸せ」

「はぁ?別に構いはしねぇけど、一体なんに使うんだよ?」

「良いから、良いから。ゴチャゴチャ言ってねぇで、さっさとよこせ」

「チッ!!なんか良くわかんねぇけど、ほらよ」


何を考えてんだか知らねぇが、崇秀の馬鹿は、俺からベースを奪い取った。



「山中、オマエに、これが出来たら、さっきの内容を教えてやる」

「うん?俺に何させる気やねん?」

「ベースの運指運動」

「なんや、それ?」


あぁなるほどな。

自分がさせられた事を、今度は山中に丸々させようって魂胆か。


そりゃ実にオモシレェ提案だ。


……けど、まさかとは思うが、山中の馬鹿まで出来るなんて事はねぇよな。

崇秀は、やり方の説明をするのと同時に、実際にベースで『運指運動』をやってみせた。



「どうだ?これが出来るか?」

「なんや、豪い簡単そうやんけな。その程度やったら、多分、俺でも出来んで」


ウッソ!!マジで出来んのかよ!!


いやいやいや……そうじゃない、そうじゃない。

今の発言は明らかに『運指運動』の見た目だけで判断してる口ぶりだった。

だから下手に心配しなくても、山中は、そんな簡単には運指運動は出来ねぇ筈だ。



「そこまで言うなら、じゃあ、やってみ」

「えぇで、そのベース貸してみぃ。こんなん小学生でも出来んぞ」

「ほぉ」


崇秀は、明らかに嫌な笑いを浮かべている。

しかもそれは、どこか勝ち誇った様な表情にしか見えない。


……っと言う事はだ。

山中は、運指運動が出来ねぇって判断だよな。


なら、面白い。

崇秀の代わりに、みんなの前で恥を掻け。


そんな中、山中は、ゆっくりとベースを構える。


けど、なんだな。

出来無いと解っていても、音が出るまでは不安なもんだな。


♪・・♪♪・・♪

・♪・♪・♪・♪

♪・♪・♪・♪・……


酷くギコチナイ。

正直、ド素人の俺なんかが見ても、山中の指の動きはギコチナイと判断せざるを得なかった。


ヤッパ普通は、経験者でもない限り、運指運動は、そう簡単には出来ねぇもんなんだよな。


あぁ~~~安心した。



「うわっ、ムズッ……なんやねん、これ?全然、思い通りにならへんやんけ」

「だろ……まぁしかし、大したもんだな」


はぁ?なに言ってんだコイツは?

何が大したもんなんだ?


山中の奴、全然、運指運動が出来てねぇじゃねぇか?



「そうかぁ?」

「あぁ、大したもんだ」

「そないに褒めんなやぁ」

「いやいやいやいや、ちょっと待てよ。今のは流石に、全然出来てねぇだろ?」

「オイオイ、何を聞いてたんだ、オマエは?向井さんが今のオマエの言葉を聞いたら『倉津君……ちゃんと聞いてた?私の教え方が下手なのかなぁ』とか言われっぞ」

「うぇ?なにがだよ?」


はぁ?訳わかんねぇ?

大体にして、なんの話をしてんだよ?


『?』が、沢山俺の中で飛び交う。


―――にしても、オマエ、向井さんの真似上手いな。

向井さんだったら、ホントに言いそうだよな、そう言うセリフ。



「オマエ……本当に、山中の演奏で何も感じなかったのか?」

「いや、これと言っては、何も感じねぇが」

「マジか……コイツ、信じられねぇ」

「ちょ、待て、秀。そこは、マコの言う通りやで。俺なんも出来てへんかったで」

「オイオイ、オマエもかい」


少し怒った感じで、崇秀は、何故かイライラしている。


何怒ってんだ、オマエ?



「はぁ~~~。じゃあな、山中、オマエに1つだけ聞いても良いか?」

「あぁ、なんやな?」

「オマエ……なんか楽器やってるだろ?」


なに?

崇秀のこの言い様。


まさか本気で、アホの山中まで楽器が出来るとでも言うのか……


最後までお付き合い、ありがとうございましたぁ<(_ _)>


さてさて、またしても意外な展開になってきましたね。

崇秀に引き続き、山中君も楽器が弾ける様な事を匂わせてましたね。


その答えは、次回の講釈。

またお時間がありましたら、遊びに来てくださいね。

(*'ω'*)ノ バイバイ

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