●前回のおさらい●
真上さんのお手伝いで、とある店に商品を一緒に取りに行く倉津君。
そこで倉津君は、ある事に気付き。
親切な真上さんの為に、店に戻ってから、ある提案をする事を考えていた。
その後、真上さん家の軽トラを、俺が運転して例の喫茶店に2人で向い。
Tシャツが100着入った段ボールを100個ほど受領をし、相手方に代金を256万+諸々の小銭を支払って、取引を無事に済ませる。
あぁっと、因みにだがな。
この喫茶店『本格英國カフェ・ビッグベン』は、表向きは、ただの糞不味いコーヒーを出す喫茶店なのだが。
どうやら裏では、外国人が様々な物を裏取引する場所でもあるみたいだな。
そんで、そのややこしい物に混じって、極稀にマトモな物も入ってくる。
どうやら、その『マトモな方』で真上さんが依頼してるみたいだ。
まぁ一般人には、あまり薦められたルートでは無いんだが……正規ルートで入って来てる船ではないので『税金』も掛からないし、船の倉庫に空きさえあれば『格安料金』で商品の輸入も出来る。
まぁセコイ様だが、道理は、結構、通ってる商売だな。
『良質な商品』をより安く手に入れる為に、結構な需要もあるみたいだしな。
さて、そうなるとだ。
『何故、真上さんが、こんな怪しげなルートを知ってるのか?』っと言う疑問が湧いてくると思われるが……
これについては、武藤絡みの話だ。
なんでも武藤が、経営困難になっていた真上さんに、この喫茶店の存在を教えたらしい。
まぁ此処から察するにだ。
武藤が、経営初心者の真上さんの店の原価が気になっての事だろう。
武藤の奴も、あれでいて大概お節介野郎だからな。
そして此処から、もう一点解った事が有る。
これが真上さんの言っていた『武藤に対する大きな借り』って奴だと言う事も、安易に想像が付く訳だ。
さて、んな訳でだ、早急に『脱税品』を、真上さんの店の店内に運び込み、この業務を終了としよう。
***
「はぁ~~~、流石に重かったぁ」
「くすっ、ご苦労様でした」
っとか言いながら、また紅茶を、ご馳走になってたりする。
まぁ、そんな訳で、只今、ゆったりした空気が流れてる時間ではあるんだが……真上さんには、どうしても1つだけ注意しとかなきゃな。
「それにしても真上さん」
「あっ、はい、なんでしょうか?」
「私見で悪いんッスけど。あぁ言う裏ルートは、あんまり長期に渡って使わない方がいいッスよ」
「えっ?あっ、あぁそうですね。ですが、要さんが安全だって言われてましたし、それに上手くコストが削減出来ましたので、お客様に、お安く商品を提供し易くなりましたから……つい」
「いや、その気持ちは解るんですが、あれって、個人経営でしょ」
「あっ、はい。確か、武藤さんは、そうおっしゃってましたね」
「はぁ、やっぱ、そうッスか。あのッスね真上さん。こう言う事を言っちゃあ、何なんですけどね。相手が個人経営だとガサ入れがし易いんで、ホント、あぁ言うルートは危険ですよ」
「えっ?あの、倉津さん……非常に申し訳ないんですが、ガサ入れって、なんですか?」
そこの説明が先か。
「警察の摘発の事ですよ」
「警察?なにか問題が有るんですか?」
「勿論ッスよ。下手すりゃ、此処に警察が押し寄せてきますよ」
「えっ?どうしてですか?」
「それはッスね。先に先方の輸入元がガサ入れされたらッスね。真上さんとの取引が証明されるからッス」
「えっ?ですが、正規の金額は、お支払いしていますよ」
「いいえ。この手の商品は、殆どが脱税品。正規の金額は関係ないだけに、取引証明だけが証拠として手掛かりになるんですよ。……だとしたら、どうなりますか?」
「倉津さんの言われた通り、警察の方が来られますね」
「そう言う事です。記載証明のない商品の輸入=『薬』『銃器』『脱税品』だと判断される可能性が高いですからね。そうなれば、店の営業停止は確実。真上さんも、鑑別所に送られちゃいますよ」
「そう……だったんですか」
まぁ、この件に関しては、決して武藤が悪い訳じゃないんだよな。
こんな黒い話、普通わかんねぇもんな。
「まぁ、あれッスね。なので、そこしでも早めに、このルートとの付き合いは消した方が身の為ッスよ」
「そうですよね……」
仕事が順調に成り掛けてるから辛いでしょうが。
あのルートは、どう見ても、あまり、お薦めのルートではないですからね。
「ですが、以前のルートに戻しますと、今の経費の3倍掛かります。これでは、お客様への安価での提供が難しくなりますね……困りました」
「そうッスよね。じゃあ、俺が1つ、取って置きのルートを紹介しましょうか?」
「あるのですか?」
「勿論ッスよ」
ふふふふふふ……有るに決まってるじゃないですか真上さん。
俺ん家、そう言う系統の話には超強いヤクザですよ。
とは言っても、別に、邪悪なルートではないんッスよ。
しかも『脱税にもならない』『危なくもない』そして何より『国が認める』最高の悪どいルートが有るんッスよね。
「それは、どちらにあるのですか?」
「横須賀ッス」
「横須賀……ですか?」
「そうッス。横須賀ッス。……あぁ、但しッスね。商品は、毎回そこまで取りに行かなきゃダメですよ」
「それは構いませんが……どうしてですか?」
「横須賀って聞いて、なにか思い出しませんか?」
真上さんは、視線を天井に向けて思案し始めた。
恐らくこれは、彼女の思考スタイルだろう。
そして数秒後、真上さんは、なにかを思い出した様に口を開いた。
「……米軍基地ですか?」
勘が良いッスね。
その通りッス。
「そうッス。正解ッスよ」
「ですが、どうして倉津さんは、米軍基地にお知り合いが居られるのですか?」
その手の知り合いの話かぁ。
これは、あんま良い話じゃねぇから、口に出して言いたくはねぇんだけどな。
まぁけど、この場合はしゃねぇか、真上さんを納得させる為にも教えてあげよ。
この人なら、絶対的に信頼の出来る相手だしな。
つぅか、結構、一般的にも知られてる事実だしな。
「じゃあ、これは、少しオフレコの話なんッスけど。真上さんには、昨今のヤクザ事情って奴を教えますよ」
「えっ?」
「これを聞けば、納得すると思いますから」
「あっ、はい」
ヤクザの事情と聞いて、真上さんに緊張感が増してるな。
この言葉を聞いた瞬間、確実に真上さんの表情が硬くなったからな。
まぁ、そりゃあしょうがねぇわな。
「いやいや、そんな大層な話じゃないんッスよ」
「そう……なんですか?」
「勿論ッス。それに真上さんが、後で困る様な真似は、絶対にしません」
「あっ、はい」
矢張り、この程度の言葉じゃ不安拭いきれないか。
けど、今使ってる出所の解らない怪しいルートを使うよりは、数倍安全だからな。
「まぁ、簡単に言っちまうとッスね。『銃器売買』の依頼をしてるんッスよ」
「米軍にですか?」
「そうッスよ。東南アジアや、中国経由のマフィアを使って銃を輸入してる様じゃ下部組織もいい所。それに地元で買い付けてたんじゃ足が付く。大きな組だったら、大半は米軍ルートを使いますよ」
「ですが、それじゃあ、数が合わないのでは?」
「『廃棄』って便利な言葉が有るじゃないですか。あれを上手く利用すれば、簡単に銃の数なんて誤魔化せるんですよ」
「あっ……」
ドン引いたなコリャ。
「まぁまぁまぁまぁ、そんな訳で、横須賀の駐留所には知り合いが居る訳ですよ」
「あっ、はい」
「っで、ですね。そこを使えば『脱税みたいな物』も簡単に出来ちゃうんですよ」
「どうしてですか?」
「そりゃあ真上さん。衣服を米兵の必要物資として輸入するからですよ」
「えっ?でも……」
「『衣服』は消耗品ですからね。幾ら有っても不思議じゃない。それに駐留所の中にだってショップは有りますからね。そこを利用すれば、ゴタゴタは一切無しッス」
完璧!!
「ですが倉津さん。そのお店とは、どうやって交渉されるんですか?」
「真上さんの作った商品を格安で提供すれば良いんですよ。巷で話題になってるブランドだから、相手方は、必ず、この話に喰い付いて来る筈です」
「でわ……どうして、私は、倉津さんに、そこまでして頂けるのでしょうか?」
「さっき、友達だって言ったじゃないッスか。それだけッスよ」
「えっ?それだけですか?」
「そうッスよ。まぁそれ以前に、真上さんには、幾ら感謝しても足りないぐらい、色んな事を教えて貰いましたからね」
「私がですか?」
「そうッスよ。文化祭の話も、嫌な顔1つせず受けてくれたし。それに、俺がヤクザの息子だって言っても、友達だって言ってくれました。それだけでも十分、真上さんに協力する価値が有るんッスよ」
「倉津さん……」
う~~~む、自分で言ってて、こう言うのもなんだけどな。
うぇぇえぇぇ~~~。
くさぁぁあぁあぁぁ~~~&ハズッ!!&馬鹿じゃねぇの俺?
「まぁまぁ、そう言う訳なんで、良かったら、考えてみて下さい」
「ありがとうございます……私、この身に変えても、倉津さんに、この借りをお返させて頂きますね」
真顔で、そう言う重い事を言うんだよな、この人。
サムライか!!
それとも幕末に志士かなにかですか?
大体ッスね、これ自体は、そんな感謝して貰う様な大層な話じゃないんッスよ。
けど、真上さんって根が真面目そうだから。
この場合、本気でこんな事を言ってる可能性も無きにしも非ずなんだよなぁ。
なら、ややこしい事になる前に、保険だけは掛けとこ。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
これ、漫画みたいな話なんですが。
ヤクザじゃなくても、実際こう言うルートで仕入れている業者ってあるんですよね。
まぁ、一般人からすれば、全然笑えない様な黒い話ではあるのですがね(笑)
さてさて、そんなグレーゾーンなルートを真上さんに提案した倉津君なのですが。
どうにも真上さんは真面目で義理堅い性格なので、これを大きな借りと感じている模様。
また真顔で、あんな事を言ってきてるみたいなので……やや、これを危険信号と察した倉津君は、どの様な対応を取るのかが楽しみですね。
そんな感じで、次回のお話は進行していきますので。
また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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