最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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837 理解しきれない奇妙な状況

公開日時: 2023年5月23日(火) 00:21
文字数:2,222

●前回のおさらい●


 病院の一室で目覚めた眞子。

そこに居た医者らしき人物から、現状を説明されたまでは良かったが。


その後、突然、何故か眞子と事を『倉津真琴さん』と呼び、眞子を混乱に陥れる。

「あぁ、そうですね。確かに、今のは言葉には語弊がありましたね。今の貴女には『向井眞子さん』と、お呼びした方が、宜しかった様ですね」

「なっ!!なにを言ってるんですか?私は、今も昔も変わらず『向井眞子』ですよ!!それに、此処はどこなんですか?アナタ、一体、何者なんですか?」


この状況、全く持って意味が解らない。

それに何故、この見ず知らずの人が、私の『真実』を知っているの?


おかしい……明らかに、これはおかしい。


この真実を知ってる人間は『崇秀』『奈緒ネェ』『モジャモジャの人』『崇秀のお父さん』

どう多く見積もっても、この4人が関の山。


それ位しか居ない筈なんだけど……



「オヤオヤ、これはまた一度に沢山の質問をぶつけられたものですね。こう質問の数が多いと、どれから答えて良いものやら、これは悩み処ですね」

「おかしな事を言わないで下さい!!本当に此処は、どこなんですか?」

「ふむ。どうやら、まずは質問2つに絞られた様ですね。では、その2つの解答をお答えしましょう。まず、貴女が最初に聞かれた『おかしな事』についてですが。これは、なにもおかしな事ではなく、紛れもなく、ただの『事実』です。それと『此処がどこか?』と言う質問についてですが。此処は、紛れもなく病院ですよ。……但し、アナタの認識してる病院とは、少々異なりますがね」


やけにドヤ顔で質問に答えたと思ったら、また変な事を口走りだした。


しかも、そんな風におかしな事を言うだけではなく。

此処は病院では成るけど、私が認識する病院ではない、って言うのは、一体、どう言う意味なの?


仮に私と彼との間に、病院と言うものの認識に違いが有るとすれば『場所』ぐらいのものしか思い浮かばないんだけど。

それにしたって、私自身が、元々この病院の場所なんか知らないんだから、その理屈すら整合性がない。


なら、なにが言いたいの?


それに、私の『真実』を、何故知ってるの?



「へっ……変な事を言わないで下さい。本当に何所なんですか?」

「ですから。別に変な事は、なにも言ってませんよ。全て事実を述べたに過ぎません」

「だったら、なんで病院なのに、私が認識している病院とは違うんですか?その時点で、言ってる事が破綻してるじゃないですか」

「いいえ。ライブで倒れられた後、貴女の体は、この病院に搬送されたので、此処が『病院』だと言う認識で、なにも間違いではありませんよ」

「だったら」

「ですが、今こうして僕と話されている貴女の意識は、その病院とは、少しかけ離れた場所に有ると言う話です。何故なら貴女は、まだ病院内では意識が回復せず『昏睡状態』のままなのですからね」


ほっ、本当にこの人は、さっきからなにを言ってるの?


こうやって、顔を突き合わせて会話をしているって言うのに、それでも尚『昏睡状態だ』なんて言われても、意味が解らないだけ。


ひょっとして、この人が頭が狂ってるの?



「アナタ……さっきから、なにを言ってるんですか?それ以上おかしな事を言うなら、直ぐにでも、此処から出て行って下さいよ!!出て行かないなら、人を呼びますよ!!」

「どうぞ、御自由に。……但し、貴女が幾ら叫んでも、喚いても、この部屋には誰も来ませんよ。此処は『貴女自身の精神の世界』である以上、他からの干渉なんて普通なら出来ませんからね……僕の様に、直接、貴女の脳に語り掛る以外は不可能だと思って頂ければ、重畳です」


そんな現実離れした話が……どう転んでも、有り得る筈が無い。

幾ら私の体が、奇妙奇天烈な体の持ち主だとは言え、そこまで常軌を逸した事が起こる筈が無い。


……けど、体がピクリとも動いてくれかないから、なにも抵抗出来無い。

唯一この状態から助けを呼べる方法が有るとしたら、この動く口で、兎に角、有りっ丈の大声を出して、誰かに助けを呼ばなくちゃね。



「誰か!!誰か居ませんか!!助けて下さい!!変な人が病室に入って来てます!!助けて下さい!!誰か!!」


必至に助けを呼んでは見たものの、部屋の扉は無反応のまま。


誰かが、この部屋に来る様子は無い。

それどころか、院内が、やけに静まり返っている。


……なにこれ?



「はぁ……解らない方ですね。先程、此処には誰も居ないと言った筈ですよ」

「病院なら、そんな筈……誰か!!」

「……あぁ、確かに、そうでしたね。此処でも、少し僕の意見には間違いがありましたね。お1人だけ、そこに居られるのですから、誰も居られないと言う表現は正しくはありませんでしたね」

「へっ?」

「……ほら、貴女の傍らに、お一人だけ居られるじゃないですか、ほら、直ぐ傍に……」


言われるがまま、無意識の内に彼の指さす方向に視線を向けてしまった。


するとそこには、私が予想もしなかった様な人物の姿が……そんな馬鹿な。



「えっ?……あっ……あっ……ひっ!!ひぃいぃぃ~~!!」

「……返してくれよ。なぁ、眞子。……俺の体を……返してくれよ……もぉこれ以上、俺の体を奪わないでくれよ……」


なっ……なんで?

なんで、此処に真琴ちゃんが存在するの……


そんな筈……ないのに……なんで居るの?

なんで私の寝転んでいるベットの傍で俯いたまま座ってるの?


……あれは、私がライブ中に見ただけの『夢』や『幻』だった筈。

だから、こんな光景があり得る筈がない。


それに第一、私が元々倉津真琴だったんだよ。

私が倉津真琴だったんだから、彼が、此処に存在する事自体がおかしな現象。


何処をどう考えても、真琴ちゃんが、此処に居る筈なんか無い……


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


なんだかややこしい話になってきましたね(笑)

眞子が存在するのに、同時に倉津真琴が存在すると言う、この有り得ない状況。


ただ、この状況を理解して頂く上で必要な事は、一応、本編でも書かせて頂いたんですがね。

①ここが、眞子の精神世界である事。

②この医師らしき人物は『第三者として』直接、眞子の脳に語り掛けている事。

③そして、この男は、この状況を全て理解していると言う事。


この3点があげられます。


まぁでも、これだけで、全てを理解する事は難しいと思います。

なので次回は、この辺りの説明を、より詳しく書いていきたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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