●前回のおさらい●
病院の一室で目覚めた眞子。
そこに居た医者らしき人物から、現状を説明されたまでは良かったが。
その後、突然、何故か眞子と事を『倉津真琴さん』と呼び、眞子を混乱に陥れる。
「あぁ、そうですね。確かに、今のは言葉には語弊がありましたね。今の貴女には『向井眞子さん』と、お呼びした方が、宜しかった様ですね」
「なっ!!なにを言ってるんですか?私は、今も昔も変わらず『向井眞子』ですよ!!それに、此処はどこなんですか?アナタ、一体、何者なんですか?」
この状況、全く持って意味が解らない。
それに何故、この見ず知らずの人が、私の『真実』を知っているの?
おかしい……明らかに、これはおかしい。
この真実を知ってる人間は『崇秀』『奈緒ネェ』『モジャモジャの人』『崇秀のお父さん』
どう多く見積もっても、この4人が関の山。
それ位しか居ない筈なんだけど……
「オヤオヤ、これはまた一度に沢山の質問をぶつけられたものですね。こう質問の数が多いと、どれから答えて良いものやら、これは悩み処ですね」
「おかしな事を言わないで下さい!!本当に此処は、どこなんですか?」
「ふむ。どうやら、まずは質問2つに絞られた様ですね。では、その2つの解答をお答えしましょう。まず、貴女が最初に聞かれた『おかしな事』についてですが。これは、なにもおかしな事ではなく、紛れもなく、ただの『事実』です。それと『此処がどこか?』と言う質問についてですが。此処は、紛れもなく病院ですよ。……但し、アナタの認識してる病院とは、少々異なりますがね」
やけにドヤ顔で質問に答えたと思ったら、また変な事を口走りだした。
しかも、そんな風におかしな事を言うだけではなく。
此処は病院では成るけど、私が認識する病院ではない、って言うのは、一体、どう言う意味なの?
仮に私と彼との間に、病院と言うものの認識に違いが有るとすれば『場所』ぐらいのものしか思い浮かばないんだけど。
それにしたって、私自身が、元々この病院の場所なんか知らないんだから、その理屈すら整合性がない。
なら、なにが言いたいの?
それに、私の『真実』を、何故知ってるの?
「へっ……変な事を言わないで下さい。本当に何所なんですか?」
「ですから。別に変な事は、なにも言ってませんよ。全て事実を述べたに過ぎません」
「だったら、なんで病院なのに、私が認識している病院とは違うんですか?その時点で、言ってる事が破綻してるじゃないですか」
「いいえ。ライブで倒れられた後、貴女の体は、この病院に搬送されたので、此処が『病院』だと言う認識で、なにも間違いではありませんよ」
「だったら」
「ですが、今こうして僕と話されている貴女の意識は、その病院とは、少しかけ離れた場所に有ると言う話です。何故なら貴女は、まだ病院内では意識が回復せず『昏睡状態』のままなのですからね」
ほっ、本当にこの人は、さっきからなにを言ってるの?
こうやって、顔を突き合わせて会話をしているって言うのに、それでも尚『昏睡状態だ』なんて言われても、意味が解らないだけ。
ひょっとして、この人が頭が狂ってるの?
「アナタ……さっきから、なにを言ってるんですか?それ以上おかしな事を言うなら、直ぐにでも、此処から出て行って下さいよ!!出て行かないなら、人を呼びますよ!!」
「どうぞ、御自由に。……但し、貴女が幾ら叫んでも、喚いても、この部屋には誰も来ませんよ。此処は『貴女自身の精神の世界』である以上、他からの干渉なんて普通なら出来ませんからね……僕の様に、直接、貴女の脳に語り掛る以外は不可能だと思って頂ければ、重畳です」
そんな現実離れした話が……どう転んでも、有り得る筈が無い。
幾ら私の体が、奇妙奇天烈な体の持ち主だとは言え、そこまで常軌を逸した事が起こる筈が無い。
……けど、体がピクリとも動いてくれかないから、なにも抵抗出来無い。
唯一この状態から助けを呼べる方法が有るとしたら、この動く口で、兎に角、有りっ丈の大声を出して、誰かに助けを呼ばなくちゃね。
「誰か!!誰か居ませんか!!助けて下さい!!変な人が病室に入って来てます!!助けて下さい!!誰か!!」
必至に助けを呼んでは見たものの、部屋の扉は無反応のまま。
誰かが、この部屋に来る様子は無い。
それどころか、院内が、やけに静まり返っている。
……なにこれ?
「はぁ……解らない方ですね。先程、此処には誰も居ないと言った筈ですよ」
「病院なら、そんな筈……誰か!!」
「……あぁ、確かに、そうでしたね。此処でも、少し僕の意見には間違いがありましたね。お1人だけ、そこに居られるのですから、誰も居られないと言う表現は正しくはありませんでしたね」
「へっ?」
「……ほら、貴女の傍らに、お一人だけ居られるじゃないですか、ほら、直ぐ傍に……」
言われるがまま、無意識の内に彼の指さす方向に視線を向けてしまった。
するとそこには、私が予想もしなかった様な人物の姿が……そんな馬鹿な。
「えっ?……あっ……あっ……ひっ!!ひぃいぃぃ~~!!」
「……返してくれよ。なぁ、眞子。……俺の体を……返してくれよ……もぉこれ以上、俺の体を奪わないでくれよ……」
なっ……なんで?
なんで、此処に真琴ちゃんが存在するの……
そんな筈……ないのに……なんで居るの?
なんで私の寝転んでいるベットの傍で俯いたまま座ってるの?
……あれは、私がライブ中に見ただけの『夢』や『幻』だった筈。
だから、こんな光景があり得る筈がない。
それに第一、私が元々倉津真琴だったんだよ。
私が倉津真琴だったんだから、彼が、此処に存在する事自体がおかしな現象。
何処をどう考えても、真琴ちゃんが、此処に居る筈なんか無い……
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
なんだかややこしい話になってきましたね(笑)
眞子が存在するのに、同時に倉津真琴が存在すると言う、この有り得ない状況。
ただ、この状況を理解して頂く上で必要な事は、一応、本編でも書かせて頂いたんですがね。
①ここが、眞子の精神世界である事。
②この医師らしき人物は『第三者として』直接、眞子の脳に語り掛けている事。
③そして、この男は、この状況を全て理解していると言う事。
この3点があげられます。
まぁでも、これだけで、全てを理解する事は難しいと思います。
なので次回は、この辺りの説明を、より詳しく書いていきたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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