●前回のおさらい●
ベースやカバン等の持ち物が見付からずに困り果ててた眞子だったが。
崇秀が、それらを全部回収した上で、眞子の回復をロビーで待ってくれていた。
その後、2人で少し会話をしていたら『今回のライブの本質』についての話になり……
「うん?あぁ、まぁね。何処かの誰かさんが、豪く無茶苦茶なライブをしてくれたお陰で、演奏の良い体験をさせて貰ったよ。……かなり強引だったけど、結構、良い感じだったと思うよ♪崇秀の気持ちも、良く伝わってきたしね」
「ほぉ、そっか。そりゃあ良かった。……なら、今後に期待してるぜ」
「おぅ♪まかせろい♪」
崇秀は、いつも自身のやる行動には、必ずしも強い信念を持ってる。
だから、ど・う・せ、なにを言っても、基本的に懲りない。
その上で、今回は、私が崇秀の思惑が解ってる以上。
気持ち良く、その話を受け入れてあげた方が、お互い気持ち良く居られる。
まぁ、なんにしても、ヤリスギなのは玉に瑕なんだけどね。
それは、それで良しとしましょう。
「……あぁそうだ、そうだ。そう言えば、荷物纏めておいてくれて、ありがとうね」
「あぁ、構わねぇよ。序だったし」
その様子だったら、ステージから降りる序に、放置されたベースを見つけた訳ね。
うちの子が、ご迷惑をお掛けしました。
かしこ。
「……さてと。今日1日、残り30分程有るんだが、なんか遣り残した事は無いか?なにか希望があるなら言ってみろ」
「ふ~~~む、希望かぁ。う~~ん、そうだねぇ。……じゃあ、ちょっと外をブラブラしながら、話そっか。但し、時間がオーバーしても、必ず、奈緒さん家まで送ってよね」
「ほぉ、賢明だな」
「付き合い長いもんでね」
う~~わっ!!
この言い草だったら、ちょっとでも時間が過ぎたら100%この場に見捨てて帰るつもりだったんだ。
……信じられない。
……そして、やりかねない。
***
まぁ、そんな感じでして。
まず、アリーナから外に出て思った事は……
『さぶぃ~~~』
勿論、防寒具は、たんと着込んで来てるんだけど。
今日の朝と昼間が妙に暖かかったから、大丈夫だと安心しきって、やや薄着で来てしまったもんだから、現状では滅茶苦茶寒いです。
流石1月……並みの寒さじゃないね。
特にアリーナの中がガンガンに暖房が効いて暖かかったから、外に出たら、通常の倍以上の寒さを感じる。
まさに『寒さ倍化』
そんで、あまりの寒さに少しブルッと身震いした瞬間。
崇秀は何食わぬ顔をして、自分の着ている上着を脱ぎ。
なにも言わず、私に掛けてくれた。
その上、首元に巻いているマフラーまで外して、私の首に軽くクルッと巻いてくれる。
そして私は……
『おぉ~~~、なんて自然に、女の喜ばし方を知ってるジェントリーな男なんだ』
……等と、崇秀の何気ない気遣いに、大いに感心してしまう。
けど、ちょっと、これは……照れるね。
それに、ドッチも、ちょっとタバコ臭いね。
されど、それも嫌いじゃないけど。
***
えぇっと……ってな感じでございまして。
今更ながら『本当に女の子扱い』されてる事を、妙に自覚しながら。
近場を意味も無くプラプラして、いつも通りな無駄話をしてるんだけどね。
なんて言いますかねぇ。
この時期の、この辺りってね。
カップルがアチラコチラに出没していて、矢鱈と目に付くと言いますか。
そこら辺で、矢鱈滅多らイチャイチャしてるから、眼のやり場に困るんだよね。
……ってか、もっとハッキリ言えば。
アチラコチラで『発条で動くキス人形か!!』ってぐらい、チュチュカしてるし。
チラホラと、公共の場で『露出プレイ』を楽しむ様な盛りの付いたカップルさえ居る始末。
なんか、非常にグツが悪いです。
でもでも、そう言う雰囲気だからこそ、男女関係についての、ある質問を崇秀にしてみた。
「あぁ……そう言えばさぁ。崇秀って、MITの子が好きじゃない」
「んあ?どうしたんだよ、急に?なんの話だよ?」
「いや、あの、好き嫌いの話」
「あぁ、だったら、まぁ好きだなぁ」
「そうなんだ」
まだ好きなんだ。
「……って事はさぁ。その子に入れ込んでるって事は、最近、Hしてないの?」
「う~~ん、そうだなぁ。まぁ、全くしてないって訳でもないんだがな。別に、特別したいって訳でもねぇな。まずにして、相手に、そこまで興味は持ってる訳でもねぇしな」
「ふ~~~ん。中一の時は、散々女の子を泣かせてたのに、結構、落ち着いたもんなんだね」
「ア~ホィ。オマエなぁ、軽々しく人聞きの悪い事を言ってんじゃねぇぞ。……言って置くがなぁ。俺は、1度たりとも『女を泣かせた』事はねぇ。相手が勝手に盛り上がってただけのこった」
「いやいや、そうは言いますけど。現に私、散々泣かされてますけど。……それって、ヤッパ、除外なんですかね?対象外商品?」
「いや。眞子は、ちゃんと、女のカウントに入ってるぞ」
「えぇ?じゃあ、いっぱい泣かしてるじゃん。……私を」
結構、泣いてますけどね。
色んな意味で……ポロポロ、ポロポロ泣かされてますけどね。
「あのなぁ、眞子。オマエが泣いたのは、全部、感情が昂ぶっての話だろ。別にHされて、男女間の痴情の縺れから生じた問題で泣いてた訳じゃねぇだろうに。そう言うのは『女を泣かせた』とは言わねぇの」
「あぁそっか、そっか。悪い方じゃないから『泣かされた』には入らないんだ」
「そう言うこった」
なるほど……了解!!
なんとなく、そんな気もしますしなぁ。
そして同時に……騙されてる気がしないでもない。
「そっか、そっか。……あぁ、それはそうとさぁ。崇秀って、Hする為に、どこで女の子を確保してるの?やっぱりナンパとかするの?」
「う~~~ん、そうだなぁ。小学校5年の時は、結構、女に嵌ってたから、どこや彼処でナンパしてたけど。中学に入ってからは、殆ど、向こうから声を掛けてきたから『コンパ』とかが大半になって来てたな」
「君、君……ちょっと待とうか」
「うん?なんだよ?」
「ナンパや、コンパの話は良いんだけどね。その話からして、崇秀って、童貞捨てたの小学校5年生なの?」
「いや、初体験は小学校の4年だ。……確か、相手は……えぇっと、いや、あれ?どこだっけなぁ。……あぁっと、確か、あぁアイツだ。高田貿易って会社の新入社員だったんじゃねぇかな。名前は、完全に忘れたけどな」
・・・・・・
なんで小学生が、社会人と、お知り合いに成れるんでしょうね?
相変わらず、謎な生き物だなぁ。
それに、初体験の相手の名前忘れるかね……君わ?
でもでも、どうやって知り合ったのかだけは、知りたいよね。
「あのさぁ、小学生が、どうやったら、OLさんなんかと知り合いになれる訳?」
「んあ?なんだっけなぁ?……あぁ、確か、接待……だったかな?」
「いやいや、おかしいって、それ」
「なんでだよ?」
「えっ?だって、小学生が、貿易会社に接待なんかされる訳ないじゃない」
「オイオイ、オマエ、スッカリ忘れてねぇか?」
「なにを?」
「俺、小学4年の時から、GUILDの前衛になってた『音楽専用サイト』を立ち上げてたんだぞ。それで、音楽提携の話を『高田貿易』から依頼されて、1度取引をした事が有るんだよ。……まぁ、その時の、接待の『オマケ』でHしたんじゃねぇの」
……聞くからに最低ですね。
まさに屑ですね。
それに、果てしなく嫌過ぎる小学生ですね。
そんなアナタは、即座に『見境の無いの淫獣』に認定です。
それと同時に『淫獣王・山中君2号』の称号を与えます。
おめでとう。
……そして、直ぐに死んで下さい。
「ふ~~ん。でもそれって、ただ単にHしただけで、愛情は無かったんだよね」
「ある訳ねぇじゃんよ。甲斐性は有っても、俺も、その当初は、そこまでマセちゃいなかったからな。一夜限りの火遊びって所なんじゃね」
「小学生が火遊びって……じゃさぁ、じゃあさぁ。相思相愛で、初めてHしたのって、いつ?」
「ふむ。そりゃあ、ちょっと解答し難い質問だなぁ」
「なんで?」
「いやな。その時は真剣に考えてても、相手がドン引くパターンが多かったからな。お互いが、好きとか、嫌いとかの判断が難しいんだよ」
「『ドン引く』って、なに?……『崇秀なのに』告白したら嫌がられたとか?」
「オイこら、なんだその微妙な、差別発言は?」
「えぇ~~~っ、だってさぁ。崇秀だよぉ。告白されて、嫌な女の子なんていないと思うんだけどなぁ」
でしょ?
違う?
「いや、そうじゃなくてな。別に『嫌がられた』訳じゃねぇんだけどな。なんか相手がな。好きで在っても、俺の思考について行けなくなって、困惑しちまうんだとさ。だから、さっきも言った様に、お互いが好きでHしてるのかの判断がしずらいんだよ」
あぁ……頭の良い弊害が出ましたね。
お可哀想に……合掌。
「なるほどね。確かに、崇秀の考え方って、大分、普通じゃないから。一般的な女の子じゃ、中々、彼女は勤まらないよね」
「まぁなぁ。つぅってもな。俺は、別に、普通にしてりゃ、なんとも思わねぇんだけどな」
「いや、その普通の基準がさぁ。実は、凄く細かいんじゃないの。『彼女のあり方』の項目だけで500項目ぐらい有るとか」
「どうだろうな。俺の考える普通ってのは、普通に自分を磨いてる奴の事を指すだけなんだけどな。特別なにかしとけ、って気持ちはないんだけどな」
折角、ボケて言ったのに、サラッと『500項目』のボケは流したな。
ってか、なにも言わなかった所を見ると。
本当に『彼女の有り方500項目』とか言う物が、実在したりして……
……怖ッ!!
「ふむ。じゃあ、そこの磨き加減ってのが難しいんじゃない?多分、崇秀の言う『普通』って言うのは『凄い磨いてないと』それに当て嵌まらないとかね」
「それも微妙だな。……自分で自分を凄い磨いてるって言う奴程、大半、見掛け倒しの雑魚ばっかしだしな。それに磨いてないって奴は、トコトンまで、本当に磨いてない。まぁ、早い話、そう言う人間が、少なくなって来てんのは事実だろうな」
確かにね。
でも、崇秀の『理想基準が高過ぎる』ってのも否めない話だとは思うだけどね。
なんてったって『地上を見下ろせる程』の理想の高さだもんね。
「まぁねぇ。……けど、私みたいなモブッ娘は、そう言う崇秀みたいな異常性は持ってないから、実際の処は、そこら辺は、よく解んないけどね」
「はい?……ちょっと待て、オマエ。オマエさぁ、ひょっとして、自分が異常だって事に、まだ気付いてないのか?」
「はい?……ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待ってって。なんでぇ?なんで急に、そんな酷い事を言うかなぁ?私のどこが異常だって言うのよ?ほらほら、どこを見ても、私なんて普通に『可愛いだけのモブッ娘』じゃない。異常な所なんて、どこにもないじゃん。……ッてか、ひょっとして、この体の話してる?」
「してねぇよ!!……それとなぁ眞子」
「なによ?」
「オマエにさぁ。こう言っちゃなんだけど。オマエの親戚の『倉津真琴』も、大概、異常な奴なんだぞ。この分じゃオマエも、アイツ同様、相当、重症な無自覚症候群だな」
あれれ?なんでそんな悲しい事を言われなきゃいけないのかな?
しかも、世界で一番『無自覚症候群』の奴に、真琴ちゃん『無自覚症候群』とか言われちゃてるよ。
あれれれれ?
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
ライブで色々あったとしても、何故か仲が良い2人(笑)
結局の処、男女問わず、こう言う関係が構築されているのが一番良い事なんでしょうね♪
その上で崇秀は、キッチリと眞子を女性扱いするのも忘れてない様ですし。
さてさて、そんな中。
崇秀が感じる『倉津君や眞子の異常性』について、なにやら語られる様ですが。
一体、崇秀は、どんなところに異常性を感じているのでしょうね?
次回は、その辺を書いていきたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾
……にしても『小学4年生でDT卒業って……』
普通じゃね?( ー`дー´)キリッ ('ω'*)まぁ、そう言う子身近にいましたけどね。
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