●前回のおさらい●
サボった罰として、教室の出し物を仕切ると同時に。
今まで頑張ってくれてた助っ人である奈緒さん達に休憩を促す倉津君。
だが、そこにはある倉津君の企みがあった(笑)
……んな訳でだ。
素直・由佳・伊藤の3名を残した他の女子達は、出店に食事を摂りに行く。
そんで、嶋田さん・山中・俺を除いた男共は、これらの警護をする為に、女子達にくっ付いて行った。
そんじゃま、これで準備は万端になったぞ。
さっき、みんなに一杯怒られた分。
此処からは一発逆転を狙って、この企画で、みんなを驚かせてみるか。
ゲ~スゲスゲスゲス……
ゲ~~スゲスゲスゲス……
ゲ~~~スゲスゲスゲス……
ではでは……チェリ~~~ズ(童貞)&ジェントルメ~~~ン(紳士)の諸君!!
(↑まだ言ってる)
この後は、俺が企画したロクデモナイ・ショーの開幕の時間だ!!
期待せずに、眼を見開いて活目せよ!!
(↑結局、上手く行くかは自信無しな俺)
***
さてさて。
企画の全貌を明らかにする前に、少し俺が以前から電話をしていた相手について話しておこう。
まず俺が、以前から昨日までに電話をした相手なんだが……
嶋田さん・康弘・山中・武藤・ガキ・モヒ&ロン。
そして、スリーストライプの山さんっと言われる人物。
この男8人に加えて、ウチのクラスの女子全員に電話を掛けたんだ。
しかも、全員に電話したのは、さっきも言った様に昨日今日の事じゃねぇのな。
この企画は、もっともっと以前から、誰にも気付かない様な水面下で、音も立てず、密かに進行していたんだよ。
『それが、いつ発動し始めたか?』って言うとだな。
奈緒さんと帰宅途中に歩きながら話していた時(第1部の5話参照)『『仲居間さんを倒したい』とは言ったけど『音楽で』なんて限定した憶えは無いよ』なんて、奈緒さんが発した言葉を憶えているだろうか?
彼女が何気なく発したこの言葉こそが、全ての引き金になってるんだよ。
要するにだ。
俺は、奈緒さんのあの意見に賛同してだな。
あの時点から、違う意味での『打倒崇秀』を綿密に考え始めてたって訳だ。
……でわでわ、そろそろ、その電話の内容と言うか、頼んだ事をお教えしようじゃないか。
嶋田さん ……あるグループの為の作曲と、ギター演奏&録音。
康弘 ……頼んだが、遠藤組の見回りが忙しいらしく断られた(不参加)
山中 ……嶋田さんの作った曲のドラム演奏&録音。
武藤 ……あるグループの、ステージ用のメイク・アップ。
ガキ ……あるグループの、全体的なコーディネート。
モヒ&ロン……あるグループの、応援&バックアップ
山さん ……あるグループに、商品価値が有るかの見極め。
そんで最後になったが……
クラスの女子全員には、嶋田さんの作った曲を憶えて貰い。
それと同時に、それに見合った振り付けを、ダイエット開始時期と同じぐらいの時から、数週間に渡って考えて貰っている。
そぅ、此処まで言えば、もうお解りだと思う。
俺は、この2-B女子と言う素材を使ってだな。
……素直をリーダーとした『世界初!!クラスの女子全員が同じアイドル・ユニット』なんて、無茶なモノを作ろうと思ってるんだよ。
いや、ぶっちゃけて言えばだな。
こんな企画、普通は通る訳ないし、文化祭までの期間が短過ぎて、準備すらままならない筈だったんだがな。
此処で俺は、この企画を通す為に必要な、幾つかの幸運に恵まれたんだよ。
『その幸運とは何か?』って言うとだな。
まずは……
①奈緒さんが、あの時点で、学校に遊びに来る事が確定していた事。
●これにより、プロダクションサイドが、この地元での好感度アップの為に、高確率で『ライブ会場が設置』する可能性が高くなる=ステージ設置の準備が必要なくなる。
更に、この噂が立っただけでも、文化祭の集客力がグンッと伸びる。
②GUILDの面子が顔を揃えている事。
●①同様の回答なんだが、素直が此処に所属している以上、使わない手は無い。
要するにだ。
崇秀が先のライブで作った、奈緒さんを筆頭とする面々の『妹分として売り出そう』って算段なんだよ。
後は、このユニット自体を、GUILDと言う音楽機関に丸投げするだけでOK。
そうすれば、クラスの女子全員にプロダクションが付くだろ。
これについては⑤で紹介する山さんが、一枚噛んでくれている。
③奈緒さんが引き入れたTV局。
●イキナリ、全国放送がされるチャンス。
早い話、なんの捻りも無く崇秀の真似だ。
④色んな意味で目立つステージ衣装がある。
●真上さんが作ってくれたメイド服を、そのままステージ衣装として使える。
⑤スリーストライプの山さんと言う存在。
●この人自身は、崇秀を介してライブで知り合った人だから、俺自身は、ほぼ面識が無い状態の人だったんだがな。
実は奈緒さんから裏情報として、この山さんって人が『新人発掘で苦労している』と言う噂をキャッチしたんだよ。
だから俺は、そこに目を付けてだな。
奈緒さんに内緒で、山さんが居る川崎の事務所まで、この話を持って行った訳だ。
すると、山さんは……ほぼ面識が無いにも拘らず。
俺に嫌な顔1つせず、事務所に招き入れてくれて話を聞いてくれた。
そして1つ返事で……『じゃあ、僕が1度見てみるよ』っと、自分が、新人発掘に苦労しているのか、快く承諾もしてくれた。
これは、このユニットを作る上で、大きな躍進だ。
⑥大人の欲望を上手く使った戦略。
●これが、俺にとっては、一番の目玉戦略なんだが、同時に大きな賭けでもあった。
なんせ、相手が相手だし、この⑥に関してだけは、今さっき成立が決まったところだからな。
―――では『その難易度の高い戦略とは何か?』って言うとだな。
『あの薄気味悪い笑顔を浮かべる政治家を、山さんに頼んで、自陣営に抱き込んだんだよ』
―――『これは、どういう事か?』っと疑問に思ったと思うんだが……説明するだけなら、実に簡単な話だ。
以前にも(第1部12話)言った通り、次の選挙で得票数の欲しい政治家が、この文化祭に参加してきた。
だから奴が、今一番欲しい物を与えてやったんだよ。
『今の内に、このユニットと懇意にしておけば、後に知名度や好感度が上がる』って話でな。
―――『何故、そうもアッサリ引き受けたか?』
いやいや、これについては、全然アッサリではないんだが、これも説明だけなら簡単な話だ。
まず、今まで話した①~⑤の話を全て奴に説明し。
その上で、このユニットのリーダーが、既に知名度がある『有野素直』だと教えてやったんだ。
更にだ『売れなくても、これと言ったリスクはなし、売れれば、自己PRにも繋がる』って、話を更に付け加えてな。
(↑これ自身は、山さんが説得してくれたんだがな)
けど、そうは言っても、奴は海千山千の政治家。
そう簡単には、首を縦に振ってはくれない。
疑心暗鬼になるのが商売みたいな連中だから、初めは深く疑って掛かって来て、簡単には話に乗らなかったんだよ。
だから、山さんに、ある言葉の駆け引きをして貰ったんだ。
因みに、使った言葉は……『有言実行』って言葉だ。
これは今回の文化祭の開会式で、奴が長々とした『皆さんの若い力で、神奈川県を盛り上げて、もっともっと良い街造りをしましょう!!』って話を逆手にとって思い付いた事なんだがな。
これって、今の俺がしている話が=関係にならねぇか?
アイドルユニットとは言え、こうやって、若い人間をバックアップしてる以上、奴のやっている事と、言っている事の辻褄がバッチリ合うってもんじゃね?
その上、彼女達が全員『奴の地元』と言う名目。
『最初からバックアップしていた』っと言う名目。
この2つが同時に発生してるから、次に、この政治家が出馬する選挙の際に、彼女達が選挙活動の手伝いをしても、世間じゃ、なにも違和感を感じないんじゃないか?
それに、こうやれば政治家としても、若い世代から多くの得票数を得る事が出来るんじゃないか?
これ等の理由を山さんが上手く説明すると、自然に奴から手が差し伸べられ。
最後には、山さんに対して、欲望に塗れた満面の笑みで、自ら握手を求めてきたらしい。
これにより、自己利益を得る為に、強固な相互関係が結ばれ。
お互いの為にも、このユニットを大きなバックアップをしてくれる可能性も高くなった。
(↑決まるまで山さんは、かなり冷や汗モノだったらしいがな)
……以上。
6つの項目が上手く重なってくれて、今回の様な、良い機会に恵まれたって言う訳だな。
つぅか、それ以前にな。
これ等の条件が揃わなくても、この企画自体は強制発進するつもりだったんだけどな。
だってよぉ。
これはもぉ以前にも言った話なんだけどな。
ウチのクラス女子ってな、比較的可愛い奴が多く、基本的に粒が揃ってんだぞ。
まぁこれを『奇跡』なんて言葉を使って言っちまえば、かなりチープな感じになっちまうがな。
実際問題としてウチのクラスの女子は『漫画に出て来そうなレベルの高い女の子が揃ってる』って言っても過言じゃないんだよな。
っでまぁ、そう感じると同時にだな。
こう言う奇跡的な事ってよ、多分、俺の人生じゃ、もう2度と起こらねぇ様な気がするんだよな。
なら、此処で動かないでどうするんだよ?って話に成んねぇ?
……っで、更に俺は、此処で不思議に思った事がある訳だ。
『なんで漫画の世界って、モブですら、あんなに可愛い子が揃ってるのに、誰もスカウトが来ないんだろう?下手すりゃヒロインより可愛い奴なんて山程いるぞ』ってな。
それに『なんで纏めて芸能界に入らないんだろうな?』ってな、ってな。
だから今回、無茶を承知で、こう言う無謀な事にチャレンジしてみようかなって思ったんだな、これが。
(↑此処だけの話、クラスの女子全員がアイドルとか面白くね?)
勿論、奈緒さんの『崇秀に勝ちたい!!って、言う強い意思を尊重しよう』ってのも含めてな。
(↑俺個人としては『絶対に音楽で勝つ!!』←無謀な意地を張る俺)
まぁ流石にだな。
これだけデカイ規模の企画になると、今の段階じゃ、どう言う結末を迎えるかは、俺自身にも全く見当も付かねぇけどな。
ダメで元々、やるだけ、やるってみるさ。
ゲ~スゲスゲスゲス……
(↑かなり気に入ってる俺(笑))
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
倉津君にしては前準備も良く、かなり以前から綿密な計画を立てている様ですね(笑)
今回に至っては『上手く行くように応援してあげたい』気分ですね♪
まぁだからと言って、全てが上手く行くとは限りませんが。
此処で仮に失敗したとしても、この経験が後に行かされる様には成って欲しいとは思いますです♪
さてさて、そんな珍しくも頑張ってる倉津君なのですが。
まずは、そのクラスメイト達の練習の成果が見えなければ、成功も見えてこないと言うもの。
倉津君の目算が立つほどの成果が出ているのかは、次回の講釈。
なので、また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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