最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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631 VS山中君・第二ラウンド!!

公開日時: 2022年10月30日(日) 00:21
更新日時: 2023年9月12日(火) 11:17
文字数:2,502

●前回のおさらい●


 奈緒さんが楽屋で上手い事言い。

山中君が、眞子を携えて、自動販売機に飲み物を買いに行く事になった。


さてさて、男時代は仲が良かったが。

女性の眞子としての、山中君との相性は如何なるものか?

 山中君とアリーナ内にある自販機に、飲み物を買いに行く事になったんだけど……


まぁ、それはいいんだけどさぁ。


この男、ホント無駄なぐらいに、よく喋るよね。

楽屋から出た瞬間から話し始めて、この自動販売機に着くまで、一切話が留まる事を知らない。


ドンだけ話し掛けて来るのよって感じ。


まぁ真琴ちゃんは、そんな彼の事を……

『女の子との会話が途切れないのは、羨ましい奴』

『話題の豊富さがスゲェな』なんて思ってたみたいだけど。

正直、此処まで連続して話をされると、女の立場としては……ちょっとウザイ。


うぅん……これはもぉ、かなりウザイ部類。


しかもね。

その話し方にしても、必ず『ボケ・ツッコミ』を要求する様な話しの持って行き方をするもんだから。

仕方なく、愛想笑いと、それなりの『緩いボケ・ツッコミ』をするんだけど……なんか、これも違わない?


男同士なら、こういうのも『スッゴク楽く』感じるかも知れないけど、女目線だと……ドン引き。


一気に、全部が全部、面倒臭く感じてしまう。


そんな感じの時間が続くもんだから。

思ったより山中君と私って相性が悪いのかなぁ?なんて思ってしまう始末。


はぁ~~~、どうしよう?



そんな折、自動販売機の前に到着したんだけど……



「うわっ!!高ッ!!なんで缶ジュースが200円もしよんねんなぁ!!アホちゃうか?ボリ過ぎじゃ!!」


ってな感じで、自動販売機に文句を言うんだけど。

そんな風に、自販機に文句言っても……ねぇ、どうしよもないと思うんだけどなぁ。


文句言ったからって、値引きされる訳じゃないし。

いや、若しくはこれも、さっきのボケとツッコミの類なのかなぁ?


……って言うかぁ。

元々その金額を設定したのは、このアリーナを作った企業の人だし、此処の地代を考えたら、そんなに高くないと思うよ。


寧ろ、正当な金額だと思うんだけどなぁ。


だって『施設』として、この横浜アリーナを建設した時。

まずにして、一体、どれだけの巨額の資金が動いてると思ってるんだろ?


それぐらいは妥協してあげないと、企業も採算が取れないんだから、これはもぉしょうがない事だと思うんだけどなぁ。



「まぁ、えぇか。……ところで眞子ちゃん、なに飲む?奢ったんで」

「あぁ、いえ、自分の分ぐらいは、自分で出しますから、お気遣いなく」

「あのやぁ。ひょっとして、さっきの奈緒ちゃんの件があったから、俺の事を毛嫌いしてるんか?」


別にぃ……


好きも嫌いも無いし……


ただ『ウザイなぁ』って、思ってるだけだけど。



「あぁっと、そう言うんじゃなくてですね。両親にですね。『自分の物は、絶対に自分で買え』ってキツク言われてるもんで……ですから、私の事はお気遣い無く」


真琴ちゃんが言われていたのと同様。

私も、ズッと父に、そう厳しく言われてました。


だから、そう言う事です。



「ふ~~~ん。眞子ちゃんの家は、マコんとこ同様、良家のお嬢さんなんかいな?」

「いえ、いえ、とんでもない。ウチなんて、両親共に共働きしてるサラリーマンですよ。ですから、どこにでもある様な、普通の一般家庭だと思って頂いて結構ですよ」

「ホンマかぁ?なんや堅苦しい喋り方やし。俺には、なんや変に気構えてる様に見えんねんけどなぁ」


変に鋭いなぁ。


詮索されるのって、ウザいんだけどなぁ。



「そんな事はないですよ。本当にごく一般的な家庭ですよ」

「さよか。ほな、本人がそう言うんやったら、そこは納得するわ。……そやけどなぁ、眞子ちゃん。幾ら『親の教え』やから言うて、意固地になんのは良ぅないで。時と場合を選ばな、人の好意を無にする事もある。貸し借り作る以前に、下手したら失礼に値するんやで」


う~~~ん、まぁ、そうなんだけどねぇ。


でも、なんか、山中君にジュースを奢って貰うだけの事なんだけど、それでも、下手に『借り』を作るのは嫌なのよね。


なんか、後々ややこしい事を言って来そうだし。


下心が有りそうで、ヤナのよね。


噂の『淫獣』だし……


噂の『R・J』だし……



「あぁ、はぁ、まぁ確かに、言われてる事は、私にでも良く解るんですが。……知り合ったばかりの方に、奢って頂く道理もありませんので」

「ホンマ堅いなぁ。……まぁ、えぇわ。イラン言うもんを無理矢理奢るのも、おかしな話やからな。無理強いはせぇへん。そやかて、此処で奢らな。俺が、奈緒ちゃんに対する面子が立たへんのも解ってくれ」

「あの、それって……」

「まぁ、ホンマに『絶対に飲みたない』言うんやったら、無理にとは言わんけど。ちょっとでも喉が渇いてんねんやったら、買わせてくれたら有り難いわな」


もぉ、面倒臭いなぁ。


はいはい、じゃあ、奢られてあげますよ。



「甘えても……良いんですかね?」

「良ぇも、悪いもあらへんがな。俺が勝手に奢りたい言うとんねんから。眞子ちゃんが、なんも遠慮せんで良ぇがな。……ほんで、なに飲む?」

「あぁっと、えぇっと、じゃあ『お茶』」

「『お茶』かいな。……ホンマ、可愛い子やな」

「そんな、そんな」


あぅ。

不本意ながら、結局、奢って貰っちゃったよぉ。


……情けなし。


それにしても山中君って、噂に違わず『面倒臭い人』だね。

あれ程、ずっと『イラナイ』って言ってる相手から、無理矢理、奢る方向にまぁ持って行くんだから……こっちは逆に、ある意味、凄いね。


そうやって、最終的には『お茶』を買って貰ったんだけど。

その後、楽屋までの帰り道でも、山中君は、またしてもズッと喋り続けている。


もぉいい加減……ウンザリ。


そんな中にあって山中君は、私が、やっと興味を引くある質問をぶつけてくる。


それが、こんな質問……



「なぁなぁ、ところで眞子ちゃんは、此処にベース持って来とったみたいやけど。バリバリに行く方なん?」


そぉ……楽器の話。


まぁこれしか共通話題が無いとは、最初から思って居たんだけどね。

『生年月日』だとか……

『出身地』だとか……

『親の職業』だとか……

『崇秀との関係』だとか……

『奈緒さんとの関係』だとか……

もぉ本当に、こんな、どうでも良い様な大きなお世話な話は聞くクセに、こう言う本質的な事だけは完全に見逃してたのよね。


これで漸く、初見の奈緒さんが、山中を嫌がった理由が解った様な気がする。


本当に……ウンザリ。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


例え同じ人間であっても、男性と女性の視点では、かなり違う物がありまして。

今回のお話では、眞子に、それが顕著に現れた感じですね。


まぁ、山中君的な気遣いが好きな女性も居られるので、一概にこれが間違いと言う訳ではないのですが。

どうやら、眞子に成った倉津君にとっては、あまり、山中君は良い印象ではない様です(笑)


さてさて、そんな中。

漸く、眞子としても興味のある話である『楽器の演奏』についての話題が、山中君から振られたみたいなのですが。

此処で、眞子は、山中君の以前の様な好印象に変える事が出来るのか?


それは次回の講釈。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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