●前回のおさらい●
奈緒さんが机の下で、誰にもバレない様に休憩(睡眠)をとっているので。
その間、倉津君は物販をしながらも、崇秀の言った『GUILD』と言う言葉の意味を考えていた。
そこに現れたのは……
「あっ、居た居た……兄貴君、飲み物頂戴♪」
そこへ理子さんがやって来た。
一瞬、なに用かと思ったが……彼女の言葉から察するに。
俺が崇秀に頼まれていた女子達に飲み物の配達をするのを、スッカリ忘れていたのが原因の様だな。
だから、そう思ったと同時に謝罪する。
「あぁすんません。みんなに飲み物を持って行こうとしてて忘れてました」
「ははっ、良いよ、別に。奈緒と話が弾んでたんでしょ。……って、あれ、そう言えば奈緒は?」
「あぁ、今さっきから、疲れて机の下で寝てます」
「ぷっ!!奈緒、こんな所で寝てんだ……どれどれ、ちょっと見せて」
「いや、あの、それはちょっと」
この人は、簡単に気を許しちゃいけない人だ。
直ぐに、ナンデモカンデモおかしな写真撮りたがる危険な人物だからな。
故に……なにがあっても、机に下で眠り扱けている奈緒をさんを、絶対に見せる訳にはいかない。
第一にしてだな、奈緒さんの寝顔は俺だけのモノであって、他人に見せて良いもんではない。
なので下手に理子さんに写真でも撮られて、ネットで公開されたんじゃ堪ったもんじゃないからな。
故に、絶対イカン!!
「なんで?」
「いや、理子さん、絶対に奈緒さんの寝顔を写真に撮るつもりなんじゃないッスか?」
「うん?撮らないけど……なんで?」
「あっ……」
「あっ!!そっかそっか、そう言うのも有りだよね。兄貴君、良い事を言うね」
……なんで俺って、こう直ぐに、悪い方向に転がる様な言動をするんだろな?
理子さんは、此処に飲み物を取りに来ただけで、奈緒さんの寝顔を写真に撮る気なんてものは一切無かったって言うのに、俺の余計な一言を言ったせいで、今じゃ撮る気満々になっちまったよ。
アホなのか俺は?
「いや、あの、辞めてあげて下さい」
「大丈夫だって、奈緒の寝顔なら、昨日タップリ見たし。いっぱい写真も撮ったからさぁ。今更今更」
撮られてんだ奈緒さん……
同性相手だと、意外と隙だらけなんだな、奈緒さんって。
「いや、それでもッスね。あまり良くは無いかと」
「良いの、良いの。兄貴君は気にしなくて良いの。私が勝手にしてる事なんだからさぁ」
そう言って、強引にテント内に入って来る。
此処で相手が男なら、殴ってでも止めるんだが。
理子さんは女の子だから、当然、殴るなんて粗野な真似は出来無い。
とほほ……こりゃあ、また奈緒さんに怒られるな。
「うわ!!可愛い、可愛い、超可愛い……何この生き物?早速、写真撮ろっおと♪」
「いや、出来れば、此処は穏便にして頂ければ有り難いんですが……ダメッスかね?」
「嫌」
「最悪だよ、この人」
「なにが最悪なのよ、兄貴君?こんな可愛い生き物を写真に納めない方がどうかしてない?君も、一生に一度しか、お目にかかれないかも知れないレアな奈緒の素顔だよ。それに写真の構図なんて一期一会。この機会を逃したら、君は、きっと後悔するよ」
「いや、それでもッスね。奈緒さんは、俺の彼女ッスから、そのチャンスなら、まだ幾らでも有ると思いますよ」
「違うよぉ~~~。違う違う。その考え、全然、違うよ。……奈緒のこの顔、完全に気が抜けてる顔じゃない。普通、女の子は、男の前じゃ、此処まで無防備にはならないよ。それが彼氏の前なら尚更なら無いと思うけど……君は、どぉ思うかな?」
悪魔だ。
この人は、悪魔だ。
そして、その悪魔は雄弁に語り掛けて、自分の欲望の為に『奈緒さんを売れ』っと囁いてくる。
けどな、理子さん。
俺は、そんな甘い言葉には、早々に……
「じゃ、じゃあ、一枚だけッスよ。……あぁ、それとネットに流すのは無しですよ。あぁ後、それと、俺にも一枚下さい」
乗りましたぁ!!
理子さんと言う悪魔の甘言に踊らされて、話に乗っちゃいましたぁ~~~!!
奈緒さん、ごめんよぉ~~~~!!
つぅかね、翌々考えりゃ、奈緒さんも悪いんッスよ。
そんなに可愛く、猫みたいに丸まって寝てるから、理子さんに写真を撮られる羽目になるんッスよ。
だから、これは、全部が全部、俺の責任って訳じゃないッス!!
なので半分は、奈緒さんの責任と言う事にして置きましょうね。
その方が、お互いの為ッスから……
嘘……ごめんよ、奈緒さん。
けど、悪魔の誘惑は、それ程、巧みなもんなんッスよ。
「中々話せるじゃない、兄貴君……じゃあ、早速撮るねぇ♪」
『ピピピ……パシャ!!』
『ピピピ……パシャ!!』
『ピピピ……パシャ!!』
えっ?……えぇぇええぇぇ~~~!!それって約束の一枚じゃねぇし!!
『ピピピ……パシャ!!』
『ピピピ……パシャ!!』
『ピピピ……パシャ!!』
『ピピピ……パシャ!!』
『ピピピ……パシャ!!』
『ピピピ……パシャ!!』
……オイオイオイオイ理子さん。
それは、流石にマズイって……奈緒さん起きるって!!
『ピピピ……パシャ!!』
『ピピピ……パシャ!!』
『ピピピ……パシャ!!』
『ピピピ……パシャ!!』
『ピピピ……パシャ!!』
『ピピピ……パシャ!!』
ぎゃあぁぁ~~~!!
もぉ辞めてぇ~~~!!
そんなにフラッシュまで焚いて写真を取ったら、マジで奈緒さんが起きるって!!
アンタ、無警戒にフラッシュ焚きすぎッスよ!!
『ピピピ……パシャ!!』
『ピピピ……パシャ!!』
『ピピピ……パシャ!!』
『ピピピ……パシャ!!』
『ピピピ……パシャ!!』
『ピピピ……パシャ!!』
……ダメだコリャ。
「うん?なに?……さっきから、なんかピカピカ眩しいよぉ」
あぁ……ヤッパリ起きちゃたぁ。
っで、奈緒さんが、この現状を把握したら最後……俺は、完全に殺される。
・・・・・・
……いやいや、待てよ。
以前の傾向からして、奈緒さんって、寝起きの直ぐの時間は、少しボケッとするクセがあったな。
なら、まだチャンスは残されてる。
このまま誤魔化してしまえば……
『ゴンッ!!』
「痛ッ!!あいたたたたっ……なになに?なんかで頭を打った。……あっ、あれ?なんで私、机の下なんかで寝てるんだっけ?」
うわっ……最悪だ。
机に頭をぶつけて、一気に目が覚めちまったよ。
「ぷっ……奈緒、奈緒」
「えっ?なになに?……えっ?なんで理子?」
「はい、ピース♪」
「へっ?ピース?ピースってピース?……うん?ピッ、ピース?」
『ピピピ……パシャ!!』
撮ったよ、この人。
この期に及んで、奈緒さんの寝起きの顔まで堂々と撮ったよ。
アンタ、勇者過ぎだよ理子さん。
この時点での奈緒さんを可愛いと判断して、危険も顧みず、写真を撮るなんざ、並の精神力じゃ出来無いぞ。
この人も、大概スゲェな人なんだな。
何所のフォーカスのカメラマンだよ!!
……でも、その共犯者として、俺も奈緒さんに怒られるんだろうなぁ。
(;´д`)トホホ
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
理子さんは勇者ですね(笑)
そして、倉津君を抗い難い誘惑をする……悪魔の様な子です(笑)
さてさて、そんな風に、理子さんに寝顔や寝起きの顔を写真に撮られてしまった奈緒さん。
この後、どう言う展開が待っているのでしょうか?
そこは次回の講釈。
また良かったら、遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ
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