第四十三話【覚悟の程】が始まるよぉ~~~(*'ω'*)ノ
043【覚悟の程】
……早朝から、バタバタと言う慌しい足音がホテル全体から鳴り響いている。
その足音は、アッチに行ったり、コッチに来たり『オマエ等、何往復すれば気が済むんだよ!!』ってぐらい、止めどなく足音が聞こえてくる。
この騒音にも似た足音、俺にとっては、地獄の様な煩わしさだ。
なんせ昨晩は、崇秀に付き合って渋谷~湘南間を往復。
その上、3件ほどライブハウスを梯子。
お陰で眠りに付いたのが、朝方になってからだった俺にとっては、もぉこの止めどなく聞こえて来る騒音は、心底、煩わしいとしか思えない。
まだまだ眠気が残る俺は、これに抵抗すべく手段を打つ事にした。
『布団に包まって、下界の音を遮断』
これを行使する事によって俺は、再度、眠りに付こうとしていた。
……だが、布団に包まった後、ある事に気付いて、結局、眠りに付く事はなかった。
その『ある事』って言うのが、なにかって言うとだな。
―――崇秀の声だ。
『……はいよ。コッチは、これでOKだ。んじゃあ次、女の子達は、そのままの格好で良いから、取り敢えずバスに乗り込んで待機しててくれ。後、出来ればだが、各々日焼け対策用のグッズも忘れない様にな。これが終わり次第、直ぐに此処を出るから、準備を怠らない様にな』
『『『『『『『『『『は~い』』』』』』』』』』
『おっしゃ。そんじゃ女性陣は、それで宜しく!!……オイオイ、そこのB班の奴!!遊びじゃねぇんだぞ!!トロトロしてねぇで、早くバンに衣装と販促品を詰め込んでくれ。マジで、もぅ時間ねぇんだぞ!!』
『『『『『『『『すみません。直ぐに持って行きます』』』』』』』』
『OKOK、怒鳴って悪ぃな。……んじゃあ、次A班、A班は此処に残って、午後からの楽器の搬入と、演奏者の送迎。こちらの方は、任せっきりに成るから。宜しくな』
『『『『『『『『『『ウ~~ッス』』』』』』』』』』
『んで、後なんだったっけ?……あぁそうだ、そうだ。龍斗、オマエは先入りして、海の家を確保しといてくれ。……そこで、女子全員をコーディネートするから、出来るだけ会場からは近場をキープしておいてくれな』
『了解……仲居間さん、単車の鍵』
『ほらよ。勝手に使え。……ハイハイ、みんな、時間が無いぞ!!迅速迅速!!」
『『『『『『『『『『ウッス!!』』』』』』』』』』
このやり取りが原因だ。
今、俺がゴロゴロしてる間にも、奴はホテル内をバタバタと右往左往に駆けずり回り。
大きな声を出しながら、スタッフ達に的確な指示を出している。
この慌しい様子からして、奴は昨晩から寝る事もせずに、徹夜を敢行した事が明白だ。
深夜中を通して、何か企画を立てていたに違いない。
流石に、この態度を見せ付けられて、俺もグゥスカ寝てる訳にも行かず、起きる準備を始める。
だが、口では簡単にそうは言ってみたが、染み付いた悪癖って奴は、早々には治らない。
そぅ……あまり寝起きの良くない俺は、頭では理解していても、脳が上手く体に指示を出してくれない。
この状況下にあっても、俺には、緩慢な動きで準備をするのが精一杯。
現に顔を洗うのも、歯を磨くのも、着替えをするのも、どれを取っても、ノタクタとした呆れる位トロイ動きだ。
このお陰で準備する事30分。
時計を確認したら、既にAM8:30を廻っていた。
そんな折、崇秀の叫び声が、再び聞こえ始める。
『準備OKかぁ?……おっしゃ、ほんじゃま、先発隊行くぞ!!』
『『『『『『『『『『はい!!』』』』』』』』』』
夥しい(おびただしい)数の足音が、俺の部屋の前を通過していく。
オイオイオイ、俺は置き去りか?
っと、思った矢先……
あっ……そうか。
楽器の演奏者は、午後の便で海に向うとか言ってたな。
だったら俺は、そんなに慌て行動を起こす必要性はねぇか。
……っと、自分に都合の良い自己判断をして、勝手に納得する。
まぁ、そうは言っても、流石に、馬鹿みたいに呑気にはしてられないがな。
これで、多少の余裕ぐらいは有る筈だ。
……なんて呑気に思ってたら。
『ガチャ!!』
「オイ、コラ、倉津!!テメェだけは、マジで舐めてやがんのか?なに、いつまでもグゥスカピィスカ寝てやがんだ!!雑用が、呑気こいて寝てんじゃねぇぞ!!サッサと用意しろ!!」
「はっ、はぁ?」
「テメェ舐めてっと、マジでブッ殺すぞ!!この企画……一体、誰の為の企画だと思ってやがんだ」
あぁ……だなだな。
確かに、そうだよな。
別に忘れてた訳じゃねぇんだが、これは少々悪い事をしたな。
「あぁ悪ぃ。ちょ、ちょっと、待ってくれな。……今行く。着替えたら、直ぐ行くからよ」
「あぁもぅ良い。テメェは、どうにもまどろっこしくていけねぇ。面倒臭ぇ、取り敢えず、そのまま来い」
「ちょ……オマエ、鬼か!!俺にだってなぁ……」
「るせぇ!!そんなもん知るか!!つぅか、ゴチャゴチャ言ってねぇでサッサと来い、このタコ助!!」
「ちょオマ!!」
こうやって俺は……意味も解らないまま、女子達の乗るバスに強制連行された。
なにこれ?
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
倉津君の華麗なる、朝の出来事でした。
……ってかね。
ちゃんとしなさい(笑)
さてそんな中。
女子が沢山いるバスに押し込められた倉津君なのですが、この後また、地獄のハーレムが待ち構えているのか?
それとも……
気に成りましたら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)
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