●前回のおさらい●
屋根裏で見つけたハードケースを開帳しようとしたら、山中君が襲来。
そこで話し合ってる内に『案外ショウモナイ物しか入ってないのでは?』っと言う結論に至ってしまい……
「さよか。……そないな事情やねんやったら、ほな、意外と中身も、しょうもないもんしか入っとらんかも知れんな」
「まぁ、期待はしねぇ方が身の為だわな」
ホントにな。
あの時は妙なテンションになってたとは言え。
今に成って思えば、俺も、なんでこんな事に必死に成っていたのかすら解らないぐらい後悔してる所だからな。
多分スカだぞ。
なんて、また少しテンションが下がっていたら。
「ほな、せめて、こないしようぜ、マコ」
なにやら、この件に関して山中のアホンダラァから提案があるらしい。
けど、ショウモナイ物だと言う可能性が高い状況の中で、どんな提案があるって言うんだ?
一体、なにを、どうするつもりなんだ?
「おっ?なんだよ?なんかあんのか?」
「いや、それ、開けんのんな。一旦、後にして。みんなの前でご開帳といこうぜ。それやったら、最低でも笑いぐらいは取れるやろうしな」
あぁ、なるほどな。
そりゃあ確かに、悪くねぇ提案だわ。
それなら予想通りショウモナイ物が入ってても、そうやって笑いが取れれば、最低限ネタにはなるだろうし。
もし仮に、予想もしない様な良い物が入っていたら、それはそれで、みんなでもっと盛り上がれる訳だしな。
ドチラにしても、最低限『俺の無駄な苦労が報われる』訳だから、良い考えだと思うぞ。
「あぁ、まぁそうだわな。まぁ、俺としては別にどっちでも良いけど、そんじゃまぁ、そんな感じで行ってみっか」
「おぅ、ほんだら、それで行こうぜ」
んじゃまぁ、ハードケースの件は、そう言う事で。
……ってな感じで。
ハードケースの話は、一旦保留と言う事に成ったので。
そろそろ山中のアホンダラァが、此処に来てくれた本題の方に移るかの。
「……つぅか、それはそうと山中よぉ」
「なんやねん?」
「んな事よりオマエ、此処で使う壁剤は持って来てくれたか?」
「おぉ、それな。それやったら心配せんでも、家から大量に持って来とるで。まぁ、補強も兼ねとるから、持って来たんはモルタル(コンクリート)やけどな」
「そっか。んじゃあ、壁から片付けるか」
「そやな。今はそのギターケースより、その方が最優先やわな」
そうなんだよな。
実は、山中が此処に来たのは。
決して、気紛れを起こしてフラフラと遊びに来た訳じゃねぇし、ましてやハードケース論争をする為に来た訳でもねぇんだ。
コイツが此処に来たのには、それ相応の理由がある。
それが、なにか?って言うとだな。
俺と、山中の今の間柄は、リフォームの依頼者と、山中工務店の跡取り息子ってのが正解だったりするからな。
要するに、アレだ。
昨日、リフォーム関連で連絡を入れた1人がコイツ。
この家のリフォームについての相談をまずして、更には見積もりを出して貰うつもりだったんだよ。
やっぱ、俺みたいな素人目で見るだけじゃなく。
本職の人間にも確認して見積もりを出して貰って方が、安心感が違うからな。
こう言う部分は重要だと思う。
そして、これは俺が秘かに企んでる事なんだが。
ひょっとしたら山中のアホンダラァなら、格安でリフォームを手伝ってくれるかもしれねぇ、なんて思惑もあったりする。
「だよな。……っで、簡単に見た感じで、リフォームには、幾らぐらい掛かりそうなもんだ?」
「まぁ、そやのぉ。俺がチェックしてみた所、家自体はシッカリしとるし、床下も問題なかったから、そないに弄らんでもえぇはえぇねんけどやな。ウチも、一応は商売やから、最低限、材料費だけはキッチリと請求させて貰わな大赤字に成ってまうわな」
おぉ……専門家のオマエから見ても、俺のチェックと大して変らなかったか。
しかも、俺が宝探しに夢中になってた間に、畳を剝がして、床下もキッチリとチェックしてくれてた様子。
ありがたや、ありがたや。
……っとイカンイカン。
チェックの方はそれで良いとしても、金銭面の方もキッチリ話しとかないとな。
事情がどうあれ、山中の家に負担が掛かる様な真似をしたんじゃあ、お天道様に顔向け出来ねぇしよ。
「おぉ、金の事なら遠慮せずに言ってくれ。どうせ親父の金だしな」
まぁ……本当の事を言えば、全額俺の自腹。
糞親父にも『全部オマエが責任を持つなら、貸しても構わない』って条件を突きつけられてるから、この件に関しては一銭も出して貰えねぇ筈。
まぁ、元よりあの糞親父が、俺に金を出すのは、ちゃんと組の仕事を手伝った時だけだしな。
でもよぉ。
そんなウチの事情を口に出しちまったら、気兼ねなく山中も材料費すら請求し難くなくなっちまうだろ。
だから、せめて此処だけは、俺が見栄を張ってでもこう言うべきだと思う。
「まぁ、そうやのぉ。そや言うたかて、オマエの家から金をボッタくる訳にも行かんからのぉ。俺の人件費だけはまけといたるわ。沙那ちゃんの家の事やしのぉ」
おぉ、マジで、その展開に成ってくれたか!!
リフォームが自腹である以上、人件費の大幅カット程有り難い事はないからな。
安くで済むのは、ホント助かる。
ありがたや、陰獣様。
感謝しておりますぞ。
「そうか。親父の金とは言え、あんま無茶も言えねぇからな。それは有り難ぇ提案だわ」
「まぁ、これもなにかの縁やて。そないに気にすな」
「なんか、すまんな。……んじゃま、俺も手伝うから、早速リフォームを始めっか」
「おぅ、そやな。そんでリフォームも速攻終わらして。オマエが屋根裏で見つけたもんで笑わせてくれや」
「言ってろ」
んな訳で、結局は金額も聞かずにリフォームを開始する訳なんだが。
現在の時間は、朝の9時。
そう言えば、学校……もう始まってんな。
まぁ今日は、元より学校に行く気なんか更々ねぇけどな(笑)
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
学校を休んでまで山中君が此処を訪れた理由は、リフォームのお手伝いをして貰う為でしたね♪
なので意外と、順当と言えば順当な理由でした(笑)
……っで更に、倉津君の言動から、なにかを察したのか。
自身の人件費は必要ないとまで申し出てくれた次第。
まぁまぁ、沙那ちゃんの件を加味してる部分もあるとは言え……まさに神対応ですね♪
さてさて、そんな感じなので。
この後は2人で、エッチラホッチラとリフォーム作業に従事して行く訳なんですが。
果たして、どれぐらいのペースで作業は進んでいくのか?
次回は、その辺を書いていきたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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