最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1516 今後の話

公開日時: 2025年3月30日(日) 00:21
文字数:2,051

●前回のおさらい●


 崇秀の謝罪を受け入れた事によって、例の奈緒さんの件は、これにて完全終了。

だが、どうやら崇秀は、まだ別の話があるらしく。

倉津君に時間を貰い、別の場所での話し合いをする様なのだが……


 そんな訳で、場所を移動するんだが。

奴が指定してきた場所は、崇秀のプライベート・スタジオである、奴の実家の地下にあるスタジオ。

此処なら確かに、防音設備が整っているから、誰にも話の邪魔をされないと踏んでの事だろう。


しかも、ご丁寧に、扉の鍵までロックしてるし。


……っと、成ると。

自動的に『モジャの話』が、ややこしい話だったと言う事に成るんだが。

これはまた、最後の最後で、本当に一番面倒な話が飛び込んできたみたいだな。


そんな俺の心境とは裏腹に。

崇秀は、いつも通り、何食わぬ顔をしてバーカウンターの電気だけを点けて、俺を、そちらに呼びつける。


それで、空のグラスを片手に……



「おぅ。話をする前に、取り敢えず、一杯なにか飲むか?」

「ハァ……そう来るわな。だったら、昨日も飲んでるから、ウォッカ・ベースでなんか作ってくれ」

「おっ。なんだよカクテルか?今日は、生ピスじゃないのな?」

「まぁな。……所で、ピスってなんだよ?」

「小便だよ。色合いから言って、生ビールの事」

「オマエって最低だな。取り敢えず、ビールのメーカーに、心から謝罪しとけ」

「そりゃあ、すんませんこってッスな」

「そんで、愛飲してる俺にも謝れ」

「悪うござんしたな。……そんで、はいよ。ご所望のウォッカ・ベースだ」


おぉ……なんか、カウンターを滑って、カクテルグラスに入った飲み物がやって来たな。


ベタにモスコミュールとか来ると思ってたのによぉ。


なんじゃ、この妙に甘い匂いのするカクテルは?



「なんだこれ?」

「ブロージョブ」

「なんじゃ、そりゃあ?」

「ウォッカ・コーヒーリキュール・クリームリキュールを同量に入れたもんだ。ちょっと子供っぽいカクテルだから、比較的、女子しか飲まないカクテルなんだが、取り敢えずは飲んでみろよ」

「へぇ~~~っ、そうなんだな。オマエって、そんな事にも詳しいんだな」


雑学魔王め。



「まぁな。プロには勝てないが、なんにせよ、人を持て成す心は必要だからな。『色々知らないと恥掻く』なんて噂もあるしな」

「なるほどな。そりゃあまた、なんともオマエらしい話だな。……っとまぁ、いつまでもそんな風に酒の話をクッチャべってても、しょうがねぇわな。一杯飲んで、話を始めるか」

「そうだな」


そう言いながら崇秀はロックグラスに、凍らせたドライジンを注いで、乾杯。


今回は一気に煽らず、適当に飲みながら、話を始める。



「……っで、話って、なんだよ?」

「まぁ、言わずと知れた、お察しの通りの話だ」

「モジャの件か?」

「そう言うこった。じゃあ、この時点で、なにか気付いた事は?」

「オマエが裏で手を引いてるって事か?」


モジャを疑ってる訳じゃねぇんだがな。


①あのモジャの現れたタイミングと言い。

②モジャから齎された話の内容と言い。

③崇秀に、此処に連れて来られた理由と言い。

どれをとっても、そう思わざるを得ないんだよな。


まぁ付け加えて言うなら。

④モジャが裏切る理由が『退屈』じゃあ、余り信憑性が無いんだよな。



「まぁ、半分正解で、半分は間違いだな」

「またハーフかよ。……って事はなにか?企画自体はGUILD内でも前から上がってたが、此処に来てモジャが単独行動に移って、俺と、オマエを両天秤に掛けてるって所か」

「まぁ、大凡、そんな所だな。それに、もっと現実的な話をすれば。一葉は、オマエ側に居る筈なのに、今日、ある物を、俺に要求して来てるからな」


動きの早い事で。


・・・・・・


( ゚д゚)ハッ!だからか!!

俺と真子が話し合った後。

モジャを呼び出したら、即座にアイツが現れた理由は、そういう事だったのか。


あのモジャモジャ。

マジで俺の地元に居て、崇秀と、なんか交渉してたんだな。



「ふ~~~ん。……っで、アイツ、なにを要求して来たんだ?」

「ガルウィングの10tトラックを5台程用意して欲しいんだとよ」

「はい?なんだそりゃあ?トラックなんぞなんに使うんだ?アイツ、運送屋でも始める気か?」


いやまぁ、どう考えても、そんな訳はねぇんだけどな。

このサイトを立ち上げようって忙しい時期に、敢えて、運送屋を始める理由がないからな。


けど、そう思う反面。

要求したものが10tトラックともなると、その用途が運送とかに限られてくるから。

一瞬、なにか大型ライブとか、フェスをやる為の準備として大型トラックを要求してる可能性が高いんだよな。


だから運送屋でも始めるのか?って言った訳だ。


ただなぁ。

その辺をやるにしても。

慣れている専門業者に頼んだ方が安上がりな上に、効率的な筈だから、この辺を一から自社で立ち上げる意味って、矢張りあんまないような気もする。


なら、結局、あの悪魔の腹心モジャ公は、何の為に崇秀にトラックなんて要求したんだろうな?



「あぁ、なんでもな。札幌・東京・名古屋・大阪・福岡の繁華街にトラックを配置して、無料のライブハウスを作るとか言ってたな。設置場所の交渉も既に始めてるらしいしな」


うん?


うっ、うん???


オイ……オマエ、今、なんつった?

なんかすげぇロクデモナイ事が聞こえた様な気がするんだが……気のせいか?


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


なんの話かと思えば。

どうやら倉津君とモジャさんが立ち上げるサイトの話だったみたいですね。


そして、早く大きな動きを見せているモジャさんに、動揺を隠せない倉津君なのですが。


次回、この話は、どのような展開を見せるのか?


その辺を書いていこうと思いますので。

良かったら、また遊びに来てくださいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


あっ、これは余談なのですが。

あの事件で揉めてる際に、崇秀とモジャさんが交渉してたなんて、ちょっと『それ、人としてどうなの?』って思われるかもしれませんが。

この交渉があったのは、倉津君が眞子と、今後の話をしてる際にあった話なので、別に人道を外してまで、この交渉をしてた訳ではありませんので、あしからず。


この辺は、一応、全編、倉津君や眞子視点で行っているだけに、どうしても見えにくい部分になるのではないかと思い捕捉させていただきましたぁ♪

(*'ω'*)b

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