●前回のおさらい●
全米45箇所ライブもいよいよ最終地。
ラストのライブには、一体、どの様な事が待ち受けているのか?
そんな訳で、翌日になる訳なんですが。
キタキタァ~~~~!!来ましたよぉ!!
全米45箇所ツアーの最後を飾るニューヨーク・ライブの開催地!!
しかも最後のライブハウスは、音楽をやってる者なら知らない人は居ないぐらい、ニューヨークの超有名な老舗ライブハウス!!
あの伝説のライブハウス『B・B・C』にやってまいりましたぁ!!
だから、盛り上がっていこう!!
……っとは言ってもね。
この『B・B・C』
流石に『ラモーンズ』や『パティ・スミス』が演奏していた時の様な全盛期の独特の張り詰めたライブハウスのイメージは、今は昔。
そんな伝説的なイメージは、多く見受けられない。
どちらかと言えば。
『老舗なだけの事はあって、ステッカーや落書きで、店の壁が薄汚れてる』
『会場の照明や機材は、どれをとっても一世代前の物ばかり』
『タバコのヤニや、酒の臭いが壁に染み付いてて……全体的に臭い』
それになにより……哀しいかな。
『それに昨今、此処で演奏してるバンドも、なにかパッとしないイマイチな感じ』
もぉね、昔の様な栄光の影さえ見えない程、荒んだ状態。
見方によっちゃあ、ただのお酒を飲むだけのショットバーか、ちょっとした観光名所に成り下がってる様にも感じられなくもないんだよね。
結構……ショックだった。
……けどね。
私は、こう言う、少し寂れた感じの有るライブハウスって、実は大好きなんだよね。
だってさぁ、此処で、私達が最高の演奏でライブを盛り上げれば、また、伝説の『B・B・C』が全盛期の様な活気溢れて、このライブハウス自体に、再び、灯が灯るかも知れないじゃないですか。
そんでね。
新しい伝説に成ったりするかも知れないじゃん!!
これってさぁ……なんか良くない?
まぁ、それになによりね。
みんなで作ったライブの成功で『B・B・C』に、再度灯が灯れば……
アメリカでの『GUILD』の実力を示す事になるから、知名度は、当然の如く、今まで以上にアップ!!
更に、全世界に向けてネット配信を同時に行っているから。
アメリカだけに留まらず『世界中のGUILD加入者の増員』を認められると思うんだよね。
だから、もしライブが上手くいけば、崇秀にも、少しは『恩返しも出来る』ってもんだよ♪
眞子はね。
大好きな人の為なら、どこまでも尽くす女だもんね♪
……そんな訳なんで。
なにがあっても、今回のライブだけは、絶対に成功させてやるんだもんね♪
***
……って、言い切りたい所なんですけど。
今回ばかりは、それを実現にするには相当に厳しい。
……って言うのも、実はね。
この全米ツアーのラスト・ライブ……またしても、崇秀の考えそうな性質の悪い罠が待ち構えていたのよ。
普通のライブじゃ有り得ない様な企画が盛り込まれてるのよね。
―――なにが普通じゃないかって言うとね。
今の昼の部は、誰とも解らない様なド素人なバンドが演奏してるんだけど。
夜から、明日の朝に掛けては『GUILD』が、店を完全に貸し切る。
その上、ライブハウスに訪れる観客の皆さんを一切シャットアウト。
一般人の方は、入店お断り。
故に、此処に音楽を聴きに来て入店出来た観客は皆さんは『GUILDのランカー』や『業界関係者』でしかないって事なんだよね。
要するに……音楽のエキスパートばっかりが集まった中で、とんでもなくレベルの高いライブを要求されてるのよ。
その上、ステージに上がれるのは、運任せの……
『抽選』
抽選で選ばれた1人がステージに上ると言う『観客席に居るGUILDメンバーから、演奏を行なうメンバーを選出する』システム。
なんとも、なにを考えているのやら、全く理解出来無い様な『無謀なシステム』が取られているのよ。
しかも、メンバーを選ぶにしても、中々条件が厳しくて……
①ベスト20以内のランカーは、自分のバンド以外は指名不可。
②ベスト20位以降のランカーが、ベスト20位以内のランカーを指名する事も出来無い。
③但し、ベスト20以降のランカーは、何度でも指名出来る。
……っと言う条件があるのよ。
故にね。
私がステージに上がって演奏するには……
①『誰かが、私を指名してくれるか』
②ウチのバンドの『ホランドさん』『ミナさん』『エディさん』若しくは『私』が抽選に当たる事が、絶対条件。
(ディックさんは『GUILD未登録』の為。この権利は無し)
これが達成出来無ければ『ステージに上がる事すら不可能なまま、朝を迎えてライブが終わって行く』
なんとも、果てしなく厳しい現状なのよね。
だってさぁ。
これだけの『業界関係者』が此処に集まって居るって事は、上手くいけば、一気に『メジャーデビューへの道が開ける』って事だもん。
そんな時に、自分のバンド以外の人間を指名するとは、早々に無いと思うんだよね。
だから、ステージに上がるのは、中々絶望的です。
はぁ~~~、もぉ、ヤル気十分な上に……
折角、気合入れて、崇秀が用意してくれた『可愛い衣装』を着て来たのに……なんか、ちょっと納得出来無い感じ。
ホント、やってらんないよ。
まぁ、このニューヨークでのラスト・ライブどうなる事やら……予想もつかないよ。
そんな訳なんで、今回の話は、残念ながら此処まで……
今後の出来事は、次回の講釈って事で……ごめんね。
***
あぁ……それにしてもさぁ。
崇秀が『寿司屋・信玄』で自らが言ってた『他人を自分に依存させる』って言う、自称『悪魔のやり方』
私……間違いなく、思いっきり嵌っちゃってるよね。
……だってさぁ、それを証明する様に、昨日ホテルの前で別れてから、崇秀の事バッカリ考えてるもん。
もぉね。
奈緒さんと同じぐらい『好き』♪
うぅん……『大好き』の間違いだね♪
……って訳なんで、崇秀に、一回でも良いから良い所を見せたいから!!
誰でも良いから、ライブで指名してぇ~~~~!!
どんな曲でも満足して頂けます様に、全力でやりますんで……お願いしま~~~す♪
是非、眞子にチャンスを下さいな!!
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
これにて第一章・第二三十六話【Devil`s way】はお仕舞に成りますが……皆さん、如何でしたでしょうか?
まぁ、今回のお話は、なんとも言えない様な部分もあるのですが。
眞子自身も、徐々にではあるのですが【女性の身】が如何なるものかも理解して来たとは思いますし。
その感情が芽生え始めたが故に、崇秀に対する感情が爆発した面もありますので、現状では、そこまで悪い状況ではないと思います。
何処まで行っても、眞子の立場は女性ですからね(笑)
さてさて、そんな中。
次回からは45箇所ツアーを締めくくる最終ライブが始まるのですが。
一体、如何なるものに成るのでしょうか?
次回から始める【Mako's selection】で、その辺を書いていきたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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