●前回のおさらい●
とうとう第一の試練である『女性物の衣類』にチャレンジを試みる倉津君。
だが、その前に、借り物の服を汚す訳にもいかないので、先にお風呂に入る模様。
そして、その雰囲気からは、なにか別の意図もありそうな感じがしている。
倉津君、この期に及んで何を企む!!(笑)
『ガラガラガラ』
馬鹿な事を考えるのを止めにした俺は、漸く風呂場の扉を開き、中に入る事が出来た。
そして俺は、そんな風に風呂の中に入るなり、今まで着ていた服を、問答無用で、お湯で満たされた浴槽に放り込み。
完全に衣服がビチョビチョに成った事を確認した上で、そのまま洗濯機の中に放り込んで、更に洗濯機も稼働させてやった。
コレで、どう足掻いても、後戻りは出来なくなった。
もぉどうやっても、これじゃあ女物の衣類から目を背ける事は出来なくなった訳だからな。
まぁ要するに、まずは決意が鈍らない内に、さっきの捨て身の作戦を実行した訳だぁね。
「良し。これで、本当に後戻り出来なくなったぞ。……つぅか、今になって思えば、今朝、奈緒さんの言ってた通り、今の俺に、あのダボダボのジャージ姿はおかしいよな。しかしまぁ、あの時は、なに意固地になってたんだろうな?馬鹿みてぇ」
……等と、自分を納得させる為の独り言をブツブツ言いながらもシャワーの栓を廻し、軽く体を洗い始めた。
『シャアァ~~~~』
少し熱めの温度に設定してるお湯が、芯から冷えた体を温めてくれる。
それもその筈、先程、洗面所で男物のパンツ一丁のまま長電話をし、馬鹿な事バッカリ考えてたから、相当、体が冷えてたんだからな。
でも、それだけに、暖かいお湯が凄く気持ちが良い。
これはまさに、もぉ快感の域ですよ快感の。
……にしても、あれだな。
ヤッパ、この状態にあっても、自分のオッパイが膨らんでるのだけは、流石に、まだ違和感が抜けないな。
なんつぅか、このポニョポニョしてるのに張りが有って、柔らかい物が自分の胸にくっ付いてるだけで『自分が女なんだなぁ』って認識せざるを得ないのも否めない話だよな。
しかもな、そんな風に、俺を女性だと認識させる俺のオッパイってな。
素直みたいに無駄に馬鹿デカイオッパイじゃなくて、程良い位の大きさが良い位置にくっ付いてるから、今の俺の体型にピッタリなんだよな。
サイズで言えば84~85って所か。
そんで更に言えば、そのオッパイ自体も、左右の大きさがほぼ同じのシンメトリ。
普通なら、心臓がある左胸が、やや大きくなる傾向があるらしいんだが、まったくそう言った所は見当たらず。
まさにこれは、全てが絶妙なバランスを保っている見事なバストだ、と言っても過言じゃないぐらいだろう。
それに付け加えて、今、洗ってるこの肌。
ちょっと触っただけでも解る程ツルツルしててな。
それでいて洗ってる手が、肌に吸い付くほど肌理が細かい様な肌なんだよな。
自分で洗ってても解るぐらい、怖いぐらいにスベスベする素肌。
故に、この肌を通常で考えるなら、此処まで行き届いた肌を継続させるには、相当な努力が必要だと思われる。
まぁ詳しい事までは解んねぇが……俺の見解じゃ、あまりにも完璧過ぎねぇ、この体?って思っちまう訳だ。
いやはや、そう考えるとだな。
なんか此処まで完璧だと、色々な苦労している他の女性に申し訳ないな、とかも思っちまうな。
どこを取っても、俺って、完璧過ぎ♪
……って感じで、更にブツブツ独り言を言いながら体を洗い終え、機嫌良く頭も洗い終える。
ホンで、その間に沸かして置いた風呂に入るんだが、此処で大発見!!
『オッパイって、本当に浮くのな』
いやっ……って言うのもな。
風の噂では、そんな話を聞いてはいたんだけどな。
此処だけの話、奈緒さんって……ほら、オッパイ小さいじゃん。
だから、一緒に風呂に入って見てても『浮く』とか言う表現には程遠いんだよ。
どっちかと言えば『そのままオッパイが、湯船に浸かってる』って言う感じしか受けなかった。
なんか、こんな事を、自分のオッパイで確認するとは思わなかったけど……オッパイって、本当に浮くんだな。
なんか妙に感心感心。
そんで妙に満足満足。
……って!!さっきから、なにを言うとんじゃ俺は!!
あぁ、もぉマジでヤバイって!!
この体、女の魔性が全て詰め込まれてて積載オーバー状態じゃねぇかよ!!
一体、俺の体は何所まで高いスペックに設定されてんだよ!!
俺が惚れてまうわ!!
……な・ん・て・な。
こんなのは全部、所詮は戯言、ジョークですよジョーク。
幾ら無神経なアホだっと言われる俺でも、そんなそんな急に、この女に成っちまった体の全てなんて受け入れられないっての。
だから俺が本気の無意識にやった事と言えば。
一番最初の髪を弄った奴と、覚悟を決める為に浴槽に服を放り込んだ奴だけだ。
後の戯言は、誰かを対象にして、出来るだけ自分を褒めて、一早く、この状況を受け入れ様とした結果に過ぎないんだよな。
……ってかな、それぐらい徹底しねぇと、今の自分の姿を好きになれそうにないし。
それが頭で解ってるが故に、何か良い所を必死にさがして、そこを目一杯褒めてやるしかねぇんだよ。
その証拠に、そうやって頭で解ってても、心までは納得出来てねぇから。
今でも自分の女の体を見てるだけで、まるで『他女性の裸体を見る様な感覚』で心臓が速い鼓動を打ち『ドキドキ』してんだからよ。
これじゃあ、この体が、自分の体とすら認識出来てないって事なんだからな。
ほんと、自分の体なのに、こんな事をしなきゃ納得出来ねぇなんて馬鹿みてぇだろ。
自分でやってて情けねぇッたりゃ、ありゃしねぇつぅの。
……ってのが、今まで風呂場でブツブツ独り言を言ってた、自分を必死に褒めてた理由って訳なんでゲスよ。
解るかな?解ってくれるかな?
ってか、こんなもん、誰に聞いたって解らんねぇよな。
……だよな。
そりゃあ、こんなもん、自分がこう言う状態にでも陥らない限り、解る心境じゃねぇもんな。
ダメだこりゃ。
このまま何を言ってても、誰の共感を得れそうにもないし、もぉ諦めて風呂もあがろ。
(;´д`)トホホ
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
これは、中々理解しがたい心境だとは思うのですが。
倉津君にしたら『他の女性を対象にして、自分を褒める事によって、今の自分が女性の服を着てもおかしくはない』っと、必死に言い聞かせてる感じなんですよ。
まぁこんなものは、今の比較的ジェンダーフリーな世の中なら、そんなに深く考えずに『今は女の姿なんだから、サッと女物の服を着ちまえば良いじゃん』なんて思われるかもしれませんがね。
この時代と言うのは、まだそう言う感覚の人が少なく。
漸く『ニューハーフ』が世間でも認知され始めた様な時代なので、男性が女性物の服を着るのには強い抵抗があったんですよ。
まぁ、そんな時代背景も加味した上で、今回は、こんな話をしてみました♪
勿論、これを不快に思われる方も沢山居られるとは思いますが。
こう言った歴史を紐解く事によって、先人達の苦労も見えて来て。
今の時代が如何に恵まれてるかの証明出来ると思いますので、これは個人的には必要な事だと思いますです。
さてさて、そんな中。
いよいよ倉津君が、女性物の服にチャレンジする時が来ました!!
まぁ、今の時代なら、そんな大層な話じゃないんですが。
何か興味を持って下さったのなら、是非、また遊びに来て下さいですぅ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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