●前回のおさらい●
眞子のプライベートな話から生じた飯綱ちゃんの居候の件。
なんとか上手く話して居候の件を認めて貰おうとするのだが、どうやら奈緒さんは飯綱ちゃんの事を知ってるらしく……
「これ……言って良いものか、悪いものか、どうか判断しづらいんだけどね。……あの子はね。中学入学と同時に、他校の友達に援助交際を強要した上に、その上がりをピン撥ねしてた様な子なのよ。まぁ、かく言う私も、中学の時には同じ様な事をしてたから、あんまり飯綱の事を言えた義理じゃないんだけどね」
うわっ!!そうだったんですね。
それにしても、援助交際の強要って……2人共、私が思っていたよりも、かなりえげつない事してたんですね。
でも、これで奈緒ネェが妙な迫力を持ってる意味が解った様な気がしますよ。
あれって……そう言う経緯で体得したもんだったんですね。
あぁでも、それは……
「そうなんですか?でも、奈緒ネェも、飯綱ちゃんも、もぉそんな事してないんだから、別に良いんじゃないですか?それに強要されたからと言っても『相手側もやらない』と言う選択肢も、必ずしもあった筈ですからね。結局、決めるのは自分の意思なんじゃないですかね?」
「そうなんだけどね。世の中には『言える子』と『言えない子』って言うのが居るでしょ。それで私達は、敢えて『言えない子』を狙っていたんだから、この罪は一生消えないと思うよ」
まぁ……ねぇ。
虐めって、基本的に、そう言うメンタルの弱い子を狙いますよね。
『無視される』とか『虐められるのが嫌だ』とか『仲間外れになるのが怖い』とか言う相手の一番嫌がる心理状態を、無慈悲に、えぐり込む様な名目を突き付ければ、言う事を聞く子なんて、世の中には沢山いますからね。
でも、もし、それが事実であったとしてもですね。
1つ大きな疑問が残るんですよね。
「本当にそうでしょうか?私は、少し違うと思いますけどね」
「どうして?」
「いや、身内贔屓を抜いたとしてもですね。結局は、その子達って、その稼いだお金で、なにかしろ遊んでた訳じゃないですか。じゃあ、そこで話は成立してませんか?……あぁ、勿論、そんな事が、良い行為だとは、決して思いませんけどね」
「うぅ~~ん。でもさぁ、眞子。そう言う子って『遊ぶって事』でしか心の拠り所が無かったんじゃないのかなぁ?」
「でも、結局、それを楽しんだんなら、それは一緒なんじゃないですか?それに良い様に考えれば、そうやって、少しでも社交的な性格になったんだったら、結果的にはオーライなんじゃないですかね」
いや、ホント、苛めなんて物は、決して褒められた行為ではないんだけど。
なにか行動を起こす事によって、良い面と悪い面って言うのが、必ずしも存在する筈ですからね。
っでまぁ、今回の様な苛めの場合、一見して、やられた側からしたらデメリットしかない様に見えるんだけど……キッチリ見極めれば、実は、そうでもない。
今さっき言った様に、少なくとも社交的な性格には成ってるだろうし、なによりも精神面が強くなっているとは思うからね。
これは正直言って、今後の生活を考えればかなり大きなアドバンテージに成る。
ぶっちゃけた話、大人になってからの社会生活って、ある程度は精神が図太くないといい食い物にされるだけだしね。
まぁでも、やっぱり苛めは良くないけどね。
出来れば穏便に、友達の精神力を伸ばしてあげた方が良いに決まってるし。
「ふむ。眞子って、そう言う事になると、本当に上手い事言うよね」
「あぁ、まぁ……そう言う褒められ方って、あんまり嬉しくないんですけどね。現実はそんなもんだと思いますよ」
寧ろ、これに関しては、かなり嫌なんですけどね。
こう言った大人の世界の知識が残ってる以上、どうしてもこう言う発想だけは出来ちゃうんですよね。
自然に滲み出ちゃいますから……
「まぁ、眞子が凹む話じゃないんだけどね。一応、あの子に対するそう言う認識も持って置いた方が良いよって話ね」
「あぁ、はい」
「後、それとぉ。あの子の勝負に対する執念だけは、気を付けた方が良いよ」
「あぁ、それなら、昨日まで、一緒にやってた『Bash-freaks festival』で十分な程に見せ付けられましたから、そこも重々承知してます。結構、えげつない事を平然としますよね」
「そうかぁ。昨日まで、一緒にバスケをプレイしてたんだったね」
「そうなんですよ。あぁ、でもですね。私は、あぁ言う手段を選ばずに『勝利を勝ち取ろう』って言う精神は好きですよ。表面上だけで言えば、勝負事って言うのは勝たないと意味が無いですからね」
「あぁそぉ……そこまで解ってるんだ。じゃあもぉ、本当に安心だね」
「そうですか。でも、奈緒ネェに、違った飯綱ちゃんの事を解って貰えて良かったです。……あぁ、それはそうとですねぇ。実は私、奈緒ネェに言わなきゃいけない事があるんですよ」
今しかないよね。
飯綱ちゃんの『居候』の件を奈緒ネェに伝えるなら、今しかないよね。
このチャンスを逃したら、なかなか言い出せそうにないし。
「眞子が、今、私に言わなきゃいけない事?……あぁ、だったら今の感じからして、飯綱の居候の件でしょ。それなら別に良いわよ」
「へっ?あり?」
「なにが『あり?』よ。全然可愛くないわよ、それ」
Σ(゚д゚lll)ガーン
崇秀に引き続き、奈緒ネェにまで『あり?』が可愛くないって言われた!!
そんな馬鹿な……
これって、そんなに可愛くないの!?
……って、そんな話をしてる場合じゃないですね。
「ほっといて下さい!!……そっ、それよりも、なっ、なっ、なんで飯綱ちゃんが居候してる件を奈緒ネェが知ってるんですか?」
「そりゃあ、千尋と、美樹が家に行ったんなら、即座に連絡が入るでしょうに。まぁ、相手が飯綱だっただけに、流石に誰が居候してるかまでは気を遣って言わなかったみたいだけどね」
「あぁ……そうですよね。言われてみれば、確かにそうですよね」
「そそ。まぁ、私も、あの子の家庭環境はよく知ってるから、眞子が十分に家族を満喫させて上げなさいな。取り扱いは、かなり難しい子だろうけどね」
「あぁはい。……でも、良かったぁ。奈緒ネェに居候の件を反対されたら、2人で路頭に迷う所でしたからね」
「はぁ?なんで私が居候を反対したら、眞子まで路頭に迷うのよ?」
あれ?
なんでって、寧ろなんでですか?
この場合、普通に考えてもそう成りませんかね?
あり?ありり?
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
飯綱ちゃんと言う存在を知っていただけに。
最初は眞子が彼女の友達だと言う事に、かなりの警戒していた奈緒さんなのですが。
この状況の中、眞子と話している内に、奈緒さんはある事を思い出して、居候の件を認めたみたいですね。
……その『ある事』と言うのは【飯綱ちゃん同様、荒んでいた自身も倉津君に救われて、今の生活が出来る様に成った事】
奈緒さん自身が、倉津君や眞子と接する事によって自分を変える事が出来たからこそ、飯綱ちゃんの居候を認めた。
それこそ『眞子なら、飯綱ちゃんを良い方向に変える事が出来るのではないか?』って眞子の実績が物を言った訳ですね。
まぁ実際、飯綱ちゃん自身は頑固なので、中々自分を変えようとしない部分があるんですが。
それでも眞子のお節介っぷりは嫌いじゃないみたいなので、その眞子のお節介のフォローなんかもしてくれている所を見たら、彼女も知らず知らずの内に、眞子に魅了されているのかもしれませんしね(笑)
さてさて、そんな中。
また眞子が天然を起こし、奈緒さんにややこしい事を言って、彼女を混乱させてるみたいなのですが。
次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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