●前回のおさらい●
無駄だとは解りながらも、真上さんを庇う為に、必死に嘘を付き続ける倉津君。
そして今吐いた嘘は『ベースを家に忘れたから取りに行ってた』っと言う物であった。
この嘘通じるか!!
(通じる訳がありません(笑))
「うん?クラッさんのベースなら、今朝、第二音楽室に有ったじゃん」
だ~か~ら!!
少しは空気を呼んで喋れねぇのかよ、オマエって奴は!!
バンド仲間を名乗るんならな。
少しは俺の事を思って、此処は適当に相槌を打って終了させる処だろうがよぉ!!
ッたく、使えねぇ奴だな!!
仕舞いには、そのお喋りな口をホッチキスで数箇所留めて、強制的に黙らせるぞ!!
その後、全部引っこ抜いて、口の周り穴だらけにしたろか!!
「兄貴君、また嘘付いたんだ。ちょっと失望」
うぅ~~~、湘南の海で仲良くして貰った理子さんに失望されるのは、マジで辛い。
それにホームページを作って貰ったり。
元バンドの宣伝をしてくれた恩も有るから、気持ち的には、更に辛さが倍増ッスよ。
けどッスね。
さっき言った様な重大な理由が有るんで……取り敢えず、そろそろオマケてくれませんかねぇ?
「って言うかさぁ兄貴君。さっきから、なにをそんなに必死になってまで隠そうとしてるの?なんか尋常じゃない雰囲気だよ」
「なっ、なっ、なっ、なにも隠してないッスよ!!なにも隠してないッス美樹さん!!隠す様な話は、端っから、なにも無いッスよ」
「あっ、また、バレバレの嘘付いた」
「いや、ホントっす、ホントっす元香さん。なんも隠してないッスよ。清廉潔白ッス。これは、こうなる事が解ってて、サボった俺が悪いだけなんッスよ」
「あぁ、そこは認めちゃうんだ。だったら、ヤッパリ、何か隠してるね?なに?」
うぅ~~~、困った。
これ以上追求されても、もぅ言い訳をするネタがねぇんだよな。
馬鹿だから、なにも出て来やしねぇ。
なら、残された道は1つしかねぇな。
喰らえ!!俺の最後の足掻きを!!
「ぴゅ~~ぴゅぴゅ~ぴゅぴゅ~~♪」
「ぶっ!!倉津……幾らなんでも、その誤魔化し方は、あまりにも酷いぞ。流石にそれは、幼稚園児でもしないぞ」
「確かに、これは、余りにも最低過ぎるわ。……情けのぅて、直視出来へんレベルやわ」
「あぁ、人の尊厳も、なにもあったもんじゃないな」
うっ……うるさいわい!!
わっ……わかっとるわい!!
けどなぁ。
オマエ等は、そうやって寄って集って、俺にゴチャゴチャ言うけどなぁ。
これだけはキッチリ言って置くぞ!!
俺みたいな馬鹿じゃなぁ。
みんなを一斉に説得出来る様な『良いアイディア』なんて高級なもんは、端っから、なんも浮かんで来ねぇんだよ!!
だから……追い込まれたらなぁ。
最後の最後の手段で『口笛を吹いて』誤魔化すしかないんじゃい!!
ってか、逆に、どんなもんじゃい!!
オマエ等には世間の目があるから、こんな真似は、恥ずかしくて到底出来ねぇだろ!!
こんな事を平然とやってのけるにはなぁ。
並みの精神力じゃ、羞恥心が邪魔して出来無いからな!!
ははははっはっははは……どんなもんじゃい!!
どんなもんじゃい!!
どんなもんじゃい!!
……故に、これでオマケしちくり。
もぅ無理ッス……嘘を付くのも限界なんッスよ。
「あっ、あの、真琴君。もぅ正直に話した方が良いんじゃないですか?」
「ぴゅ~~ぴゅぴゅ~ぴゅぴゅ~~♪」
「真琴君!!」
あっ……とうとう、一時期は味方になってくれた素直まで怒ちまったよ。
フォローしてくれたのに、なんか悪い事したな。
だからと言ってだな。
諸事情がある以上、ここで辞める訳にもいかねぇのは、わかってんだろ。
いや、みんなが呆れ返って諦めるまで、絶対に辞めれねぇんだよ。
けど、なんだろうな、あの俺をジッと見詰める由佳の眼差しは……
保険の為に、もう一回口笛吹いとこ。
「ぴゅ~~ぴゅぴゅ~ぴゅぴゅ~~♪」
「……あっ、そうか!!私、倉津君が誤魔化してる原因が、漸く、わかった!!」
にゃに!!
俺ですら、意味不明な行動だと思っている口笛攻撃から、一体、なにがわかったって言うんだ?
なんらかの拍子に、知らず知らずの内に『サトラレ技能』が発動しちまったのか?
「ぴゅ~~ぴゅぴゅ~ぴゅぴゅ~~♪」
「なぁんだ。そう言う事だったんだ」
「なになに?由佳ちん、どういう事?」
「舞歌、舞歌、ほら、倉津君ってさぁ(ごにょごにょごにょごにょ……)」
「あぁそうか、そう言う事か。それなら、納得出来る話だね」
ヤバイ!!
なんか知らんが、この2人の会話からは、非常にヤナ危険な臭いだけが沸々とする。
なら!!口笛の音を強化して、掻き消してやる!!
「ぴゅ~~!!ぴゅ!!ぴゅ~!!ぴゅ!!ぴゅ~~!!」
「あっ、あの、伊藤さん、僕にも教えて貰って良いですか?」
「あのね、素直ちん(ごにょごにょごにょごにょ……)」
「あっ、それなら、確かに真琴君らしい話ですね。これ、向井さんにも教えてあげて良いですか?」
ヤバイって、この状況はマジでヤバいって!!
由佳や、伊藤だけならまだしも。
俺との付き合いの長い素直までもが納得したって事は、危険信号がバリバリに出てるじゃねぇかよ!!
けど、俺に残された道は……
「ぴゅ~~!!ぴゅ!!ぴゅ~!!ぴゅ!!ぴゅ~~!!」
「どうぞどうぞ」
やっぱ、必死に口笛吹いた程度じゃあ、相手の思考はキャンセルは出来ねぇか。
これ、全くアカンわ。
……効果0でやんの。
それに由佳の思い付いた、なんとも良からぬ感じの話が、素直を介して奈緒さんに伝わりそうな雰囲気だ。
この様子じゃ、そろそろ俺の口笛攻撃も、本気で限界は近い様だ。
(↑これしか残ってないから、効果がなくても、まだやろうとしてた俺)
こりゃあ、思考を切り替え時の様だな。
今からでも、真上さんと一緒に居た事がバレた時の事を考えた方が良さそうだ。
素直は、俺がそう考えてる隙に、奈緒さんの元に走って行った。
そして、俺は咄嗟に……
「ぴゅ~~!!ぴゅ!!ぴゅ~!!ぴゅ!!ぴゅ~~!!」
ヤッパだめだ、こりゃ(;´д`)トホホ
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
アホ……撃沈(笑)
そして、一番伝わって欲しくない相手である奈緒さんに、なにやら由佳ちゃんが考え付いた意見が伝わりそうな感じですね。
当然、伝われば一巻の終わりです(笑)
ただ……奈緒さんって、人に言われるまで気付かない程、鈍感でしたかね?( ̄ー ̄)ニヤリ
まぁまぁ、その辺は次回の講釈と言う事で。
また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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