●前回のおさらい●
今度の目覚めは、間違いなくリアルでの目覚めだった。
その証拠に、自身の目の前には崇秀と奈緒さんが居るのだから。
だが、それとは別に、脳出血で死にかけていた事実もあって……
「脳出血?……あぁ、あのフラフラしながら幻覚が見えてたのって脳出血のせいだったんだ。それにしても、なんで脳出血を起したのに生きてるんだろうね?ホント、不思議だね」
「出来ればなぁ。俺が、その説明を聞きたいわ」
「あぁ、そうなんだ。……あぁ、でも、ほらほら、私の脳ってさぁ、変な所でエマージェンシーが掛かるじゃない。だから、なんか、そんなんで助かったんじゃないかなぁ?良くわかんないけど」
ホント、よく解んないんけど。
多分、私が助かった理由なんて、そんないい加減な理由だと思うよ。
私の体って、本当に『超』が付く程、いい加減な作りみたいだし……
「……ったく。オマエった奴は、どこまでも出鱈目な女だな。普通そんな事なぁ、漫画でもない限り有り得ねぇつぅの。前例ですら少ないわ」
「そんな事を言われたってさぁ。それが有り得ちゃうんだから、しょうがないじゃない。第一、なにがどうなったかなんて、自分で解る訳ないじゃん。……だから、俗世間一般に言う『奇跡』って奴じゃない?……解んないけど」
明確に解っている事と言えば。
今さっきガチで、自分の海馬殴った記憶しか無いからね。
所詮ね、そんな感じで、自分の体の中なんて解ったもんじゃありませんよ。
だから、なにが起こったかは不明で、聞かれてもなにも解りません。
あぁけど、海馬を殴ったから頭がスッキリしたとかだったりしてね。
そんな、なんとも言えない様な『最低な理由』でしかない様な気がしてならない。
あぁでも……私なだけに、本当に、そう言うのがアホみたいな理由かも知れないから、この件に関してはイマイチ笑えなかったりする。
だから此処は、お互いの為に深く追求しないで置こうね。
「それにしてもよぉ。オマエ、さっきから普通にベラベラ話してるけど。昏睡状態から目覚めて直ぐなのに、なんで、そんな元気な訳?オマエ、1ヶ月近くもズッと昏睡してたんだぞ。そこ、わかってんのか?」
そうなんだ?
私ってば、あの後一ヶ月も昏睡してたんだ。
それは、流石に知らなかったね。
でもでも、だからこそ、体が完全になまっちゃって、あんまり動かないんだよね。
必至に動かそうとしても、ピクピク動く感じしか体感出来無いもんね。
「あぁ……そうなんだ。でも、なんで元気なんだろうね?多分、良く寝たからじゃない。知らないけど」
「そんな馬鹿な。……有り得るかぁ!!」
あり?
さっきから聞いてたら、その様子じゃあ、崇秀でも私の体の事は理解し切れてないの?
ひょっとして私ってさぁ、気付かない間に『世界の七不思議』とかに認定されてたりする?
しかも、余裕でエントリー?
……嫌過ぎる。
あぁ、でも……あの夢みたいな嫌な時間を過ごしてた期間って、一ヶ月もあったんだね。
しかも、モロに昏睡してたんだ。
でも確かに、そう言う場合って、崇秀の言う通り、なにか障害が出たりして、体に問題が起きる事も多いんだよね。
その辺は大丈夫なのかなぁ?
いや、それとも既になんか出てるとか?
まぁ……心配には及ばず、なんも出て無い様な気がするけどね。
体はピクピクしか動かないけど。
「まぁまぁ、仲居間さん、こうやって、一応の所、なにもなかったんだから、寧ろ、良かったじゃないですか。万事良しとしましょうよ♪」
「まぁな。……全くと言って良い程、理由は解らねぇが。こうやって、またコイツと話が出来る様になっただけでも喜ぶべきだな」
「へへへっ……」
「『へへへっ』じゃねぇつぅの。……まぁ、それはそうとしてオマエさぁ。俺等に、あんま心配掛けてんじゃねぇぞ。ライブの途中で体調が悪いんだったら悪いで、ちゃんと知らせろつぅの、ボケ」
「あぁごめん、ごめん。なんか、まだまだ大丈夫かなぁっと思ったからさぁ。ついね」
「『ついね』じゃねぇつぅの!!オマエさぁ、此処だけはキッチリ言って置くがなぁ。その状態って、一歩間違えたら、本当に死ぬ所だったんだぞ。その辺を、ちょっとは自覚しろ、この馬鹿女!!」
あれれ?豪く怒られてるね。
崇秀……ひょっとして、私の事なんかを、そんなに心配してくれてたのかなぁ?
ははっ……まさかね。
「あれ?心配……してくれてたんだ」
「この馬鹿!!なんて事を言うの!!当たり前でしょ!!どれだけ心配したと思ってるのよ」
「あっ、あの、奈緒ネェ、すっ、すみません」
「謝るなら、私じゃなくて、仲居間さんに謝りなさい!!アンタ、仲居間さんが、どれだけ心配してたか解ってるの!!」
「なんでですか?それに心配って言ったって……」
あれ?その言い方って。
また私が昏睡してる間に、崇秀がなんかやらかしたんですか?
それは良くないですね。
「あのねぇ眞子。仲居間さんはね。アンタが倒れてからと言うもの、この病院で付きっ切りになって、1ヶ月もの間ズッと看病してくれてたんだよ。ちょっとは感謝しなさいっての、この馬鹿!!」
「えっ?えっ?一ヶ月も付きっ切りですか?崇秀が……ですか?」
えっ?
それは、色々な意味でマズイんじゃないですか?
私の体とかの件は、崇秀なら、別に、どう扱ってくれても良いんですけど。
一ヶ月付きっ切りって事は……
「そうだよ。仲居間さんは、なにもかも予定を破棄して、アンタの世話だけをしてくれてたの。これを感謝しないなんて、本当に罰が当たるよ」
……嘘でしょ。
今日偶々お見舞いに来てくれてるだけだと思って、いつも通り、気楽に話してたけど。
そこまで……私なんかの事を真剣に心配してくれてたんだ。
あぁ……でも、嬉しいなって感情が昂ぶる分、また、とんでもない迷惑掛けちゃったんだね。
もぉ『申し訳ない』っとか、そんなレベルじゃないよ。
どうしよぉ……
それに崇秀を良く見たら、何処か顔色も良くない。
ホントどうしよぉ……
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
意識がなかっただけに、現状が全く掴めない眞子でしたが。
それに反して崇秀は、どうやら眞子が意識のない間、仕事を放棄してまで、ずっと面倒を見ていたみたいですね。
なんとも仲の良い事ですが、この事実は眞子にとってはトンデモナイ事。
崇秀が一カ月もの間、仕事を休んでいたと言う事は、それだけ多方向に渡って多くの迷惑を掛けている事に成りますからね。
しかも崇秀の体調も優れない様子ですし。
さてさて、そんな中。
次回は眞子が、猛反省する羽目に成るのですが。
崇秀は一体、その眞子の行為をどう捉えるのか?を書いていきたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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