第一章・第十四話『表裏文化祭【突】』が始まるよぉ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
014【表裏文化祭(突)】
『勝負事とは、如何なる時も、如何なる相手でも、真っ裸にしてドブに落とし込むもの』
……っと、ギャンブルや、大きな勝負事がある時に限ってのみ、親父は念仏を唱える様に、いつも、そんな言葉を発っしていた。
特に、組の存亡が掛かっている比率が高ければ高い程、この言葉を唱えていた様に思える。
今にして思えば……この言葉を発した時の親父は、勝負事に負けた試しが無い。
100戦100勝、まさに常勝だ。
そして崇秀も……この言葉に、よく似た事を、常に体現し続け、負ける事の無い人生を歩んでいる。
親父にしても……
崇秀にしても……
本当に、自分の欲望を抑えきれずにいるダメ人間。
全ての我欲を、世の中に撒き散らすだけの傍迷惑な糞野郎共。
だが、この言葉や行動に限ってだけ限定すれば、俺も、此処だけは100%の共感出来る。
奴等の様な糞溜めの生き物は、自分が固執するモノに対しての大きな執念や、信念を持ち、実に無駄が無いからな。
人に迷惑が掛かろうが、お構い無し。
ただ只管、自分のに目標に向ってのみ、一直線に走り抜け。
『全てをまっとうして、全てを得ようとする』
そぅ……この妥協なき、飽くなき勝負への執念は賞賛に値する。
どんな状況であっても、勝負をする以上『情け』なんてものは、禁物でしかないからな。
この事から解る様に……勝負事と言うものは、徹底的に、自分の実力を相手に知らしめて、相手が2度と歯向えない様にする為だけに、気力や、体力、果ては、抵抗意識さえ完全に無くなるまで容赦なく叩き潰すのが、勝負事に置ける鉄則だと言えよう。
付け加えて、勝負に勝つ為には、手段を選んでいる様ではいけない。
そんな真似も出来無い奴は、三流にも満たないクソ勝負師。
『良い勝負だった』
『負けて悔い無し』
なんて、綺麗事を平然と言ってのける時点で、自分の実力に見合わない相手と戦ったか。
若しくは、全力を出し切る為の努力を怠った、話にもならない負け犬の遠吠えでしかない。
何事もそうなんだが、死んでも勝たなければ、意味なんて物は無い。
勝負をするなら、どんなに『卑怯者』と罵られようと、勝つ事こそが命題。
決して『負けて、花実は咲かない』と言う事だ。
さて……此処まで、勝負について、色々語ってきた訳なんだが。
何故、こんな事をワザワザ語っていたのか、そろそろお教えしよう。
まず、一番最初に解って頂きたい事。
それは……この歌謡コンテストでの素直チームとの勝負に置いて、俺は『一切負ける気はない』っと言う意思を表す為のものだ。
そりゃあ、俺も当初は『素直が率いる2-Bユニット』に優勝を譲って『華々しい芸能界デビューを飾らせてやろう』とも考えてた節もあったんだが……嶋田さんのやった、彼女達の最終チェックを見て気が変った。
もっと、ハッキリ言ってしまえば、彼女達には『失望』した。
あの程度の低い完成度で、全員が満足をし、大手を振って喜んでいる様では、これは既に話にもならないレベルだ。
歌を唄うにしても、正に『文化祭レベルを体現する』様な低いレベルの歌だったし、ダンスを踊るにしても、キレ等は見受けられない。
ただ単に、みんなのレベルに合わせて踊っているだけの運動会のダンスの様なもの。
必死なって頑張って来た事は認めてやるが、まだまだ未完成過ぎて『改善の余地』しか残されてない。
そんなレベルで満足している彼女達の弱い気持ちが、俺には、妙に腹立たしく思えた。
だから奴等が、俺等のバンドを差し置いて『優勝』するなんて真似を許してはいけない。
もし、そんな奴等に優勝なんかされた日には、俺自身の面子は丸潰れだし、同時に飛んだ赤っ恥でもある。
それにだ、今後、芸能界でやって行く可能性のあるアイツ等の事を考えたら、今は、増長や慢心をさせるべき時期ではないとも、同時に判断出来る。
故に、一旦、自分達のレベルを知らせる為にも、本気で『心を折ってやろう』と思ってる訳だな。
そこから派生した話が、さっきの『手段を選ばない』と言う話だ。
そう……この勝負についてのみは、限定的にだが、手段を一切選ばないつもりだ。
俺は、その為だけに、とんでもない実力を秘めた『ある人物』を召還している。
コチラも『最終チェック』を見るまでは、参戦して貰う腹積もりも、全く無かったのだが。
先程の『心を折る』話の為にも、急遽、俺達のバンドに参戦して貰う事にした。
だが、HELPを頼む、この化物みたいな人物と言うのは……
日本に於ける、化物筆頭の奈緒さんでもなければ、超絶天才の嶋田さんでもない。
勿論の事、ギャグ・ドラマー山中でもなければ、芸能界入りした咲さんや、千尋、Fish-Queen面々でもない。
当然、そうなれば、椿さんでもない事は、言うまでもない。
―――では誰か?
そぅ……此処まで言えば、後は、消去法で、自ずと解答に行き着く様な話なんだが。
俺が召還した人物ってのは、今アメリカに渡って、更なる向上心を持って、上のみを目指す者。
音楽や、エンターティメントの本場アメリカでも、爆発的な実力を発揮する者。
『脳に直接映像を送る男』
『洗脳演奏者』
『無限の楽曲提供者』
『ギフト・ホルダー』
『音楽の神に最も愛されたアジア人』
『バンドを彷徨う者』
……等々の、数々の異名を持つ、この街が産んだ異端児。
超絶変態ギターリスト……仲居間崇秀。
奴を召還した。
……のではなく。
奴と行動を共にし、アメリカに帰国した女。
演奏される全ての音に、背後から強烈なブーストを掛け、人々を狂気と熱狂に陥れる魔女。
アメリカが生んだ『ギター界の這いよる混沌』
狂気の申し子……ステラ=ヴァイ。
その人だ!!
コイツは、崇秀が認める程の、折り紙付きの『狂気マイスター』
並みの音や、上手い程度の音では、誰も勝つ事は出来無い、熱狂的な音を出す女。
きっと、この文化祭と言う華やかな舞台ですら、自らの出す狂気の音で、会場を狂気の渦に陥れ。
2Bユニットですら、恐怖のドン底に叩き落としてくれる筈だ。
今回の俺は……本当に、誰に対しても容赦しねぇ。
残るのは、俺達にのみ送られる喝采だけだ。
***
……なぁ~~~んちってな。
いやいや、またしても申し訳ない。
ちょっと勝負に拘った男を解り易く演出してみたんだが、どうだった?
楽しんで貰えたか?
あぁけど、あれだよな。
前にも奈緒さんの時に1度やったが、こんな糞みたいな演出じゃ誰も引っ掛らなかったな。
いやはや、なんとも嘘臭いシリアスを注入した『糞中二病的な前説』になってしまったみたいだから、此処で再び『申し訳ない』と、謹んでお詫びさせて貰おうかのぉ。
ほんに、毎度毎度イラン事バッカリしてすまんのぉ。
さてさて……とは言え、実は、こんな馬鹿げた前説をしたのは他でもねぇんだよ。
この期に及んでな。
ちょっとした、思いもよらぬ幸運的なハプニングに見舞われちまってな。
その説明をしようと思って、こんな糞クダラナイ演出を脳内でしてたんだよ。
―――それが、なにかと尋ねたらベンベン!!
第1部の1話でだな。
屋上でダッツの恋愛相談を受けてたあの時(第一章第一話参照)
何気なく言った言葉通りの事が、実際に起こっちまったんだよ。
さっき言った様に、ステラの奴がな。
予定していた通り、11月になったから日本に再上陸を果たしたんだよ。
ホンでだ。
さっき、全員が居なくなった教室の鍵を締める際に、イキナリあいつから電話が掛かって来てだな。
その際には、こんな適当な内容の会話があった訳だ。
……では、その一部始終を、どうぞ(↓)
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
漸く文化祭の中盤に差し掛かり、歌謡コンクールの話が出来る様になりましたぁ♪
そんでまぁ、倉津君の優勝を目指す為の心意気、なんて物をまずは表してみました(笑)
さてさて、この後どうなって行くんでしょうね?
そして次回は、ステラさんとの会話の中で、何故彼女が、倉津君のバンドに参加する事に成ったのかが明らかに成って行きますので。
また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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