第一章・第二十九話【ARENA-back stage】が始まるよぉ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
029【ARENA-back stage】
『危ない!!危ないって崇秀!!飛ばし過ぎだって!!……なっ、なにをそんなに急いでるのよ?』
カラオケボックスの会計中に掛かってきた仕事の相手らしき人物との電話の後。
崇秀は、直ぐにカラオケBOXを飛び出たと思ったら、外に出るなり愛車のNSRのエンジンを掛けた。
……と思ったのも束の間。
思考が混乱したまま、訳の解らない状態の私に有無を言わさず。
速攻でバイクの後ろに乗せたかと思ったら、今度は、タイアがロ-ルするぐらいの勢いで単車を急発進!!
当然の事ながら、私を後ろに乗せた状態でのバイクの2人乗りなので、一旦、単車自体が思いっ切りウィリーしたかと思うと。
崇秀は、バイクの前方に全体重を掛け、それを強引に押さえ込み。
国道を、まるで狂った様なスピードで走り抜けて行く。
そのイカレタ・スピードは、優に160km/hぐらいは出ているものと推測される。
故に、国道を走ってる際。
前方に車のリアウィングがチラッと見えたと思っても、次の瞬間には、もぅ後ろ背景に車が消え去って行く。
とても、普通の250ccのバイクが出せる様なスピードじゃない。
でも、以前、崇秀が、コソッと私に教えてくれた話では。
この単車自体、相当、改造して弄り倒しているので、馬力が優に750cc以上在るらしく。
単独運転なら、最高時速が220km/h以上が余裕で出せるらしい。
なんてったって、日本では、250ccの単車は、車検を受ける必要がなく。
普通のバイクショップでもリミッターカット出来るし、改造もヤリタイ放題。
単車自体が弄りたい放題……だとか言ってた様な気がする。
だから、このNSRは……まさに、化け物が乗る為だけに改造された、生粋のモンスターマシーン。
そんな恐ろしい単車に跨って、まず行った場所は『崇秀の実家』
そこで崇秀は、実家である美容室に到着すると同時にNSRから飛び降り。
エンジンを掛けたままの状態で、家に猛ダッシュ。
私はそれを、後ろに乗ったままで、余りの行動の速さに呆気にとられていたんだけど……
崇秀は、アッと言う間に、私の視界から、その姿を消した。
……その後。
3分も掛からない内に、リュック型のソフトケースにギターを入れて戻って来て。
有無を言わさず、それを私に手渡し。
ソフトケースを、私の背中に背負わせると……
フルフェイスのメットを被り、再び、悪魔の単車に飛び乗った。
……そして、また、あの地獄の様なスピードで、国道を走り抜け。
一気に、奈緒さんの家がある上星川までの地獄ツーリングが始まる。
上星川に到着するまで間、ソフトケースが背中で矢鱈と揺れるので、バイク上では非常にバランスが取るのが難く。
何度もバランスを崩しそうになり、何度も振り落とされそうになった。
正直『生きた心地が、全然しなかった』のは言うまでもない。
これは、気持ち的に軽く死んじゃえるよ……
***
上星川にある奈緒さんの家に到着したのは……時計を見るのが怖いので却下して。
まずは崇秀に言われるがまま『Music-man 1979 Sting -ray bass』を、素早く家に取りに入って行く。
家に入ると、直ぐに『Music-man 1979 Sting -ray bass』を、ハードケースから取り出し。
これまた直ぐに、持ち運び用に別売りで買ったベース用のソフトケースに詰め込んで、慌てて外に出ようとした……
慌てて出ようとはした……
出ようとはした……んだけど。
した……んだけどね。
・・・・・・
……いや、あのね。
本当は、崇秀が外で待ってるから、一秒でも早く外に出るつもりでは居たんだけどね。
突然、外に出る前に『ガラスに写った自分の姿が気になっちゃった』のよね。
なんてたって、髪型が、メットの中でクシャクシャになってて、メットを脱いだら髪の毛がペッタンコ。
ガラスに映った自分の姿が、凄く無様で、惨めな感じだなぁって感じちゃったんだもん。
だから、此処で一回、髪を綺麗に直す為にコソッと洗面所に行ったので、ちょっとだけロスタイムをしちゃった。
まぁ本来なら、またこの後、再びメットを被る訳だから、特別、こんなキッチリとセットなんてする必要性はないとは思うんだけどね。
でも、そう言うの、女子としてはなんか嫌じゃない?
自身の無様な姿を、幼馴染とは言え、異性の前に晒す訳だからさ。
出来れば、そう言う無様な姿は見られない様にしないといけないと思うし、なにより……ねぇ。
まぁそんな訳で、少し髪のセットに時間は喰ったけど。
『Music-man 1979 Sting -ray bass』を肩に掛けて、さっきより慌てて外に出た。
そしたら崇秀は、私が髪のセットで時間が掛かるのを読んでいたのか。
一旦、単車のエンジンを完全に切って、愛飲の『赤マル』を吹かしながら、私の出て来るのを待っていた。
因みにですがね。
メットでクシャクシャになっていた筈の崇秀の髪型は、既にキチンとセットされている。
手際良すぎ……ギャフン!!
生粋の美容師、恐るべし……
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
今回から第二十九話【ARENA-back stage】が始まった訳なのですが……
崇秀の単車はヤバいですね(笑)
ですが、これ、実際、250CCって、日本国内では弄りたい放題なので、こんな状態であっても違法にはならないんですよね。
それに、本編でも書きました様に250CCで750CCを超える事って、そんなに難しい事ではないんですよ。
事実、うちのツレが、崇秀のNSR同様の恐ろしい単車に乗ってましたからね(笑)
さてさて、そんな慌ただしいスタートを切った29話なのですが。
此処から更に、アリーナに向けて単車は発進!!
眞子は、日本の楽器を背負って、アリーナに生きて到達する事が出来るのでしょうか?(笑)
それは次回の講釈。
なので、また良かったら、遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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