第三十七話スタートですじゃ(*'ω'*)ノ
037【告白】
再び訪れた地獄の日々。
そして俺は、この日々に逆らう事を一切許されていない奴隷状態。
だから今の俺は、正直言えば『息をするのも面倒臭い』程、疲弊しきっている。
夏休みが始まって、まだ、たった10日間の出来事なのだが……これを地獄と呼ばずして、一体、何を地獄と言うのだろうか?
―――それ程までに、この10日間は辛い日々だった(継続中)
……っでまぁ、そんな俺の身に、なにが起こったかと言うとだな。
実は、この10日間。
一日たりとも、ライブが無い日が無かったんだよな。
毎日A~Cのバンドが、メンバーを入れ替わり立ち代りで毎日ライブを行い。
俺の自業自得とは言え、全てのライブに参加せざるを得ない状態の俺は、休む暇を与えられないまま10日間が過ぎ去っていったって訳だ。
序に言えば、この10日間の内に、ジミーの木偶の坊が、頼みもしない『地方遠征』なんて余計なオマケが2回付きでな。
しかもだぞ。
最悪なのは、なにも、これだけに留まらないんだよな……奈緒さんとライブが重なった日は、まさに煉獄の極地なんだよ。
ライブ終了後の、その夜に、演奏で疲弊したままの体を引き摺って、そのまま彼女の家に連れて行かれ『夏休みの課題をやらされる』と言う地獄を味わっている。
彼女曰く『私の彼氏なら、勉強と音楽を両立させろ』との事だ。
正直言えば、正論なんだろうが無茶苦茶だ。
これは既に『意地悪』とか言う生易しいレベルじゃなく、もぉ『虐め』っと言っても過言じゃない仕打ちだ。
つぅかな、此処最近の奈緒さんは機嫌が悪過ぎだろ。
いや……そうは言ってもだ。
いつもの様に、ただ単に気紛れを起して、奈緒さんの機嫌が悪い訳じゃないんだよ。
彼女には彼女也の、それ、相応の言い分がある。
要するに、その言い分に成り得る理由ってのが、もぉ既に恒例に成りつつある『俺の方に原因が有る』って訳だ。
―――それが『今回のがなにか?』って言うとだな。
あの、先日出逢った例の女子高生4人組……これが大問題だったんだ。
彼女達は、何所からお金を調達してるのかは知らないが。
必ずと言って良い程、俺達のライブがある度に、全員で顔を出してくれており。
その都度『俺』を、自分達の近くに居るオーディエンス達に宣伝してくれているので、彼女達のお陰で集客は鰻登りになっている。
だから、此処までは良い。
寧ろ此処に関しては、問題どころか、感謝すべき現実だ。
なので当然、奈緒さんも此処までは、彼女達を俺のファンと言う事で黙認していた。
だが、問題は、ライブに来た時の彼女達の格好だ。
ライブ初日から、結構、露出の多い、ちょいエロの格好で4人組が現れて。
会場内で俺だけの応援してくれるもんだから、これを見た奈緒さんの気分が良い訳が無い。
しかも……彼女達は、回を重ねる事に、その仲間をドンドン増やしていき。
公言通り彼女達は、学校や郊外に居る仲間達に俺を売り込み、更に会場内を盛大に盛り上げてくれている。
この辺については、マニフェストとかぬかしながらも、出来もしない公約ばかりほざいている日本の政治家とは大違いだ。
まさに有言実行。
けどだな。
それに反して、奈緒さんの心境を考慮した場合『なんで、あの子達が、君の為に、あそこまでするのよ?』って、気持ちになっちまう訳だ。
勿論、彼女は、そんな馬鹿げた事を、俺に追求したりはしない……がだ。
それ以来、いつも俺と顔を合わすたびに、あからさまなぐらい険しい顔をしてくる。
俺から言わせりゃ、心配なのは俺の方なんだがな。
『奈緒さんは美人だから、会場に居る男性陣にモテるじゃないですか。嫉妬したい気分なのは、寧ろ、俺の方ッスよ』
……っと、言いたい所なんだが、これは明らかに言える訳が無い。
下手に口を滑らして、こんな事を言ったら。
それこそ、奈緒さんに何を言われたものか解ったもんじゃないからな。
まぁ兎に角、そんな訳で、この日を境に奈緒さんの機嫌が悪い。
……ってな理由でだ。
ライブ初日を皮切りに、奈緒さんの『勉強』と言う無言の嫌がらせが始まった訳だ。
あぁでもだな。
一応、彼女の面子を守る為に一言だけ言って置くが。
彼女の『優しい』って本質は、実際、なにも変わっちゃいないんだぞ。
3日程したら、怒るのが面倒臭くなったのか、通常通りに接してくれる様に成ったからな。
んで、奈緒さんが出ていない3日目のライブでは、2人で仲良く手なんか繋いで家路について終了する。
けどだな。
こんな風に浮かれた気分になるのは、まだ早かったんだよ。
実は、まだ、この問題には先があるんだよ。
この時点では、この問題は、全く解決してなかったんだよな。
いや、寧ろ、それどころか、正確に言うと、この程度は問題にすらなっていなかったんだ。
―――それが、何かって言うとだな。
『それに付随して作られた彼女達のホームページ』
これこそが、実は、今回の最大の問題になる理由だったんだ。
いや……これも先に言って置くが。
決して、ホームページの出来が粗悪な物だとか、俺のイメージに合わない構成だとか言う、そんな単純で可愛いレベルの話じゃないんだぞ。
寧ろ、これを単体で見た場合、俺を応援してくれるだけのホームページにしての作りは凝ってるし、デザインも抜群に格好良い。
言うなれば、プロが作ったものと比べても、遜色ないぐらい出来の良いホームページなんだ。
ただな……あの例の路地で撮った。
『ブラチラ』『パンチラ』『胸の谷間』
……っと言う『男の3大ロマン』が詰まった、あのエロ写真が、惜しげもなくトップページに来てるのが大問題なんだよな。
更にな、あの子達の応援に駆けつけてくれた時の格好が、そのまま『ちょいエロ写真』として掲載されているんだ。
これにより、当然、問題は容易く悪化する。
こんなもん、奈緒さんが見たら『なんであの子達、君の為にあそこまでするのよ』って、負の感情が、奈緒さんの心の中に再燃してもおかしくないからな。
けどまぁ……逆に言ってしまえば『奈緒さんの目にさえ、このホームページが止まらなかったら問題は無い』
俺は、そう、安易にも思い込んでいた。
だが……当然の如く、事態は急転直下に悪化する。
このホームページ……可愛い女子高生の『ちょいエロ写真』を掲載してるのと、毎日更新されるのが好評で、あっと言う間に、アクセス数が鰻登り。
立ち上げて、たった4日間と言う短期間で、アクセス数が尋常じゃない数値になってしまったんだ。
当然そうなるとだ。
アクセスランクが高いホームページは、知的好奇心旺盛な奈緒さんの目にも、自然に止まってしまう訳だ。
なら、どうなる?
苛めだよ、苛め。
此処に来て、奈緒さんの俺に対する、例の『勉強』って無言の虐めが再発動するんだよ。
①Dライブ+不機嫌(なんでだ?)→勉強
②Bライブ→勉強
③Cライブ+仲直り(ヤッター!!)
④Aライブ+不機嫌再発(うそ~ん!!)→勉強
⑤Bライブ→勉強
⑥Cライブ
⑦Aライブ→勉強
⑧Bライブ→勉強
⑨Cライブ
⑩Aライブ(現在ライブ進行中)最終日
(因みにDライブは、全員ライブの事な)
ってな感じで、ライブだけでも、一杯一杯なのに。
それ+奈緒さんの感情の起伏で、更に勉強と言う虐めが加わって、まさに地獄・煉獄に、相応しい状態になってる訳だな。
……まぁ所詮は、どう足掻こうが、俺が悪い事だけは確かなんだがな。
奈緒さん、いい加減、許しちくり。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
はい、早速発動してしまいましたね。
倉津君の特殊スキル第二段『人生楽ありゃ苦もあるさ』
前回の様に良い事があれば、必ず何処かで悪い事が起こると言う、幸福の指数を表す様な天秤スキル。
今回は、どうやら悪い方向の様ですね。
ただ……この程度で終われば良いのですが(ΦωΦ)フフフ…
さて、そんな中、次回は、どんな不幸が訪れるのでしょうか?
是非、その目で確かめて下さい♪
おい、ちょっと待て、不幸が確定してねぇか?(;゚Д゚) Σ(・ω・ノ)ノ!なんでバレた!!
読み終わったら、ポイントを付けましょう!