最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
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第三十七話 告白

206 不良さん、新たなる試練への道

公開日時: 2021年8月31日(火) 00:21
更新日時: 2022年12月6日(火) 20:25
文字数:2,966

第三十七話スタートですじゃ(*'ω'*)ノ

 037【告白】


 再び訪れた地獄の日々。

そして俺は、この日々に逆らう事を一切許されていない奴隷状態。

だから今の俺は、正直言えば『息をするのも面倒臭い』程、疲弊しきっている。


夏休みが始まって、まだ、たった10日間の出来事なのだが……これを地獄と呼ばずして、一体、何を地獄と言うのだろうか?


―――それ程までに、この10日間は辛い日々だった(継続中)


……っでまぁ、そんな俺の身に、なにが起こったかと言うとだな。

実は、この10日間。

一日たりとも、ライブが無い日が無かったんだよな。


毎日A~Cのバンドが、メンバーを入れ替わり立ち代りで毎日ライブを行い。

俺の自業自得とは言え、全てのライブに参加せざるを得ない状態の俺は、休む暇を与えられないまま10日間が過ぎ去っていったって訳だ。

序に言えば、この10日間の内に、ジミーの木偶の坊が、頼みもしない『地方遠征』なんて余計なオマケが2回付きでな。


しかもだぞ。

最悪なのは、なにも、これだけに留まらないんだよな……奈緒さんとライブが重なった日は、まさに煉獄の極地なんだよ。


ライブ終了後の、その夜に、演奏で疲弊したままの体を引き摺って、そのまま彼女の家に連れて行かれ『夏休みの課題をやらされる』と言う地獄を味わっている。

彼女曰く『私の彼氏なら、勉強と音楽を両立させろ』との事だ。


正直言えば、正論なんだろうが無茶苦茶だ。

これは既に『意地悪』とか言う生易しいレベルじゃなく、もぉ『虐め』っと言っても過言じゃない仕打ちだ。


つぅかな、此処最近の奈緒さんは機嫌が悪過ぎだろ。



いや……そうは言ってもだ。

いつもの様に、ただ単に気紛れを起して、奈緒さんの機嫌が悪い訳じゃないんだよ。


彼女には彼女也の、それ、相応の言い分がある。

要するに、その言い分に成り得る理由ってのが、もぉ既に恒例に成りつつある『俺の方に原因が有る』って訳だ。


―――それが『今回のがなにか?』って言うとだな。


あの、先日出逢った例の女子高生4人組……これが大問題だったんだ。


彼女達は、何所からお金を調達してるのかは知らないが。

必ずと言って良い程、俺達のライブがある度に、全員で顔を出してくれており。

その都度『俺』を、自分達の近くに居るオーディエンス達に宣伝してくれているので、彼女達のお陰で集客は鰻登りになっている。


だから、此処までは良い。

寧ろ此処に関しては、問題どころか、感謝すべき現実だ。


なので当然、奈緒さんも此処までは、彼女達を俺のファンと言う事で黙認していた。


だが、問題は、ライブに来た時の彼女達の格好だ。


ライブ初日から、結構、露出の多い、ちょいエロの格好で4人組が現れて。

会場内で俺だけの応援してくれるもんだから、これを見た奈緒さんの気分が良い訳が無い。


しかも……彼女達は、回を重ねる事に、その仲間をドンドン増やしていき。

公言通り彼女達は、学校や郊外に居る仲間達に俺を売り込み、更に会場内を盛大に盛り上げてくれている。


この辺については、マニフェストとかぬかしながらも、出来もしない公約ばかりほざいている日本の政治家とは大違いだ。


まさに有言実行。


けどだな。

それに反して、奈緒さんの心境を考慮した場合『なんで、あの子達が、君の為に、あそこまでするのよ?』って、気持ちになっちまう訳だ。


勿論、彼女は、そんな馬鹿げた事を、俺に追求したりはしない……がだ。

それ以来、いつも俺と顔を合わすたびに、あからさまなぐらい険しい顔をしてくる。


俺から言わせりゃ、心配なのは俺の方なんだがな。

『奈緒さんは美人だから、会場に居る男性陣にモテるじゃないですか。嫉妬したい気分なのは、寧ろ、俺の方ッスよ』

……っと、言いたい所なんだが、これは明らかに言える訳が無い。


下手に口を滑らして、こんな事を言ったら。

それこそ、奈緒さんに何を言われたものか解ったもんじゃないからな。


まぁ兎に角、そんな訳で、この日を境に奈緒さんの機嫌が悪い。


……ってな理由でだ。

ライブ初日を皮切りに、奈緒さんの『勉強』と言う無言の嫌がらせが始まった訳だ。



あぁでもだな。

一応、彼女の面子を守る為に一言だけ言って置くが。

彼女の『優しい』って本質は、実際、なにも変わっちゃいないんだぞ。


3日程したら、怒るのが面倒臭くなったのか、通常通りに接してくれる様に成ったからな。


んで、奈緒さんが出ていない3日目のライブでは、2人で仲良く手なんか繋いで家路について終了する。



けどだな。

こんな風に浮かれた気分になるのは、まだ早かったんだよ。


実は、まだ、この問題には先があるんだよ。

この時点では、この問題は、全く解決してなかったんだよな。

いや、寧ろ、それどころか、正確に言うと、この程度は問題にすらなっていなかったんだ。


―――それが、何かって言うとだな。


『それに付随して作られた彼女達のホームページ』

これこそが、実は、今回の最大の問題になる理由だったんだ。


いや……これも先に言って置くが。

決して、ホームページの出来が粗悪な物だとか、俺のイメージに合わない構成だとか言う、そんな単純で可愛いレベルの話じゃないんだぞ。


寧ろ、これを単体で見た場合、俺を応援してくれるだけのホームページにしての作りは凝ってるし、デザインも抜群に格好良い。

言うなれば、プロが作ったものと比べても、遜色ないぐらい出来の良いホームページなんだ。


ただな……あの例の路地で撮った。

『ブラチラ』『パンチラ』『胸の谷間』

……っと言う『男の3大ロマン』が詰まった、あのエロ写真が、惜しげもなくトップページに来てるのが大問題なんだよな。


更にな、あの子達の応援に駆けつけてくれた時の格好が、そのまま『ちょいエロ写真』として掲載されているんだ。


これにより、当然、問題は容易く悪化する。


こんなもん、奈緒さんが見たら『なんであの子達、君の為にあそこまでするのよ』って、負の感情が、奈緒さんの心の中に再燃してもおかしくないからな。


けどまぁ……逆に言ってしまえば『奈緒さんの目にさえ、このホームページが止まらなかったら問題は無い』

俺は、そう、安易にも思い込んでいた。


だが……当然の如く、事態は急転直下に悪化する。


このホームページ……可愛い女子高生の『ちょいエロ写真』を掲載してるのと、毎日更新されるのが好評で、あっと言う間に、アクセス数が鰻登り。

立ち上げて、たった4日間と言う短期間で、アクセス数が尋常じゃない数値になってしまったんだ。


当然そうなるとだ。

アクセスランクが高いホームページは、知的好奇心旺盛な奈緒さんの目にも、自然に止まってしまう訳だ。


なら、どうなる?


苛めだよ、苛め。

此処に来て、奈緒さんの俺に対する、例の『勉強』って無言の虐めが再発動するんだよ。


①Dライブ+不機嫌(なんでだ?)→勉強

②Bライブ→勉強

③Cライブ+仲直り(ヤッター!!)

④Aライブ+不機嫌再発(うそ~ん!!)→勉強

⑤Bライブ→勉強

⑥Cライブ

⑦Aライブ→勉強

⑧Bライブ→勉強

⑨Cライブ

⑩Aライブ(現在ライブ進行中)最終日

(因みにDライブは、全員ライブの事な)


ってな感じで、ライブだけでも、一杯一杯なのに。

それ+奈緒さんの感情の起伏で、更に勉強と言う虐めが加わって、まさに地獄・煉獄に、相応しい状態になってる訳だな。


……まぁ所詮は、どう足掻こうが、俺が悪い事だけは確かなんだがな。


奈緒さん、いい加減、許しちくり。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


はい、早速発動してしまいましたね。

倉津君の特殊スキル第二段『人生楽ありゃ苦もあるさ』


前回の様に良い事があれば、必ず何処かで悪い事が起こると言う、幸福の指数を表す様な天秤スキル。


今回は、どうやら悪い方向の様ですね。


ただ……この程度で終われば良いのですが(ΦωΦ)フフフ…


さて、そんな中、次回は、どんな不幸が訪れるのでしょうか?


是非、その目で確かめて下さい♪


おい、ちょっと待て、不幸が確定してねぇか?(;゚Д゚) Σ(・ω・ノ)ノ!なんでバレた!!

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

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